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9話

9話




さて、俺は今とても居心地の悪い空間にいる。

そう、顔見知りが多数いるなかでなぜ同期のやつが今日の講師と一緒に立っているのかととても不躾な視線が・・・


「それでは、予定通り実践訓練に伴い圧倒的な格上との戦いを体験してもらう」


「あの師匠?皆と相手するんですか?」


「勿論だ」


「あ、はい」


「それでは皆にはここにいる私の弟子相手に戦ってもらう。それでルールとしてはこいつ、カイルと戦って貰うのだが魔法か素手か武器ありか撰んで戦ってもらう。

質問が有るものはいるか?」


「はい!」


そう、言って手を上げたのは学園時代あまり中の良くなかったギリーという男爵家の4男のやつだった。

ぶっちゃけいやなやつだった。


「えーと、ギリーくんなんだね?」


「お言葉ですがそこにいるカイルはオレたちと同期の冒険者で学園でもそこまで成績がいい者ではなかったのですがホントにつよいのですか?というかカイルが強者ならみんな強者だと思いますがね?」


「ふむ、それなら君からやってみるといい。ギリーくんはなんでもありでカイルはそうだな。素手でいいか?」


「別にハンデなんか要りませんよ」


「まぁ、いいがそれでは構えて!おっと、カイルはわかっているな?」


んー、わかっているなってあれか?全て同じ行動で潰すとか?


「はじめ!」


「カイルこいよ」


「いや今はギリーが挑戦者なのだから先手はやるよ」


「っち、なめるなよ!ファイヤーボール」


んー、遅い?

どうしよ、少し殴ってみるかな?師匠のいとがわからないし最初の指示だと素手っていってたし。

ちょっと拳圧とかで消せるかな?


「ふん!」


あ、消えた。


「な、なに!こ、これならどうだ!エイヤー」


剣で切りかかってきたので剣の腹を払い顔に向け拳を振り抜き当たる寸前で止めてみた。


「ひ、ひぃ」


あ、なんか腰抜かしてる


「そこまで!」


「と、まぁ契約獣次第ですでにここまでの差ができているわけだ。君たちは強者と戦うか逃げるかどっちだろうか?」


暫くみんな考えているようで沈黙が続いた。


「はい!私は逃げれるなら逃げます!」


「ぼくもです!」


「私は戦うわ!」


「織れも!」


と、いろいろ声があがるが


「ふむ、いま戦うと言ったものは死ぬ覚悟があるのだな?逃げれるなら逃げるのが冒険者としては正解だ。今は逃げてもだれも傷つかないしな。ただし冒険者として負けるかも知れない中でも戦わないといけないことはある。

例えば護衛依頼とかだな。まぁ、今回はいい機会だから全員戦ってもらう。

ソロでもいいしパーティーでもいい決まったものから私にいいに来るように。」


そのあと、俺はひたすら同級生や他の町から王都へ戻り登録したものなどと戦い全て終わる頃には死屍累々実際はしんでないけど・・・


それにしても腹減ったー訓練場の時計をみるともう1時過ぎてるし。


はぁ。


「よし、カイルかえっていいぞ」


「あ、はい」


スッゴいあっさりしてる・・・

さて、飯はギルドでたべるかな。


ギルドの酒場へ行きメニューをみて肉メインのAランチセットを頼んだ。


運ばれてきたAランチセットは猪系の魔物の肉のサイコロステーキが山盛りとサラダ、パンとスープだ。


肉は特性ソースにつけて食べるのだが


「うっま!」


上手すぎてもりもり食べていたらすぐになくなった。


「はぁ、うまかったけどまだ足りないなぁ。すいません!ステーキ追加で!」


最近食欲がましましなんだよなぁ。

追加したステーキもペロリと食べた。そこまでしてやっと脹れたので少し早いかもしれないがパン屋さんへ向かった。





□□□□





「すいません、パンの注文したものですが出来ていますか?」


「ああ、さっきのお客さん。ちょうどいま焼き上がりますよ。持ってきますね。」


「はい!お願いします。」


そのあと厨房から熱々の食パンを台車に乗せて持ってきてくれたのでアイテムボックスへとしまった。


「それではまた後で残りを取りに来ますね。」


「はい、お待ちしていますね。」


「それではまたきます。」


俺は近くの、露天を冷やかして回っていると一つの露天が目に入った。

というか、一つの道具?が目に入った。


「すいません、この道具なんですか?」


「これかい?これは」


「これは?」


「わからないんだよねぇ。だれもが何をしても反応しないのでな。」


「ちょっと持ってみていいですか?」


「いいよ、というか買ってくれてもいいんだよ?」


「いえ、とりあえず持ちますね。」


うん、とくになんともないな!

まぁ、見た目は球体状の石なんだよなぁ。

なんでどうぐだと思ったのかとわからないけど買ってみようかな?

