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『女の子なの…!?』驚きの成長と忍び寄る足音を感じるころ②

 私が2歳半を迎えてから、さらに数か月が過ぎようとしている。感覚的にはもう少しで3歳――言いかえれば、生まれてから3度目の“誕生日”が視野に入ってきた。生まれ落ちた頃は何もかも手も足も出なかった赤ちゃんだったが、いまはトイレだって自分で行けるようになったし、簡単な会話も成立するようになった。日常を振り返ると、わずか半年でここまで変化するのだから、幼児の成長はやはり侮れない。


 とはいえ、私の内心にはまだ“幼児ライフ”ならではの恥ずかしさが幾重にも折り重なっている。特に、トイレトレーニングをほぼ卒業したとはいえ、失敗がゼロになったわけではないし、寝起きでぼんやりしているときなどは、つい「あ……出ちゃう!」ということがないでもない。が、それ以上に衝撃的なのは「風呂場で体を洗われる時間がなんとも気まずい」という点だ。以前なら赤ちゃんの感覚で「はいはい洗ってくださーい」と無抵抗に受け止めていたが、最近は違う。この世界になれて、自我と理性が発達してくるほど、前世で男性だった自分とのギャップをまざまざと思い知らされるようで、見知らぬ女の子の身体に触れられている――いや、自分自身が女の子なのだという事実が否応なく突きつけられるからだ。


 もっとも、今の身体は3歳に満たない幼児そのもの。自分の姿を鏡で見ると、ふわふわの髪と、少しずつ丸みから抜けてきた幼い輪郭が映る。背丈はまだ小さいし、手足も細い。それでも前よりは少し長くなった髪が、洗った後の湯気でしっとりとしている様子を鏡越しに見ると、確かに「ああ、女の子の髪型だ」と思うわけだ。お風呂のとき、侍女たちが「よしよし、綺麗にしようね」と背中を撫でてくれるのも、正直気持ちいい。それでもどこかに、前世からの“男性意識”が残っていて、「こんなにしっかり洗われるの、恥ずかしい……」と感じてしまう。だけど、今はほぼ3歳の幼児だから仕方ない――そう頭で納得しないと、恥ずかしさでどうにかなりそうだ。


 幸い、エミーやローザは洗う際もなるべく私に気を遣ってくれている。嫌がらないように声をかけてくれたり、できる範囲は自分で洗わせてくれたり、といった配慮があるのが救いだ。「リア、ここまでなら自分でできる?」と聞かれると、私は照れながらも「うん……できる」と返事し、手や腕、お腹あたりは自分でぬぐえるようになった。だが、背中や足の裏、そして下半身などはまだバランスを崩しやすいし、洗い方の加減も難しく、結局は彼女たちに任せることになる。前世でなら何でも自力でシャワーを浴びていたのに、いまはこうしてサポートされる身……。体の成長が追いつくまで待つしかない。


 最近、鏡に映る自分を見る機会が増えたのは、ベアトリーチェが「自己認識を促すためにも鏡で顔や体をチェックしてごらん?」と提案したためだ。もともと部屋には小さな姿見しかなく、私が背伸びしても上半身しか映らなかった。ところが、侍女がわざわざ高さを調整した鏡を持ってきてくれて、床に近い位置で私が鏡を覗けるようにしてくれた。そこに映るのは丸みを帯びた頬と、少しずつ伸びてきた髪――紛れもなく“幼児の女の子”の姿だ。前世での大人男性の面影は微塵も残っていない。小さな手のひらを動かせば鏡の中の“私”も動き、大きな目が瞬きを繰り返す。そのあまりに可愛らしい姿に、自分で自分を見て戸惑うこともあるが、同時に「この子が成長していくんだ……」と不思議な感慨が込み上がってくる。


 「いつかはもっと背が伸びて、大人の女性になるのか……」と思うと、頭が混乱するし、前世の男としてのプライドがちくりと痛む瞬間もある。でも、今は“ここ”で生きていくために、これを受け入れなければならない。しかも領主としての運命も背負っているなら、むしろ早く体を使いこなし、この世界の制度、地理、文化や政治の知識を積まなくては――という焦りが頭をもたげる。一方で、3歳前後の幼児がそんな大人びた思考を抱えるのは、やはりアンバランスだ。体を洗われながら「いずれは巨大なドレスを着て、表舞台に立つかもしれない」と考える自分が可笑しくもあり、どこか怖くもある。


 言葉の習得に関しては、この数か月でさらなる飛躍を感じる。2歳半くらいのときは2語文・3語文が精一杯だったが、いまはもう少し複雑なフレーズを口にできるようになってきた。「エミー、あの……まるいパンとって」「ローザ、それ、おもしろいから見せて!」など、文としては幼稚ながらも言いたいことをきちんと伝えられるレベルになってきたのだ。理解のほうもグッと深まっていて、侍女同士の雑談を“断片的”ではなく“ある程度の塊”で把握できるときもある。彼女たちが「今日はどうしてこんなに外が騒がしいんだろうね……」と不安そうに言えば、私も「そ、と……外、うるさいね」と相槌を打てるくらいには会話が進む。


