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オカシなお披露目の話

「お初にお目にかかります。龍騎さんと親しくさせて頂いております。鷹宮 剣護と申します。」


いきなり呼ばれて着せ替えられたと言うのに、この落ち着き。

そして所作が武人を感じさせる美しい動きだ。

親父達の目の色が変わった。


「タカはホント、カッコいーよなぁ。袴もすっげぇ似合う!」

ニコニコと笑って褒める龍騎と

「…ありがとう、リュウ。でもな?何度も言うが、いきなり呼び出すのはやめてくれ…」

疲れたように目を伏せて眼鏡を直す鷹宮君。

ウチのバカ息子に振り回されているんだな。すまん。

いや、今回は妻も悪ノリしたな。

「しかし、鷹宮君の動きは堂に入っているな。何か心得が?」

「…祖父が剣術を嗜んでおりまして。私も多少手解きを受けておりました。」

「ふむ、なら、名付けもお祖父様かな?」

「はい。ちなみ父は刀治郎ですよ。」

「ハハハッ!随分と浪漫のある御仁だな!」

「…もしかして、ご祖父様は『鷹宮 一刀』殿ですか!?」

「あ、はい。祖父をご存知ですか?」

「うわぁ!マジで!!」

「なんだ、直次。説明してくれ」

「剣護君のご祖父様、一刀殿は一刀流と言う流派の方なんです!一刀流の太刀筋は現代剣道にも多く取り入れられてて、基礎として学ばれているんですよ!ね!?剣護君!」


「随分とお詳しいのですね。ええ、仰る通り、歴史の中で生き続けている流派です。私は若輩者なので刀を振るえませんが」と付け足して笑う剣護君の芯の強さの理由が見えた気がした。


「…だからタカって目ぇいいのか」

「ん?」

「よく見てるじゃん?目と頭が良いんだなぁって思ってた。」

「…それはあるかもね?相手の動きを読めれば先に動けるから。」

「…じゃあ、俺、タカにはずっと勝てないわー」

「ふふ、リュウとは戦わないから問題ないよ。」

「だな!てか、なぁ、じいちゃん!飯食おうぜー?腹減ったぁ」

「あ、ああ。そうだな。」


剣護君の高校生とは思えない知識と気持ち良く話させてくれる話術に親父達はすっかりご機嫌になってしまった。

剣護君、人生二周目じゃないのかい?

前世は営業職か詐欺師で。




ずっと背筋がざわついている。

祖父の話が出た辺りから俺を見る目が、値踏みから査定に変わった。

リュウの父君からは、何故か胡散臭いて目を向けられてる。

リュウはのんきに飯食ってる。

お前のダチとして篩にかけられてるんだぞ!?もうちょい気にしてくれ!


会は穏やかに終わった。リュウのご祖父様からはまたおいでとも声をかけられた。

着物も返し、着替えてようやく落ちつく。 

  

「ごめんな。タカ」

いいよ、と返そうとして言葉をのみこむ。

「…相応しくないと思われたら、一緒にいられなく「んな訳ない!」

「え?」

「俺が選んだ。文句言わせねぇ、絶対。」

まっすぐで強い瞳。

ああ、やっぱり…

「リュウのその目、好きだなぁ。」

苦笑いでそう言えば、リュウはパチパチと瞬きしながら首を傾げる。

「どんな目?」

「曇りのない目」

「…わかんねぇ」

「ふふ…自分じゃ分からない事もあるよ。」




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