14.アシスタント
染谷は、漫画を描きながら、時子をアシスタントにできないか考えていた。時子は絵が描けないので、事務所の整理やリサーチ作業、ストーリー構成やアイデア起用などで使えないか考えている。その前に正式な年齢を聞いておく必要があった。労働基準法で15歳に達しない者の就労は禁止されているからだ。しかし、いくつか問題があった。履歴書を書いてもらうにしろ、実際の生年月日で書かれると、大変な事になる。もう一つは、もし正式採用とするならば雇用契約に関する書類を様々な公的機関に提出しなければならない事だ。現代日本にに戸籍を持たない以上、これらは通らないだろう。では、住み込みというのはどうだろう。これは、男女の関係上NGだろう。
困った染谷は、康介にラインを送った。
《時子ちゃんをアシスタントとして雇えないか考えてるんだけど、戸籍や生年月日の関係上、厳しいと思うんだ。康介はどう思う?》
すると、既読がすぐにつき、康介は次のように返信してきた。
《雇用しなきゃいい話だと思うぞ》
《それが聞きたいんじゃない。もっと具体的な解決策を聞きたいんだ》
《だから、わざわざ雇う必要ないって事よ。お小遣いって形で月々いくらか渡したらどうだ。あとは、市江さんや時子ちゃん本人に聞いてみるといいと思うぞ》
《わかった。そうしてみる》
そういえば、と思い染谷は机の引き出しを漁った。
「あった」
使っていないスマートフォンが一台あったのだ。これで時子ちゃんと連絡が取れる。ラインやユーチューブなどの一通りのアプリケーションはインストールしてあった。今日の夕方にこれを渡しに行こう。




