第25話 土塊戦場(ゴーレムバトルロワイヤル)
「それでは第二フロアのご案内をしていきますね。」
フロアを見た感じ、音ゲーとかかな?ラインナップは自体は、向こうと変わらなそうだけど、どんなゲームだろ?
「最初は、私が大好きなゲームです。音に合わせて飛んでくる絵柄を指定された体の部位で受け止めます。」
機体があって、少し距離を離してプレイヤーが立つエリアがあるって感じかな?
雰囲気はダンレボとかに近いんかな?
「私、やりたいんですが、誰か一緒にやってみませんか?」
「じゃあ、俺やってみようかな。このゲームは調べててやってみたかったから。」
「お、じゃあ天馬くん。やってみましょう。難易度はどうしましょうか。安らぎ・平凡・厳しい・発狂がありますけど。」
「独特な選択肢だね。」
「発狂ってホラゲでも始まるのかな?」
「せっかくだから、厳しいでいこうかな?」
「いつも自分に厳しいものね。」
「天馬はマゾ体質だからね。」
「適当なこと言わないで貰えるか?」
適当ではないと思うんだけどなぁ。ストイックなのは凄いと思うし。
「では、私は発狂しますね。」
「字面がやばいね。」
「宣言するものじゃないものね。」
2人が同時に曲を選んでゲームを始めた。
そういえば、この世界の音楽には触れてなかったけど、天馬は知ってるのかな?
始まってみると、ダンレボよりもVRの音ゲーに似てる気がする。
飛んでくる物体をタイミングよく触れば良いって感じみたいだし。
ただ、魔法を使って、凄まじい体制になってるのを除いたらだけど。
レーリさんは当たり前の様に逆さ吊り状態で動き回っているし、天馬も空中ジャンプしながら3メートルぐらいの地点で動き回ってる。
「これって魔法使うのが当たり前な感じですか?」
「当たり前っていうか、使えないと出来ませんね。」
「あんなに魔法使いながら動き回るとか、絶対フルで出来る気しませんね。」
「疲労については大丈夫ですよ。ゲーム中のエリア内は、疲労回復や魔素循環アップなど、補助魔法が大量に積まれていますから。無制限に魔法を使って体を動かせるって言うのが、このゲームの売りですからね。」
「あ、そうなんですね。そう聞くと、結構楽しそう。」
「まぁ、動けるだけで、実際に出来るかはその人次第ですけどね。私は出来ません。」
「へぇ、面白そうだけど、私は今日スカートで着ちゃったから、これはダメそうね。」
「んー、一応大丈夫ですよ。」
「え?あ、ブラインドみたいに周りから見えなくする事も出来るの?」
「そうですね。それも出来ますし、謎の光モードといって、下着とかだけを周りの人から隠すことも出来ますよ。」
「アニメ表現を現実にしちゃったんだ。それもアリね。」
謎の光モードってアリなのかな?まぁ、見られないなら良いのか?