 実際、最近は外から“ガンガン”と石を叩くような大きな音が聞こえる日が続いている。窓から覗いてみると、庭の外側――屋敷の外壁あたりで作業をしている人が見える。何か石材や木材を運んで、土台を築いているような……。エミーに尋ねると、「お庭を広げて、外壁をもう少し先に伸ばすんだって。果物を育てる温室や、来客用の離れを作るんだとか」と教えてくれた。“離れ”というのは、将来私が成長したときに貴族や役人を招くための小さな建物らしい。どうやらベアトリーチェや家令のボリスが中心となって計画しているようだが、詳細は2歳児の私には把握しきれない。けれど、「私が大きくなったときのため」と聞くと、ちょっとワクワクする反面、“そんな立派なモノを作る理由は何?”と疑問も湧いてくる。


 どうやら、人の出入りが激しいのも、この工事関連の手配や資材の搬入が理由の一つらしい。しかし、廊下を通り過ぎる文官や兵士の表情からは、単に工事だけが原因ではない、もっと別の緊迫感が漂っているようにも見える。たまにトーンを落として言い争う声をかすかに聞いたこともある。私が近づくと、急に口をつぐんでしまうから内容までは分からないが、どうやら全員が“ただの増築工事”だけで手一杯、というわけでもなさそうだ。もしかしたら、領地運営に関する意見の対立だとか、財政面での諍いとか、貴族同士の関係調整とか、いろいろとあるのかもしれない。


 エミーに「ねえ、みんな……怒ってるの?」と小声で聞いてみると、彼女は少し言いにくそうに「うーん、怒ってるっていうか……大変なんだって。お金や人手がかかるから、いろいろ調整が必要なのかな……」と曖昧な返事をする。ローザも「ベアトリーチェ様が上手にまとめてくれるとは思うけど……」と言葉少なげだ。やっぱり、2~3歳児に詳しく話せるようなことではないのだろうし、彼女たち自身も把握しきれていないのかもしれない。ただの子ども扱いされるのが悔しい反面、まだ十分な語彙も理論もない私には仕方ないことだ。


 この“庭拡張計画”には、庭に新たな花壇を広げたり、温室を設置して一年中果物やハーブを栽培できるようにしたり、さらには来客に応対する小屋敷の建造など、かなり大掛かりな作業が含まれているらしい。しかもそれが“将来のリアンナ(私)のため”だというのが、一部の文官の口から漏れ聞こえてきた。私が成長したとき、屋敷全体をいくつかの区画に分けて使うプランがあるのだとか。言いかえれば、私が公の場に出てくる年齢になったら、貴族同士の会合や祭事、あるいは外交的なやり取りをここで行うことになるのだろう。自分がまだ幼児なのに、そんな大人の場を想像すると背筋がそわそわしてしまうが、“領主”という肩書を逃れる術はない。


 正直、私は今“まだ3歳にもならない女の子”という立場を受け入れつつも、前世で男性だったころの意識が燻っている。その矛盾や違和感に折り合いをつけるのは簡単ではない。けれど周囲がこうして私を中心とした未来計画を淡々と進めているのを見ると、ますます“本当に私、この世界で成長していくんだな……”と実感を覚える。工事のドタバタがまるで「あなたが主役なんですよ」と押し付けてくるようにも思えるし、一方で“まだ何もできない幼児”の自分が、大人たちの頑張りを眺めているだけという事実に歯がゆさを感じる瞬間もある。


 そんな私の焦りを察してか、ベアトリーチェは時々部屋に来て、「焦らなくていいのよ」「あなたが健康に大きくなれば、それだけで周りも助かるの」と優しく諭してくれる。2歳児に大仕事をさせるわけにもいかないし、いまは体を作る時期――そう彼女は繰り返し言う。じゃあいつになったら本格的に領主として振る舞えるんだろう? という疑問もあるが、とにかく3歳前後までに“自力で動き、自力で排泄し、少しでも言葉を自由に操る”というステップを踏むことが大切らしい。言語や他の学習はそれからでも遅くない、というのがこの世界の常識なのかもしれない。言いかえれば、最低限“幼児の基本”をクリアしないと、本格的な“お勉強”は始められないということだ。前世の私には「回り道に感じる」部分があるが、身体が3歳に満たない以上は納得するしかない。


