婚約破棄させたいが、悪役令嬢がしぶとい
精一杯頑張って書いたので最後まで読んで頂けるとうれしいです(*^-^*)
誤字報告お願いしますm(__ _)m
※色んな事情や設定の説明をしていません。似たような作品を読んだことがあり予備知識を持っている人じゃないとわからないかもです。※PVが9500を超えました!!ありがとうございます!!
それは、アルタ王国の第一王子の誕生日パーティーの時のこと。
「俺はお前との婚約を破棄する!お前みたいにいじめをする奴は王族に必要ない!この国から出ていけ!」
私、ミリアリアは、第二王子の後ろで守られながら、断罪された公爵令嬢のコーティネスを見下ろしていた。
ふん、いい気味だわ。私の王子様に手を出すからこうなるのよ。
コーティネスは、わけがわからないといった様子で言った。
「な、何のことでしょう。私はいじめなどしておりませんわ」
「とぼけるつもりか?俺は知っているぞ。お前がこのミリアリアをいじめたり脅迫をしたりしてお金を取っていたということを!」
ざわざわ………
会場がざわつく。みんなコーティネスがいじめをしたと聞いて驚いているみたい。ホントみんな馬鹿よね、こんなの全部私の自作自演に決まっているじゃない。こんな嘘をすぐ信じるなんて、王子も頭足りてないんじゃないの?
「そんなことを私がすると思っているのですか?証拠も無く言ってこないでください」
「ははっ、証拠が無いわけないではないか。証人も2人ほどいる。それに、ミリアリアがお前のせいで泣いていたんだぞ。ミリアリアは今までお前にいじめられたんだ」
そうだろう?と言ってきたので「はい…学園に入学してからずっと………」と適当に返しておいた。あと私は泣いていない。目薬を差してあくびをしただけだ。
「そんな、そんなはずないですわ。もう一度一から調べ直して下さい!」
「白々しい、俺はもうお前の顔を見たくないんだ!ここから出ていけ!この国からもな!」
「そ、そんな……」
ここで私は援護に回る——
「お待ちください!国外追放なんて、ひどいです!元はといえば、私がすべて悪いんです。私が平民だから…………」
——ふりをした。
案の定、王子は「ミリアリアはなんて優しいんだ……」と感動している。ちょろい。
いつの間にかパーティー会場の人達はこちらへの興味を失った様で、こちらを見ることなく誰かのうわさ話に興じている。コーティネスに興味が一切無いみたい。ざまあみろ、よ。
「兎に角、お前との婚約は破棄させてもらうぞ。その後については後で知らせる。ここから出ていけ」
「お待ちください!私たち昔はあんなに仲が良かったではないですか」
「何のことだ?俺はお前と仲良くしていたことなんてない。虚言癖でもあるのか?」
本当に何を言っているのかしら。こんなすぐ人の話を鵜呑みにするような馬鹿王子と仲良くする人がいるなんてありえないわ。あとそろそろ第一王子が可哀そうになってきたわね。一応今日の主役のはずなのに弟の方が目立っているのはきついようで、笑顔が引きつっているわ。
「私たち、5歳のときに両親に内緒で一緒に家を抜け出したじゃないですか。6歳のときは一緒にお花で冠を作ったり、お泊り会をしたりしましたね。私その時のお花の冠をまだ家に飾っておりますのよ」
「そんなこと覚えてない!嘘をつくのも程々にするんだな。大体、その証拠はあるのか?」
王子は相当頭に来ているようで顔が赤くなっている。
「証拠はあります!あなたの手袋を外したらわかることですわ!」
確かに王子は今、純白の手袋をしている。というか、王子はいつも何かしら手袋をしていた。私がいた村では、火傷の痕を隠すためだとか、極度の潔癖症だとか言われていた。
でもそれとこれは関係ないはず。それは王子も同感なのか、
「手袋だと!?そんなもの関係ないだろう!」
「いいえ、関係あります。大ありです」
「どこが関係あるんだ?言ってみろ」
「王子は私のことが大好きで、ミリアリアさんのことなんて何とも思ってないという証拠です!手袋を取ってみてください」
…………は?
