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第16話 パーティ

パーティから2週間近く経った。

最近の天馬は自然山々の大地で魔物狩りに、月音は医療機関なので人々の傷の洗濯に、そして俺はドンブラコドンブラコと社会の荒波に流されている。


ってことはなく、一人で冒険者生活を謳歌していた。

まぁ、コミュ力無いので一人でこなせる仕事しかやった事ないだけだけど。


この世界でもSNSを使って、一緒に狩る人を探したり出来るみたいなんだが、ああいうのを若者のみんなが使いこなせる訳じゃない。

知らない人でも、会うってわかってたら気を使うし、苦手すぎる。

基本、受動態の俺には無理な話なので、仕方ない。


どーしても、複数人で行きたい場合は、二人に頼むしか無いな。


それに、冒険者ギルドの報酬やシステムは結構きちんとしてる。


あらかじめ推奨人数や難易度が決まっていて、きちんとそこを守って力量を把握していれば、難しく無いレベルに出来てるらしい。


一人クエしかやってないので、聞いた情報だけどね。


まぁ、冒険者って聞くと、それを生業にする異世界特有のお仕事って感じがするが、この結構近未来を生きてる異世界だとそんな事はなかった。


最近は副業の冒険者が多いらしい。


仕事時間とか、ブラックとか、向こうで聞いたワードに近いものがこの世界でも問題になっているらしく、残業が減って定時後の時間を持て余している人が増えてる。


その結果、普段の給料を貯金や生活費にして、その日の呑み代や嗜好品を買う為のお金稼ぎとして、副業に冒険者をする人が多いようだ。


だから、下手に高難易度の狩りをするのではなく、自分のレベルからちょっと下くらいのランクで楽で安全な狩りをする人が多いみたいなんだよね。ついでに、出会いの場でもあるらしいけど。


学生もバイト感覚で、冒険者してる人も多いみたい。だから、ギルドには結構いろんな人がいる。


こうやって、城外に出ると服装も元の世界の人に近づいてくる。

ジーンズにシャツだったり、ジャージとかパーカーとか一通り見たことある服装をしてる人が増える。色合いが黒や紺などの地味なものより、カラフルでみんな思い思いの服装をしてるんだなってところぐらいが違う点かも。


そして、もう一つ違う点が、こういった一般的な服装の人たちの中に、コスプレイヤーかなって感じの服を着てる人が普通に混ざってる事だ。


鎧系統の人は、まぁわかるのだが、布面積が減って、防御力どこいったの?って感じの人もいる。

まぁ、この世界の鎧は防御に趣を置いているものよりも、魔法効率を上げる為や一定の属性ダメージを軽減する為の物が多いらしい。ダメージ軽減系は、布面積が増えて鎧っぽくなるらしいが、属性変換効率を上げる為だと、下手にゴテゴテしていると別属性の魔法を使いたい時に干渉してデバフがかかってしまうらしい。


極論、属性操作を行う場合、一般的な服を着てるのと裸なら、裸の方が威力が上がるのだ。布面積を出来る限り減らしたいのは、そういう事だろう。


なので、コスプレっぽい服を着てる人は、冒険者だけを生業にしてる人で、難易度高めの狩りもするから、そういった格好らしい。


そういった事を考えて周りを見ると、副業の人の方が多いんだなって感じだ。


さて、今日は何を倒そうかな。


冒険者ギルドの一角で席について、受けるクエストを選択する。クエスト選択もネット化が進んでいるので、わざわざ冒険者ギルドに来る必要あるのかなとも思うのだが、野良パーティをその場で組めたり、情報交換の場だったりするのかな?

後は、待ち合わせとかだろうな。


俺は現在、完全ソロなのでわざわざ冒険者ギルドに来る必要はないのだが、ここに来ると異世界に来たっていう気持ちになれて、ちょっとだけテンションが上がる。

なので、冒険者ギルドの席に来て、クエストを決めることにしていた。


ソロ用のクエストを見ていくが、大体は狩った事のある動物しか無さそうだ。俺としては魔法操作の練習は結構進んできたので、少し強めの敵と戦いたい。

ソロ用は弱目の敵の一定数掃討とかが多いからなぁ。

かと言って、やった事が無いのを見ると、難易度が高すぎるように見えるし。


間のモンスターって考えると、一人じゃなくて複数人用のクエストになるんだよなぁ。

野良パーティ推奨って事なんだろうけど、人見知りには難易度高いんだよなぁ。


ゲームみたいに、ランダムマッチ機能とかあってくれよ。使うかわかんないけど。


「ねぇ、ここ座ってもいい?」

突然声がかかり、見上げると女性が一人立っていた。

見上げたつもりだったが、そんなに視線は変わらなかった。結構、濃い赤い髪の小柄な人っぽい。

「え、あ、どうぞ。」

ツインテって、二次元か2.5次元ぐらいでしか見ないイメージだったけど、この世界だと多い気がする。この人何歳なんだろ?小柄でその髪型だから、凄く幼く見える。

目つきは少し強めの感じるけど、幼さが勝ってキツイイメージには、見えないな。


「私はラシュア・ナイヤゲル。今パーティメンバーを探しててさ。あんた最近一人で、クエストしてるでしょ?その割に、多人数クエスト見てるようだったからさ。声かけたんだげど。」