 最近、屋敷の中でも軽い言い争いを耳にすることが増えた。とくに文官が兵士と口調を荒げているときなど、「だから、これ以上の人員は確保できないんだ!」「財源が足りぬわ!」といった単語が飛び交い、どうやら工事関連の費用や労働力が足りないことが原因らしい。そんな声を聞くたび、私は廊下の隅に隠れて「……やっぱり大変なんだな」と感じる。この大掛かりな庭拡張に必要な材料や職人の手配、さらには守備の兵士をどこに回すか……など、多くの問題が山積しているようだ。私がもう少し大きくなれば、このあたりの調整に口を出す立場になるのだろうか。想像するだけで胃が痛くなりそうだが、今は「3歳近い幼児」の身、どうにもできない。


 そんな不安をよそに、トイレトレーニングはますます順調だ。もはや失敗は週に1~2回程度まで減り、昼寝のときもおむつなしで乗り切れる日が出てきた。夜はまだ心配だが、毎晩のように起きて「しっこ……」と自分で言える回数が増え、侍女がフォローに来てくれればほぼセーフ。こうして“ほぼ3歳前”の私は、“おむつ卒業”が射程圏内に入ってきたと実感し、自分でも誇らしいと思う瞬間がある。侍女たちも「すごいね、リア!」「もうお姉さんみたい!」と褒めてくれるので、私としてはますます意欲が湧く。とはいえ、夜に何度も起きるのはしんどいけれど……。だが、これも自立の一歩、領主を目指すなら自分で排泄管理くらいできなきゃ始まらない、と自分に喝を入れている。

 いや、トイレに行けるようになることと、領主としての政治を並べて考えるなんて普通あり得ないな。と、異世界転生でもしない限り絶対に考えないことをして思わず自嘲してしまう。


 体を洗われるときの恥ずかしさは相変わらずだが、そこにも少し変化がある。初めの頃は正直「やめて!」と言いたくなるくらい居心地が悪かったが、今ではエミーやローザが“できるだけ私に任せる”方針をとってくれていて、石鹸を手にとって自分で足や手を洗うのを見守ってくれる。ただ、背中や髪など、どうしても届かないところは仕方なく侍女にお願いするわけで、そのとき「ごめんね、ここは手が届かないでしょ?」「痛くない?」と声をかけてくれる。私は顔を真っ赤にしながら「うん、だいじょぶ……」と答える。前世で成人男性だった意識が、今や3歳直前の女児の恥じらいを抱くなんて、複雑を通り越して滑稽だが、慣れてくる自分もまたいて、不思議な感覚だ。


 鏡を見れば、そこには髪を伸ばして結ばれた幼児の私がいる。エミーが「ちょっとずつ長くなってきたね」と言いながら、リボンをあしらう練習をしてくるときもあり、最初は「嫌だ……男だったのに……」とむず痒い気持ちでいっぱいだったけれど、最近は「かわいい」と言われると素直に悪い気はしなくなってきた。これが身体と心のリンクというやつだろうか。幼児の体が、私の精神にも影響を及ぼし、“自分をかわいいと思ってしまう”感情を受け入れさせるのだ。前世の自分なら想像もできなかったが、子どもらしい心理を肯定するのも、この転生ライフを生きる上で大切なのかもしれない。でも、まだ、心の中に抵抗はしっかりある。


 そうやって少しずつ“女の子の幼児”としての生活になじみ始めている矢先、庭の工事はどんどん規模を増して騒々しくなっていく。一日中「ドンドン」「ガンガン」という石材を叩く音が響く日もあるし、それに加えてさまざまな人が出入りして廊下が落ち着かない。文官同士の言い争いも頻度が増え、たまに「この資金をどう工面するんだ!」「来客用の離れなんて後回しでいいのではないか!」などという怒号が聞こえてくる。侍女たちはそれを無表情に聞き流すか、話題をそらしてしまうので、私は何も聞けないままモヤモヤが溜まっていく。


 それでもベアトリーチェが定期的に私を「お散歩」と称して敷地の端まで連れていってくれるようになったのは、唯一の救いだ。外壁近くに行くと、作業員たちが私を見て「お、お嬢様……?」とびっくりすることもあるが、ベアトリーチェが「作業の邪魔をしないようにね」と笑顔で制止する。私は遠巻きに、積み上げられた石材や仮設の足場を眺めながら、彼らがどういう手順で壁を築いているのか興味津々だ。前世でも建築現場を直接見たことはなかったし、ましてや“魔法”が絡む建造技術ならどんな工夫があるのか気になるところ。とはいえ、まだ幼児の身、近づきすぎると危ないから遠目に見るだけが限界だ。