そんなこんなで、天馬が終わると月音も遊び始めた。月音は難易度平穏の為、激しく動き回る感じでは無さそうだけど、それなりに立体移動はあるっぽい。
「くっそ、結構難しかった。タイミングよく動くのも難しいし、やっぱり一回失敗すると、立て続けにダメになるな。」
「それでもノルマはクリアしてたじゃん。初見なのに。」
「ギリギリだけどな。難易度上のレーリさんが、ミス3回って凄すぎる。」
「私はやり込んでますからね。譜面も少しはランダムですが、ある程度のパターンは読めてますし、やり込めば、天馬君もパーフェクトとか取れますよ。」
「そうですね。これはまた遊びたいです。」
「本当ですか?騎士団にもハマってる人はいますから、今度はそっちとも来ましょう。」
「いいですね。お願いします。」
天馬達が約束を取り付けてる横で、王子様が視界に入った。
なんか少しお疲れ気味だ。
「どうかしたんですか?」
「いや、月音に気づいた人が周りで見てるんだけど、カメラに残さない様にお願いして回ってね。止められたかはわからないけど。」
「あぁ、あれは。うん。良いのか?とは思ったんだよな。なんか、謎の光には守られているけど、だからってな。」
「僕も一応止めたんだけど、やってみたいって聞かなくて。見えないなら良いって言ってたけど。」
「そういう話じゃないんだよな。」
まじか、そういう話じゃなかったのか。俺が止めるべきだったのかな。
「では、次に行きましょう。複数人で遊ぶ時の定番、土塊戦場です。プレイヤーが1人一つずつ作ったゴーレムを操作して戦うゲームですね。最後まで残っていた人の勝ちです。」
「最後まで残ったら勝ちですか?」
「ゴーレムは、ある程度形が壊れても動かすことが出来るので、操作出来る部分が無くなった人から負けになります。なので、最後まで残った人の勝ちになります。」
「最大8人のゲームなので、みんなでやろうか。」
「モードはどうしますか?パーティモードとバトルモードがありますが。」
「最初は、バトルモードの方がわかりやすいんじゃないかな?」
「そうですね。では、皆さんそれぞれゴーレムを作ってください。」
作ったゴーレムで敵を倒すのか。見た感じ、ゴーレムの形に規定はないのかな?
バトルモードだと残機が3つで、3種類まで作れると。
使う機体は、死ぬたびに選べて被りもありっぽいけど、戦場に出したら、倒されるまで変更出来ないのね。
うーん。にしてもどういう形にするのが良いのかな?
とりあえず、人型を作るかな?あ、質量は100gで固定されてるのか。じゃあ、サイズはみんな同じ感じかな?
あとは、犬型とかあると、動きやすいかな?
最後はそうだなぁ……
そして、フィールドに全員のゴーレムが現れた。
見た感じ、とりあえずみんな人型かな?
ただ、俺のデッサン人形見たいなゴーレムに比べて、ちゃんと顔とかあるの凄すぎないかな?
ピークさんのとか、どれだけ拘ったんだろうってレベルで作り込まれてる。
そして、そんな中に混ざる一つの遺物。
「月音のそれ何!?ただの岩じゃん!??」
「形はなんでも良かったからね。これで轢き殺してあげるわ。」
「やめろ、こっちくるな!」
岩が凄いスピードで転がってくるとか恐怖しか無い。
避けれないんだけど、無惨に足が一つ弾け飛んだ。
「まだ止まらないわよ。」
「害悪すぎない!?あぁ、踏み躙られた。」
機動力を失った俺のゴーレムは粉々に踏まれてしまった。
「次はデロイね。」
月音の岩石が次に近かった、デロイに向かっていった。
しかし、デロイも慣れてるのか、うまく避ける。障害物などを使って上手く避け続けた。
「流石ね。」
「これぐらいわね。」
「でも、そこまできたら袋小路よ。貰ったわ。」
たしかに、壁に囲まれたエリアにデロイのゴーレムは来ていた。
しかし、勢いよく迫る弾丸に壁を機能に登って避けてしまった。逆に勢いよく壁にぶつかった岩の方にヒビが入る。そこに高い所からの踵落としで、岩は割れてしまった。
「な!?」
策士すぎる。追い込まれた様に見せかけて、誘い込んでたのか!
「私の石ダルマちゃんが!」
名前あったんだ。
「びっくりしたけど、なんとかなっ!!」
「こういうのは、漁夫が一番だよな。」
あ、天馬が不意打ちでデロイリッドを沈めた。
ピークさんとかと、別で戦ってたはずだけど、もう倒してきたのか。
うーん、早々に倒れちゃったし、しばらくは様子見したいと思って、犬型で隠れながら逃げてたけど、どうしようかな?
刹那。俺のワンコが砕け散った。
「え!?えぇ?何が起きた!??」
「ふっふっふー!壁に擬態していたのよ!壁に押しつぶされたらどーしようもないでしょ?」
「お前、まともなの一つもないのか!?」
「これも戦略よ!」
「でも、起き上がれ無いんじゃないか?」
ここでまた、天馬がきた。
流石ヒーロー、ヒーローは後から来るもんな。そんな悪役やってしまえ!
