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第13話 新たな可能性

お久しぶりです。

いろいろありまして、10か月近く放置してしまいました。

以前、打った文章が見つかったのでUPします。

俺たちは部屋の片づけを簡単に済ませた後、部屋を出た。


っといっても、片付けはフィーナが終わらせたのだが…。


「お疲れ様です。フィーナ様。タツヤ様」

外でずっと待っていたのだろうかモナが声をかけてきた。


「モナ、ずっと待っていたのか?」


「はい。この部屋は王族の許可がない限りは入ってはならない部屋ですので…。それとフィーナ様、同盟国であるグスタリカ国から使者が到着したそうなのでそちらに向かってもらえますか?なんでも新たな発明品ができたのことなんで…」


「わかりました。早速向かいましょう。応接室でよいかしら?」


「はい」


「では、いきましょう。タツヤさんもきますか?ドワーフの方々の発明品は面白いものが多いですので楽しめますよ?」


「行っていいのか?そういうのは王族とか外交官だけじゃ…」


「かまいませんよ。私の連れということにしますから。それに、ドワーフの一番の喜びは自分たちの作品が完璧にできた時とその出来具合に驚く人々の顔ですから…」


「いかにも職人って感じだな。じゃぁお言葉に甘えてご一緒させてもらおうかな。」

(…にしてもこの世界にはドワーフなんかもいるのか。。何ができたのかメチャクチャ気になるところだな。)


そんなことを考えながら俺たちは応接室へと向かった。


***


コンコン。

応接室のドアを開くと中にはソファーに腰かけているちょっと小柄だががっしりとした肉体のいかにもドワーフみたいな人が2人と先日会ったジョマンダー将軍がいた。



「遅くなってしまい申し訳ありません。アルバニア王国第一王女。フィーナ・エルサレム・ヴィ・アルバニアです。この度はわざわざお越し頂きありがとうございます。本日は何やら発明品をお持ち下さったとお聞きしましたが…」


「おぉぉ。フィーナ様、前回のご視察時にわれわれへの多大な配慮、とても感謝しております。そのおかげで今回は今までにはない完成度を誇るものを完成させることができたのです!」そういうとわきに立てかけて置いてあった、1m50㎝ほどある木箱を机の上に置いた。

何やらドワーフの指がキラリと光ったかと思うと木箱がギィーと音をたててゆっくり開いた。


「こちらでございます」

俺たちはそっと中を覗き込む。


「こちらは、鉄鉱石をベースに錬金、鍛練を繰り返して内部に一切の突起やへこみのない筒を作り上げ、その中を火の魔法により作り上げた着火薬を爆発させ、そのエネルギーで鉛の塊を高速で通すという武器です。風の魔法に匹敵する速度で鉛の塊を飛ばすことを可能にした我等の最高傑作であります!」


「「おぉぉ」」

近くの衛兵やジョマンダーは感嘆の声を上げている。


そう。

中身は銃だったのだ。それも、現代の銃ではない。歴史博物館でみた火繩銃のような感じのもので、溶接などが手作り感ありふれている。しかし、刻み込まれた模様などは神業としか言いようのないものであった。銃自体が一つの芸術と化している代物だった。


「いかがで…」

「なんで銃がここにあるんだ??」


俺の驚きの声とドワーフの声が被ってしまった…


ドワーフに一瞬睨まれたがそこまで気にしなかったようだ。

「ウォホォンッ。フィーナ様、将軍閣下これは魔法を使用しないので攻撃位置を敵に察知されにくく、戦時に敵の飛行部隊を撃ち落とすのに役立つかと…」

そういいながら、ドワーフは銃を箱から取り出した。


「そうですか。…ところでタツヤさん。少々気になったのですが『銃』とはなんでしょうか??」


「うむ。ワシもそれは気になった」

ジョマンダー将軍も乗り出すように聞いてくる。


ヤバい…痛いところを突かれてしまった。


自分のことを忘れられたかのうような仕打ちを受けたドワーフはやたら不機嫌そうな顔をしている。


なんとかごまかそうと頭をフル回転した結果…

「あぁ。銃というのは俺が昔読んだ本に構想だけが書いてあったものなんですよ。だから架空のものだと思ったんですが、それを実際に作ってしまうなんて…。ドワーフの技術力の高さに驚かされました!!」