 「いつか、すべてが完成したら、リアンナ様が自由に歩ける庭になりますわ。温室や花壇、果物の木も植える予定です」

 ベアトリーチェの言葉に、私は純粋な嬉しさと少しの責任感が湧いてくる。外の広い庭で遊べる日が来るのは楽しみだが、それらが「私の将来のために作られている」と思うと、簡単に喜んでいいのかという戸惑いもある。いずれ私が成長し、領主として来客をもてなす場所になる――ということは、そこに人々が集まり、政治や商談、もしかしたらこの国の命運を分ける交渉をするかもしれない……と考えると、自分の責務の大きさにうなされそうだ。まだ幼児なのに、こんなに大げさな“準備”が進んでいるなんて怖い。けれど、何もしないままでは“生き延びられない”のが実情だ。私は心の中で小さく息を吐き、「とにかく言葉と体をさらに磨こう」と決意を新たにする。3歳前後の今こそ、一歩ずつ階段を登る時期なのだ。


 そんな日々が続くなか、夜になると私は相変わらずバタンキューで寝落ちする。大抵は昼間に走り回った疲労、トイレトレーニング、そしてお風呂(体を洗われる恥ずかしさも含む)というフルコースで体力が尽きるのだ。就寝前のほんの数分、エミーやローザが子守唄を歌ってくれることもあるし、そのときは素直に耳を傾ける。彼女たちも忙しいが、“幼児の領主”である私を最優先にしてくれるから、本当にありがたい。私が「きょう……ありがとう……」とつぶやけば、二人は「かわいい!」「おやすみ、リア」と微笑み、そっと布団をかけ直してくれる。体が幼児だからこその甘えかもしれないが、これが現状で最高の安心感だ。


 布団に入ると、窓の外からまだかすかに「ガン……ガン……」という石を叩く音が聞こえる日もある。工期が押しているのか、夜遅くまで作業しているのかもしれない。あるいは、別の問題で武器を整備している可能性も否定できないが、さすがにそこまでは分からない。いずれにせよ、屋敷の外は慌ただしく、私の将来に直接関わる動きもあるのだろう。けれど、2歳半から3歳に届く幼児としての今の私には、やれることに限界がある。逆に言えば、だからこそ焦らなくていい――そう思うと少し気が楽になる。目を閉じれば、体の疲れとともに意識が溶け、寝息を立てるのが精一杯だ。


 こうして、私の“2歳半を越え、3歳少し手前”の生活は、トイレトレーニング完了に近づき、言葉をかなり操れるようになり、服や体の洗い方にも一応の慣れが生まれ……そんな幼児としての急成長期に突入している。一方で、庭の拡張と外壁工事が進むにつれ、人の出入りが増え、屋敷の雰囲気も少し不穏な空気を帯びてきた。将来のための準備とはいえ、多くの資材や人件費が必要になるので、意見の対立が起きるのは当然だろう。私の前世の知識があれば、そのあたりの調整に一枚噛みたい気持ちすらあるが、いまは赤ん坊同然の3歳前。何もかも仕方がないと割り切るしかない。


 ただ、毎夜ベッドに入るたび、私は鏡に映った自分の姿を思い出しながら、“この幼児がいずれこの家を背負い、領地を運営するのか”と夢見るような感覚に包まれる。前世では男だった自分が、いまは幼い女の子として生きている。しかし、自分の人生は自分のものだ。貴族社会の慣習やマギアの在り方、未曾有の陰謀が待ち受けるだろうとしても、私の中にある“前世の知恵”と“今世の身体”を融合させていけば、絶対に何かができるはずだ。ほんの少しずつでいい、まずはおむつ卒業、言葉を増やす、体を洗うのを当たり前にこなせるようになる――そんな小さな課題の積み重ねが、大きな未来へつながっていく。


 3歳を迎えるまであともう少し。そのときに私がどれだけ自立し、幼児から“子ども”へと成長の階段を登れているかは分からない。けれど、鏡に映る小さな女の子――私――は、確実に日々大きくなり、“自分の運命”に一歩ずつ近づいている。庭の工事の音が夜まで響くような騒ぎも、外から飛び込んでくる不穏な噂も、すべて私の将来に直結しているのだと思うと、幼児としての呑気さと、大人としての警戒心が同時に頭をもたげる。むろん、いまは体の成長が最優先なのだけれど……。


 エミーに抱きしめられながらそんなことを考えていると、つい言葉がこぼれてしまう。「……はやく、おおきく、なりたい……」 すると、ローザが「うん、きっとすぐなるよ!」と優しく返してくれ、私の中で不思議と希望が芽生える。そうだ、3歳前のこの段階だけでも、もうずいぶん世界が広がったのだから、これから先、5歳、10歳となれば、もっといろんなことができるようになるに違いない。男女関係なく、立場がどうであろうと、私は私の道を作り出すためにここにいるのだ。――そう思いながら、私は身体をエミーの腕に預け、今夜もブランケットにくるまって、石を叩く音を遠くに聞きながら眠りにつく。これが私、リアンナの“幼児時代”の一幕。日々進化する体と心で、小さな一歩を重ねている真っ最中だ。

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