鑑定はいまここでしたら不味そうだしあとだやろう。


「どうだい?」


「よくわからないですが買わせてください。」


「そしたら金貨1枚だよ」


「だれも使えないのにですか?」


「まぁ、置物としての価値だと思ってよ」


「仕方ないどうぞ」


俺は金貨1枚渡した。


「確かに、毎度あり」


俺は買った玉?を竜眼で見てみると。



種族名 クロノスドラゴン

ドラゴン系のSSランクの魔物の卵

時間を操ると言われるドラゴン



ランクSSとか国が総力をあげて立ち向かってなんとか討伐できるかどうかなんだが。

これどうしよ?


まぁ、とりあえずギルドで聞いてみようかな?

その前に残りのパン貰いにいくけど。


「すいません」


「はいはい、できてますよ!ちょっとまっててくださいね。あ、そこに山になってるコッペパンお客さんのなのでもっていってください。」


「わかりました。」


俺はコッペパンの山をアイテムボックスにうつし終わる頃に台車に堅焼きパンを乗せて店員さんが戻ってきた。


「お待たせしました。」


「早速つめますね!」


俺はさっとアイテムボックスにつめおわった。


「それではまたよろしく お願いしますね!」


「はい!なくなったらまたきます!あ、そうだそこにあるアップルパイ10こ貰えますか?さっきは無かったような気がしますが」


「ええ、いつもこの時間にだして自宅へのお土産として買っていかれる方多いので。それとアップルパイですが1こ銀貨2枚ですのでお支払は金貨2枚です。」


「どうぞ金貨2枚です。それと3個と7個で梱包を分けてくださいね。」


「はい。それではどうぞ。」


お金も払ったし、お土産も買ったしなぜかドラゴンの卵もゲットしたし?


帰るか。


「はい、確かにそれではまたのご来店をお待ちしております。」


「はい、またきます!」


俺は豪腕の肉の宿へと帰宅した。


「ただいまー」


「カイルくんお帰りなさい。」


「ミーナさんお土産です。」


「あら?ありがとう!甘い匂いがするけどなにかしら?」


「中はアップルパイですよ!」


「あら?そうなのね♪」


「はい。屋台のおっちゃん達がオススメの“パン屋さん”って名前のパン屋さんで買ってきました!」


「ややこしい名前ね。あとでお父さんたちといただくわね♪夕飯にはまだだからもう暫くまっててね!」


「はい!お風呂入ってきますね!」


「ごゆっくり~」


俺はお風呂に入りそのあとあの美味しい果実水をコップに入れて魔法で冷やしてグビッと飲み干した!


「うーん!やっぱりうまい!」


そういえば水を足しとかないとなと思ったので水を入れに水道のところへ行きいれ終わるとちょうどよさそうな時間になったので夕飯を食べその日はそうそうに寝るのだった。







□□□□






「うーん!良く寝た!」


朝はいつもの時間に起き身支度を済ませ朝ごはんを食べに下に降りた。


「ミーナさんおはようございます!」


「あ、カイルくんおはよう!昨日のアップルパイおいしかったわ♪」


「それは良かったですね!俺は夕食で満足して食べるの忘れていたので楽しみです!」


「うんうん!ちょっと待っててね。いま朝食持ってくるから」


「はい!」


暫く待つと朝食が出て来てそれをお腹いっぱい食べた。


「ふう、食べた食べた。」


「カイルくん初めて来たときよりかなり食べるようになったわよね。」


「やっぱりそうですよね?そうかな?とは思ってたんですが気のせいかと思ってました。」


「まぁ、冒険者だし食べることも仕事だと思うから良いことよね!さぁ今日から仕事再開だし頑張ってきてね!」


「はい!」


俺はミーナさんに見送られギルドへと向かった。


ギルドへと着くと師匠はまだ来ていないようなので少し依頼でも見ていようかな。


んー、薬草の買取額がすこし上がっているのか。

常駐依頼だし見かけたら採取しておこうかな。

こういうときアイテムボックスは便利だよなぁ。


「カイルここにいたのか」


「あ、師匠すみませんでした。それとおはようございます。」


「あぁ、おはよう。ちょっと指名依頼が来ていないか確認してくるから待っていてくれ」


「はい!」


暫くすると師匠が呼ぶので俺も受付のところへとやって来た。


「師匠なんですか?」


「護衛の指名依頼が来ていてな」


「Sランク冒険者に護衛を依頼するってすごい人も居るんですね。」


「あぁ、貴族や大きな商会とかで重要な物を取引するときなど呼ばれたりするな。」


「へぇ、そうなんですね。」


「ただ、やはり私に依頼すると最低1日当たり何もなくとも白金貨10枚あとは襲撃や魔物が襲ってくるなどがあればその都度事前に決めた額も貰う。まぁこの辺りのことはランクが低くても金額が安いだけでかわらないけどな。」