それを聞くとドワーフがやたら上機嫌になったようだ。

やはり、こういう技術者はおだてられると弱いようだ。

まぁ、口が裂けても、地球には秒間数十発連射できるものがゴロゴロ存在するなんて言えない…



「いくら口で説明して詳細なことは伝わらないでしょうから、実演させていただきたいのですが…」



「うむ。なら魔法実戦場を使うといいだろう」

そういってジョマンダー将軍は近くの衛兵に何やら耳打ちする。



ドワーフ達が木箱を閉め、背中に担いだのを確認するとモナがドアを開けた。


「それでは、ご案内します」

そのままモナ、フィーナ、俺、衛兵、ドワーフ、衛兵の順で俺達は魔法実戦場に向かった。





「…こちらになります」

モナの声を聞き顔を上げるとそこは訓練所の脇にある体育館くらいの広さの建物だった。


人払いをしたのか訓練所のほうにも人はいないようで、剣を撃ち合う音もしない。

中に入ると、人の頭ほどの大きさの的や消しゴムくらいの大きさの的など、様々な大きさの的がいくつか設置してあり、中には動くものもあった。


「それでは、実演させていただきます」ドワーフはフィーナに一礼すると、近くに置いてあった机の上に木箱を置き、中から銃を取り出した。



「まず、上部の穴にこの球体を一ついれます。あ、これには起爆薬が入っております」

そういって銃の上に開いてる小さな穴に球体を入れた。


「続いて、ここを引き鉛の玉を詰めます」

ドワーフは銃の右側のレバーを引いて、そこにできた空間に小指の先程の大きさの鉛の塊を入れて、レバーを元の位置に戻した。



「そして、狙いを定めてこの部分を人差し指で引きます」



ダーンッ

という音と共に的の一つが吹き飛んだ。



「むむ!!これはすごいですな!!」


「…確かにすごいですね!」

フィーナは音に驚いたのか発砲時にビクッと体を震わせたが、すぐに冷静さを取り戻したようだ。



ドワーフは、これらの反応にどこか得意そうなまま銃を縦に持ち替えた。

「そして撃ち終わりましたら、先程と同じように起爆薬を入れてください」


そう言って先程と同じように玉と起爆薬を入れ終えるとドワーフはまた、発砲した。



ダーン……カチャカチャ…ダーン……カチャカチャ…

っと約30発ほど撃つと再び銃を箱の中に戻した。






ドワーフが撃つのを見ていたジョマンダー将軍がふと口を開いた。

「すまぬが、わしにも撃たせてもらえないか??」


『おぉ。将軍閣下には是非とも試射していただかないとでした!!申し訳ありません。是非とも撃ってください。』


そういってもう一人のドワーフはジョマンダー将軍に銃を渡した。

「ふむ。こんな感じか」

そういって、的に向かって引き金を引いた。


ダーン。


場内に銃声が反響している。


「これはなかなか良いものだな!!」

そういうとジョマンダー将軍は新しいおもちゃを与えられた子供のように楽しそうに銃を撃ち始めた。


「うむ。これは是非とも次の議会の議題に上げることにさせてもらう。」

ある程度撃った時点で、満足したのか銃をドワーフに返しながらジョマンダー将軍が言った。


「はっ!!もったいなき幸せです。」

そういってドワーフは深くお辞儀をした。


そんな様子を見ながら俺は、一つの考えがぱっと浮かんだ。

「すいません。その武器の弾に魔力を込めること可能ですか?」

俺の問いに一瞬、ドワーフは眉間に皺を寄せた。

「先ほども言ったのだが、これは魔力を探知されないことが売りのもので、魔力を込めるようなことをしたら一瞬で位置を教えてしまうではないか!まぁ、ミスリルとかの魔力伝導性の良い物質で弾を作ればできないことはないが、1発あたりの値段が跳ね上がるがな!!」

そういいながらシッシと俺に手を振った。


(意外とこれはいけるかもしれないな…)

俺の中である考えがかなり具体的なイメージとなってきた。



その後、ジョマンダー将軍とドワーフ達は別室に行き、俺達は夕食の席に向かった。



扉を開けるとジェイド王と王妃様が既に席に着いていた。


「おぉ、待っておったぞタツヤ。」

そういいながらジェイド王は席に着くようにうながす。



「お待たせしてしまい、申し訳ありません」

いくら普通に接してくれているとはいえ、ジェイド王はこの国の国王だ。最低限の礼儀は忘れてはいけない。


「構わんよ。それで、魔法の訓練は順調かな??」


「いぇ…。闇魔法を凝縮した弾丸は作れるようになったのですが、制御がうまく出来ず、なかなか上手くいきませんでした…」


せっかく教えてくれたフィーナに申し訳ない気持ちもあり、軽く俯きがちに答えた。


「ふーむ。まぁ、魔法は一日や二日どころか一年以上かけて初めて形あるものとして発動出来るようになるのが普通ではないのか?その点、タツヤは2週間足らずで魔法を発動出来ているのだから、既に十分早いペースで学んでいるのではなかろうか」


「そうですよ!それにタツヤさんの魔力の持続時間はとてつもなく長いですから、絶対大丈夫です!!」

フィーナもすかさずフォローしてくれた。



「フィーナよ、持続持続が長いと言うのはどういうことだ??」


「文字通りの意味です。お父様。タツヤさんは2時間以上休憩無しで連続して魔法を発動し続けていました!!いくら消費魔力の少ない簡易魔法とは言え、かなりの破壊力があったので、魔力量に関しては一般的な者の数倍いえ数十倍はあるかと思われます!」


「それは、凄いですわね」

エリス王妃がこちらをじっと見ながら、そう言ってきた。


「魔力量を増やすのには大変時間がかかるものですから、元々の魔力量が高いことにこしたことはありません。私たち王族が使う光属性は消費魔力が高いと言われています。ですから、対の存在である闇属性も消費魔力が大きいのでしょう。それに合わせ、魔力量も多いのだと思われます。」


エリス王妃はマグカップを持ち上げながら言った。


「とりあえず、明日からもフィーナと協力し魔法の練習は続けていくとよいと思うぞ?」

ジェイド王の誘いを断る理由もないので俺はこれを了承した。


そんなのことを話しているうちに外は真っ暗となり、そんなか食事を終え、俺とフィーマナは部屋にもどったのだった。


読んでいただきありがとうございます。

これからも、チョコチョコUPしていけたらいいなぁ~と思います。


誤字脱字・ご意見・ご感想等ありましたらよろしくお願いします。

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