そういえば、この世界のSNSやネットって、何もない空間に写し出す為、反対側から見放題だったりする。

鏡文字になりはするんだが、プライバシーと決別してるんだよね。


まぁ、外で使う時は見られて困るようなものを見るなって話なんだと思うけど。


なので、冒険者ギルドでクエストを探すメリットに、野良パーティに誘われるってのがあるんだけど、最近はわざわざそんな事するより、ネットで募るっぽいから少ないって聞いたんだけどな。


絶対ではないのか。


「ナギア・ルルガルって言います。ソロクエに飽きてきたところだったんですけど、ネットとか自分から声かけるの苦手なので、ありがたいです。パーティ組んで狩りしたことないんですが大丈夫ですか?」


偽名なんか使ってすいません。でも、勇者として俺たち3人の顔はネットで広まってるし、3人で城外を歩くと、芸能人にでもなったかのように、めっちゃ見られるんだよね。

まぁ、この世界における有名人に変わりないんだけどさ。

見られるだけで、オフって分かってるからか、話しかけてはこないんだけど、それでもなんか変な感じするからね。


そのため、一人でここにくるにあたって、認識齟齬の魔法を使ってるんだよね。性能高くないので、

「この人勇者様かも?」

とか思った目で見られると、簡単に看破されてしまうんだけど。


そんな事考えながら生きてる変人は、そういないだろうし、天馬や月音みたいな非常識みたいな効能の魔法を使ったりしなければバレないはずだ。

なので、名前も変えるしかなかったんだよね。


「うん。見かけるようになったの最近だし、冒険者活動始めたてなんじゃないの?時間帯変えたって感じだとは思わなかったし。」

「そうですね。2週間くらいです。」

「大丈夫よ。あ、言ってなかったけど、私普段は3人パーティでさ。今日も4人パーティのクエストに行きたくて声かけたの。初めは難易度低めのところから調整しましょう?慣れてきたらやりたいクエストがあってさ。」

「あ、そうなんですね。俺としてもソロ狩りだと丁度良い難易度の敵がいなくて困ってたんです。なので、よろしくお願いします。」

「こちらこそ、よろしくね。じゃあ、他の二人も今ギルドにいるから、会いに行こう。」


そう言って歩き出したラシュアさんの後ろをついていく。




「こっちがネアで、そっちがバーツ。」

「バーツ・ブルードだ。槍使いで中距離戦闘が得意かな。男一人で肩身狭くて困ってたんだ、歓迎するよ。」

「別に困らせるようなこと、してないでしょ?」


結構筋肉質でガタイが良い。槍は今は持ってないみたいだな。体感しっかりしてそうだから、結構な長槍でも上手く振りまわしそうだ。

短髪で肌も健康的に焼けてるし、王子様とはまた違ったワイルド系な外人さんだ。


握手がちょっと痛いけど、力加減がわかってないだけって感じがして少しお茶目だね。

ぶんぶんと手を振りながら、良い笑顔だわ。


で、問題がもう一人の人だよね。

「ネア・バンケットです。近距離戦が得意で、防御魔法に自信があります。敵を惹きつけるのは任せてください。」

鮮やかな黄緑の髪のストレートボブの女性。目が大きくおっとりした雰囲気で、天馬が好きそうな感じの人だなと思った。


そして、見覚えがある。

黒衣獣ダスティマニアと戦った時の女性じゃないか?あの時は緊急だったので、あまり顔とか見てなかったけど、治療した女性くらいはなんとなく覚えてる。

というか、名前も今思い出すと同じ気がしてきた。


そーなると、ラシュアさんもじゃん。ラシュアさんについても名前はなんとなく聞き覚えあったな。


やべぇ、俺が普段いかに人を見てないかが露見するわ。月音がいたら、ラシュアさんに気づかなかった時点でどつかれそうだ。


え?もしかして気づかれてんの!?いや、そんな雰囲気は無いよな。世界って狭すぎない??


とりあえず、自己紹介するけどさ。

「ナギア・ルルガルです。近距離戦闘もしますが、魔法が使える場合、長距離攻撃もできます。全部それなりに出来る代わりに、突出したものがないですね。」


二人ともトラウマになるようなことはなかったんだな。それは良かった。この世界の副業の認識を考えると命の危機に晒されないようなレベルを戦ってたのに、イレギュラーな敵で死にかけたんだ。冒険者辞めてても仕方ないと思ったんだけど、まぁそう何度もあることじゃないからね。


「オールラウンダーか。それは凄いな!」

「良い言い方をするとそうですけど、どれも中途半端にしか出来ないので、あまり期待はしないでください。」

「んー、ナギには必要に応じて役割を変えてもらう感じになるかな。チーム全体のバランスを取ってもらうことになるけどいいかな?」

「大変そうだけど、頑張ってみます。動きがわからないことあると思うので、指示入れてくれると助かりますね。」

「わかったわ。その辺の練習も含めて、一度難易度低めの敵に行ってみましょ。」

「オッケー!」

「うん。」




キャラ増えすぎてごめんなさい。

3人が別々に行動するせいです。

特に、協調性の無い主人公のせいです。ごめんなさい。

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