私のことなんて何とも思ってない?はっ、遂に狂ったのかしら。ムカつくわね。
どうせ適当なことを言ったらいいと思っているのでしょうけど。手袋を取っても何も起こらないだろうし。
「手袋は取らない!私はお前のことなんか……」
ぱさっ
コーティネスが話している王子を遮って左手の手袋を取った。
「なっ何をするっ」
何、あれ。薬指になにか……
「あ、あっと、こ、これは、別に、お前のことが好きで付けているのではなくてだな……」
え?
「その婚約指輪、やはりまだ付けていましたか」
……婚約……指輪…………?
「外すタイミングを逃しただけだ」
「またまたー、外してもいいと何回も言ったじゃないですか」
あ、えと、つまり……?
「……お前に付けて貰った物を外せる訳ないだろ」
「あれ?ちょっと照れてる?ツンデレ?」
「照れてなんかない!」
あれ?王子なんで照れてるの?
「ねえ王子、私に嫉妬して欲しくて他に好きな人ができたふりしてたんですよね?」
そんな事あり得るはずが……
「……悪いか」
「いいえ、全然。巻き込まれたミリアリアさんが可哀そうなだけです。あと、こんな事ばかりしていたらそろそろ後処理をする陛下に怒られますよ」
「な、なんなのよ急に!王子は私のことが好きだったんじゃ無いの!?」
ほんとに何なの!?王子は私に夢中で、コーティネスを断罪しようとしてたじゃない!
「あのですね、ミリアリアさん。王子は私のことが大好きなんです。でも私が相手にしないので、たまにこういう事をして嫉妬させようとしているんですよ」
「そ、そんな訳……」
「このことは貴族の中ではかなり有名ですよ?ミリアリアさんは平民なので知らなかったと思いますが。その証拠に会場にいる方達はいつも通りでしょう?」
……確かにそうだけど、王子が何も知らない私を利用するはずが無いじゃない。
「まて、ミリアリアは俺に利用されていることを知らなかったのか?すまんな、有名な話なので知っていると思っていた。迷惑をかけたな」
なっ、そんな、王子が私を利用していたことを認めたなんて……
「では、そういうことですので。ごきげんよう」
「少し席を外させてもらうぞ。久しぶりにコーティネスと二人きりで話がしたい」
「ま、待って」
私は全力で王子に縋りついた。泣き落としだ。
「私はこれからどうしていけばいいの……?」
「知らんな。そういうことは自分で考えろ」
王子はもう私のことなんて興味がないという風に言った。
「あれ、王子はお優しいんですね。普通なら婚約者がいる王子に色仕掛けを使った罪で国外追放されてもおかしくないのですから」
コーティネス、なんなのその話!!私国外追放されるの?そんなの嫌だ!
「俺の暇つぶしに付き合ってもらったお礼だよ。今回のことは不問にする。そのかわりにこれからはきちんと学業に励むこと。いいな」
「はい……」
私が馬鹿にしていた王子の慈悲で助かった。
その事実は自尊心を深く傷つけたが、その慈悲が無いともうこの国に居られなくなっていたと言うのもまた事実。私は複雑な気持ちで去っていく王子に頭を下げた。
ここまで読んでいただきありがとうございます!
評価といいねとコメントしていただけたら泣いて喜びます!!
コメント返させて頂きますので是非……!
初投稿なので文が未熟かと思いますので誤字等あれば誤字報告お願いします
構想を練ったりする暇もなくノリと勢いで書き上げてしまったこの作品、色んな説明が足りてないですがなんとなく察していただきたいです( ̄▽ ̄)
因みに王子の名前が無いのは何かの伏線………………ではないのです。
第一王子(/ω\)「主役は僕のはずなのに……」
貴族たち_(:3)∠)_「またかーあははー(遠い目)」
陛下( ゜Д゜)「馬鹿息子がまたコーティネス嬢に迷惑掛けてるんだが」