「へぇそうなんですね。それにしても日に白金貨10枚ですか・・・」


「それでだ今回はカイルも護衛の勉強として連れていくからな。お前の報酬は先方に決めてもらおう。」


「は、はい!そもそもですが俺が言ってもいいのですか?」


「あぁ、向こうも同行人がいたら一緒に来るようにと書いているからな。それでは今から依頼主のもとへいくから手続きをしていくぞ。」


「わかりました。」


そして、俺は師匠のあとについて依頼主のもとへと向かった。





□□□□





「ここが依頼主の商会だ。」


「おっきいお店ですね。」


「あぁ、王都でも歴史が古く屈指の店だな。」


「へぇ」


「さぁいくぞ」


「はい!」


そういうと師匠は中へと入っていき店の人に話をして暫く待つように言われすこし経つと奥から一人の50代くらいの渋目のおじさんがでてきた。


「お待ちしておりました。お久しぶりですパノラさん。さぁどうぞ中へ」


「お久しぶりです。ライノさん中へ入る前に紹介しますね。こいつは私の弟子にあたるカイルです。今回の護衛に連れていこうと思うのですが宜しいですか?」


「勿論ですとも、詳しい話はなかでしましょう。」


「わかりました。」


「あ、あの、カイルです。よろしくお願いします!」


「はい、よろしくお願いしますね。」


そのあとライノさんの後に着いていき応接室のような部屋へと案内された。

入った部屋の中は嫌みにならないような洗練された美術品が置かれ中央に大きめのテーブルが置かれそれの対面にそれぞれソファーが置かれていた。


「どうぞ。お座りください。」


「はい」


「し、失礼します」


「カイルくん緊張しなくても良いのだよ。改めてこの店の会長をしているライノ・ハミッシュだ。よろしく頼むよ」


おー名字があるのか。

普通貴族しか持たないからなぁ。


「よろしくお願いします!お、僕はDランク冒険者のカイルです。先週から冒険者になったばかりですが頑張ります!」


「ほう、それでもうDランクとは優秀なのだね。それと、名字が気になるようだから説明するよ?」


「あ、はい!」


気づかれてた


「まだまだ甘いなカイル」


師匠がニヤニヤしてる・・・


「この名字は初代が商業で王国にたいして大きな功績を立てたのでその時に頂いた見ようなんだよ。だからこの名字に恥じないように日々頑張っているよ」


「そうなんですね。僕も誇りに思えるようなことが見つかればいいなと思います!」


「そうだな。まだ若いからこれからゆっくり探すといい。それではパノラさん護衛の件に行く前にカイルくんは実際どの程度なのかな?」


「こいつは私にはまだ足元にも及びませんがもう少しでS上ランクに片足入れるくらいの強さですかね。それに私自身もあと数年もしたら追い付かれるか抜かれるかするくらいですね。」


「それはなかなか将来有望だね。」


「まぁ経験が少ないのでそれはこれからですがね」


「ふむ、それではカイルくん今回の護衛依頼にあたっての報酬だが日に白金貨1枚でどうだろうか?」


「は、はい!そんなに頂いていいのか困惑するくらいです。」


白金貨って・・・


「まぁ、普通のDランクなら金貨2枚くらいが相場だからな。あとは魔物や盗賊などが出たら倒したものについては全て貰ってくれていいし、こちらからは基本白金貨1枚払おう。ただかなり危険な状況から生還出来ればさらに上乗せする。パノラさんについてはいつも通りでいいですかな?」


「私はかまわないよ」


「はい!お願いします!」


「よし、決まりだ。それでは今から内容を話そうと思う。

今回この王都から馬車で5日ほどいった街まで私と私の娘を連れていって欲しいんだ。また、現地での滞在時間はだいたい3日くらいとなる。

勿論街の中でも護衛はお願いするよ。もちろん私兵もいるが今回連れていける人数が少ないのでお願いしたいんだ。

そもそも二人より強い者がいないしな!

という事で予定としては13日ほどの予定だ。」


「わかりました。それで出発はいつですか?」


「出来れば明日の朝にでも出発したいのですがどうであろうか?」


「まぁ、問題はありません。カイルは?」


「お、僕も食料なども一月は食べれるくらい入れてあるので大丈夫です。」


そう、いろいろ露天を冷やかしたときに小麦粉やらなんやらいろいろ買い込んであったりするんだ。

生野菜やけだものもたくさん入れてある。

肉は現地調達が基本だが一応いくらかはいれてある。


「それなら問題はなさそうだな。それにしてもカイルくんもアイテムボックスは時間停止なのかな?」


「えぇ、そうですね。」


「それは羨ましい私のは時間遅延だから生物は極力少なくしなければいけないからな。そのかわり容量はかなり広いのがすくいだな。

それでは明日の朝北門の前で集合で頼むよ」


「わかりました。」


「はい!」


「あと、カイルくん俺と言ってもいいからね。」


「あはははは、は」


そのあと宿で事情をはなし足りないものをすこし買いたしてその日を終えた。




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