「たしかにそうね。でも、機動力が無いわけでは無いわ。」
長方形の横たわった壁がスライドした。
「動きがシュールすぎるだろ。」
天馬の攻撃は、少し掠める程度でなんとか逃げてしまった。
「図体の割に動きが早いな。」
「そうでしょう。割と動けるのよ、これでも。段差は一切登れ無いけど。」
「うん。行き先が予想できるな。」
「あぁ、酷い!弱点を的確に責めるとか!」
「そんなので来るのが悪い。」
「まぁ、でも小さくなれば、障害物にも隠れやすくなるから、暫くは見物させて貰うわ。」
「面倒だなぁ。」
そして盤面は、月音の壁の破片が壊されて、天馬、デロイリッド、月音、俺の全員がラストキャラとなった。
「待ってたぞ。月音!散々やられたから、お前だけは俺が倒す!」
「ふん!やってみなさい。私の岩ダルマ2号ちゃんが相手してあげるわ。」
「また、それかよ!」
「ネタが切れたのよ。思いつかなかったわ。」
「まぁ、でもちょうどよかったよ!行くぞ!」
「良いわ、受けて立つわよ。」
「いっけぇ!岩ダルマ!」
「行きなさい。岩ダルマ2号!」
両者正面衝突で、二つとも粉々に飛び散った!
「何してんだ?お前ら。」
天馬には感謝しかない。多分、何回か見逃されたから。
「だって、月音とモロ被りしたんだもん。これ以外に収集つけられる気がしなくて。」
「最初から使えばよかったのに。」
大事故すぎるだろ、それはそれで。
「じゃあ、最後だね。」
「おう、行くぞ!」
俺と月音の戦いとは打って変わって、天馬と王子様は、正々堂々と正面からの殴り合いとなった。
両者人型で、粉々になった方の負け。
天馬が蹴り技で距離を取りつつ、責めるのに対し、デロイリッドは避けに徹している。
多少、体を削っている時もあるから、このままだとジリ貧かな?
そう思った所で、天馬の蹴りがデロイリッドの左腕を捉えた。左腕が弾け飛ぶ中、デロイリッドの土人形は、天馬の懐に入り込んだ。
そのまま、腕を掴んでの投げ技!!
「おお!」
「凄い!」
「綺麗なカウンターだったね!」
「くぅ!攻めすぎたぁ!」
「なんとか、勝てたね。みんな初心者とは思えないくらい手強かったよ。」
第一回、土塊戦場は、デロイリッドの勝利で幕を閉じた。
「んー!凄かったね。ゴーロワ。あんな白熱すると思わなかった。」
「2人も凄かったよ。初めてで無機物型のゴーレムを作った人は初めて会ったよ。」
それは、褒められてるんだろうか?
そんなことを思いつつ、クレープに口をつける。
ゴーレム戦で少し疲れたので、備え付けの休憩スポットで、だべることになった。
食べ物に関しては、各々デリバリーで召喚してきた。
フードコートと違って、お店のスペースが無いからか、結構広いスペースが取られてる。
種類も豊富で、座ってから選べて、立たないで届くって最強じゃない?
「さて、この後はどうしようか?最奥に行くには、まだ少し時間が早いんだよね。」
「なんか、予約しているの?」
「うん。人気過ぎて、予約しておかないと遊べないんだよね。説明したいから、少し早くは行くと思うけど、それでもまだ時間があって。」
「じゃあ、自由に行動しますか?まだまだ、第二フロアのゲームもありますけど、疲れた人はここにいても良いですし。」
「まぁ、良いんじゃないか?それで。」
「うん。じゃあ、少し休憩したら、遊んでこようか?」
「せっかくだしな。」
俺と天馬、レーリさんでいくつかのゲームを回った後、4人とまた、合流した。
「じゃあ、行こうか。最終フロア、″VS魔王城“に。」
「「「VSまおうじょう!?」」」
俺と月音、天馬の声が綺麗に重なった。
この魔王の存在する異世界で、そんな名前のゲームがあって良いものなのかな?




