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なぜ勇者に嫌われているのか分からないシリーズ

私はなぜ、勇者様に嫌われているのだろう?

作者: 仲仁へび
掲載日:2026/08/17



 私は勇者様に嫌われている。

 勇者パーティーの一員なのに。


 私は別に勇者様の事を嫌っているわけではない。

 むしろ好意を抱いている。

 

 勇者様を尊敬してるし、勇者パーティ選抜の結果には誇らしい思いを抱いている。


 偉大で強い勇者様の隣に並び立つために、惜しみなく努力を注ごうと思うのが苦にならない程には、好意を抱いている。


 だから分からない。


「俺はお前が大っ嫌いだ。できれば顔も見たくない」

「そんな、どうしてですか、勇者様!」


 どうしてこうなってしまったのだろう。






 世界中で国を破壊し、魔物を操って人々を殺戮しつづけている脅威ーー魔王。


 そんな魔王を倒すために、国の中で特別強いものたちが数人選ばれた。


 その中の一人が私だ。

 

「どうか魔王を倒して、世界を救ってほしい」


 選ばれた私達はパーティーをくんで、魔王討伐の旅に出る事になったが、途中で問題が起きた。


 私が勇者様に嫌われたのだ。


 なぜなのか分からない。






 私は勇者様に失礼な態度をとったことはないし。


 彼の事は常に意識している。


 戦闘ではいつも勇者様や他の者達のお荷物にならないように、最大限の力で戦っているし。


「おい、見ろ。魔物の軍勢がたった一度の魔法で吹っ飛んだぞ!」


 日常でも勇者パーティーの一員としてふさわしいふるまいをしているし。


「あんなに難しい礼儀作法を、この短期間で覚えるなんて」


 何があっても困らないように、旅で必要な知識は全て頭の中に入れている。


「一般的な地図にはのっていませんが、ここには小さな里がいくつか存在しています。もうすぐ夜になりますが、野宿するより日が暮れる前に里を目指した方がよいでしょう」


 だというのに、なぜ嫌われているのだろう。





「あ、勇者様たちがやってきたわよ」

「本当だ、オーラが違うから遠くからでも目立つな」

「で、誰がリーダーの勇者様なんだ?」

「そりゃ当然、あの人でしょ? だってよく新聞記事に出てる顔だし、滅茶苦茶礼儀正しいし、なんか人の質問にすらすら答えてて物知りっぽいじゃん」






「勇者様、私を嫌う理由を教えてください! 私が何をしてしまったというのですか!?」


 ーーなんで嫌っているかだって?


 ーーそんなのお前が、本物のリーダーよりもリーダーらしいふるまいをしまくったせいで、本物のリーダーだと思われてるからだろ!





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