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閑話2 思い出話

用語説明w


ヤマト

獣人の男子。騎士学園時代にラーズとパーティを組んでいた。騎士としての実力は高く、龍神皇国騎士団にスカウトされた。ボクシングやっており、ラーズにパンチをを教えたことも


ミィ

魚人の女子。騎士学園時代にラーズとパーティを組んでいた。金勘定が上手く、戦闘よりもアイテム調達で貢献、騎士団の運営に興味を持ち、龍神皇国立騎士大学へと進学した。



龍神皇国 中央区



ここは、ある喫茶店

そこには、騎士の卵たちが集まっていた


龍神皇国騎士団の見習い騎士 ヤマト

龍神皇国立騎士大学 騎士候補生 ミィ

シグノイア ハナノミヤ聖女子大生 騎士の卵 フィーナ


この三人は、バウド・ボリュガ騎士学園の卒業生

それだけでなく、同じパーティを組み、ダンジョンアタックに挑んでいた仲間でもある



「ミィとフィーナも大学生か」


ヤマトが言う

騎士学園時代はラインと呼ばれる最前列の前衛職であり、近接攻撃と防御役(タンク)を担っていた



「無事に入学できてよかった。資格も取れたし」


ミィが伸びをする


騎士学園時代はセーフティ、後から二列目のポジションであり、ボウガンによる遠距離攻撃、敵の遠距離攻撃の相殺、デバフの押し付けや補助などを担当する司令塔


また、素材の売りつけや消費アイテムの買付など、パーティの財布役も担っていた



「受験も無事に終わったし、一安心だねー」


フィーナが頷く

騎士学園時代は最後列のフルバックというポジション。範囲魔法や投射魔法によるパーティの火力、回復やバフの補助役など、複数の魔法を使いこなしてパーティの実力を引き上げた



「ラーズも合格したんだろ?」

ヤマトが尋ねる


「うん。補欠合格だったけど、ギリギリ引っかかって合格通知が来てた」

フィーナが答える


「受かれば同じだろ」


「ラーズは微妙な顔してたけどね」

フィーナが笑う



「フィーナ、バイトや部活はどうするの?」

今度はミィが聞く


「部活はあまり考えてないかな。バイトは騎士団に行こうと思ってるけど」


「お、来るのか。一緒に訓練しようぜ」

ヤマトが言う



龍神皇国騎士団では、騎士の卵を訓練やモンスター討伐に参加させている

有能な騎士の卵の実力を測り、スカウトするためだ


フィーナの場合も、セフィリアに紹介されて、この制度を利用する

バイト感覚で経験を積め、実際のモンスターとの戦闘やプロの騎士の技術を身近で見られるチャンスなのだ



「ラーズは騎士団に来ないのか?」


「もう、チャクラ封印練をやっちゃったもん。闘氣(オーラ)も魔法も特技(スキル)も使えなくなっちゃったよ」



ラーズは騎士学園時代、ミッドフィルダーという前から二列目の前衛

近接攻撃や防御役(タンク)の補助、攻撃魔法や遠距離攻撃の相殺などのオールラウンダーな遊撃役だった


この四人は、ラーズ達の学年のトップパーティ

ダンジョンアタックの記録は、あのセフィリアも叩き出した学園記録に並んだ


騎士学園のトップとは、各国の騎士団で話題になるほどの偉業

同世代達と比べても、その実力は頭を一つ抜けている


もっとも、彼らは優秀だが、セフィリアのような突出した大天才ではない

四人の能力が噛み合い、シナジーを発揮した結果、セフィリアの記録に並ぶほどの結果を出したのだ


逆に言えば、パーティが最高効率で回れば、セフィリアに匹敵する実力を出せるということ


そして、その階層にたった一人で到達したセフィリアは、千年に一人の天才と言わざるを得ないということでもある



「ヤマト、騎士団はどうなのよ。楽しい?」


「セフィリアさんの凄さが…、ヤバさが…、思い知らされる日々だ」



セフィリアの剣技は騎士団トップクラス

特技(スキル)と魔法も、水属性を中心に高い完成度であり、後衛も前衛も務められる

闘氣(オーラ)も、前衛に引けを取らない


つまり、何でもできる

一人でも問題ない


そして、管理職や事務としての能力も高い

貴族としても頭角を現してきている



「さすがセフィ姉だね」


「何でもできるくせに、俺の得意な近接戦闘で手も足も出ねぇんだぞ。どうなってんだよ…」

ヤマトがぼやく


ヤマトは、これでも騎士学園の同期の中では一番の戦闘力を誇っていた



「そう言えば、ラーズはサークルとかやらないの? バイトはやるって言ってたけど」

ミィが尋ねる


同級生だったサエに紹介された、ゴーストハンターのバイト

ラーズは今度、面接に行くと言っていた



「なんか、格闘技始めるって言ってたよ。空手って言ってたかな」


「ほー、ラーズが格闘技か」

ヤマトが意外そうに言う


ちなみに、ヤマトは騎士学園時代はボクシング部

ラーズに、面白半分でパンチを教えたこともある


ボクシングの基本、ワン・ツー

意外にも、それはラーズが喧嘩に巻き込まれたときに役に立った


当のヤマトは知る由もないが



「ラーズって、格闘技って感じじゃなかったけどなぁ」


「いや、あいつは意外と根性あるんだよ。モンスターの攻撃を体で止めたりさ」

ヤマトがミィに言う


「そう言えば、ドラゴンエッグでよくモンスターに突っ込んでたもんね」

フィーナも頷く


「ああ、そうだったな。縦横無尽に駆け回って、人のフォローして、体張って守ってよ」


「パーティの潤滑剤だったよね。ヤマトとフィーナの火力を出すために動き続けてさ」


「面白かったよね、私たちのパーティ」


「間違いない」

「ああ、面白かった」


ミィとヤマトが同意する


パーティは、騎士学園を卒業して解散

四人はそれぞれの道へと進んだ



ヤマトとミィは龍神皇国

フィーナとラーズはシグノイア


隣国にいるが、忙しくて会う時間も少ない


この三人がお茶をするのも久しぶりだ



「よーし。ラーズが格闘技を始めたのなら、今度スパーリングをやってみようかな」

ヤマトが言う


「やめなよ。ラーズ、前に絡まれて怪我してきたんだから」

フィーナが止める


ヤマトは喧嘩好き

ガンガンに前に出るファイター


しかも、ボクシングをやっていて、ラーズとスパーリングなんてしたらボコボコにされちゃうとフィーナは思ったのだ



「あいつには借りがあるからな」


「闘武大会のこと?」



騎士学園最大のイベント、闘武大会

学年全員でのトーナメント戦で、その年の学年で一番強い者を決めるイベント


騎士学園生の中では、一番盛り上がる


ラーズは、毎年一回戦か二回戦で敗退だった

しかし、最終学年でなんと優勝してみせた


ヤマトとは準決勝で当たり、辛勝したのだ



「ラーズは、もう闘氣(オーラ)が使えないんだから気をつけてよ」


「手加減下手くそなんだから」


「俺をなんだと思ってるんだ!」



ヤマト、ミィ、フィーナは、騎士学園で過ごした日々の思い出話に花を咲かせる


もう二度と戻らない輝かしい日々

それは、三人の宝物


そして、ラーズにとっても……




サエ 一章 第十一話 部屋飲み

ラーズの喧嘩 一章 第六話 出会い

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