◇life4 「家庭教師」
試験を捨てた更新率\(^o^)/
甘かった。
勉強なんて真面目にやればすぐできると思っていた。
あぁ…、こんなことならせめて授業ぐらい出ておくべきだったか。
頭がボーっとしてきた。なんだかポワポワする…。
「こらッ!寝るな」
ハッ、とうつろな意識から醒めた。目の前の伊織がなんか頬膨らまして怒っている。
「寝てねーし…!」
翔がちょーニヤニヤしている。
「ははーん…、今のお前の寝言、もっかい言ってやろうか?」
は?俺そんな勢いで寝てたのか…
なんか言われるのが怖いので寝てました、と白状した。
「寝言なんて言ってなかったけどな…♪」
やられた…。
「とにかくしっかりやりましょうね、晃」
そう、今回のテストは俺にとってかなり重大なのだ。生徒会メンバーに残れるかどうかがかかっている。ちなみに目標は学年トップクラス…。ジャンプアップしすぎだろう。
それでも、わざわざ土日に(翔はルームメイトなのであれだが)俺たちの部屋にまで香奈(ついでに伊織)が来てくれたんだから、それなりの結果は出したいとは思う。
だが。
「あぁ、また間違ってるじゃない!」
パァン、伊織の右手が振りかざされる。
「ほらここも!」
パァン、なかなか痛いんだこれが。
「あぁー!もう?!アンタバカよバカ!」
パァンパァンパァン
お前は俺を殴りたいのか?俺はお前を殴りてぇ!
「いい加減にしやがれ、ドちくしょう!!」
俺は怒鳴った。そんなときだった。
「お邪魔するわよ」
現れたのは渚先輩。しかもなんか怒ってる?
「聞きたいことがあるんだけどいいかしら?」
思わぬ来客に黙り込む四人。みんな黙ってうなずいた。
「一応、正式に生徒会に加入したことにしてアナタたちのことをスミからスミまで調べさせてもらったわ。」
先輩は淡々としゃべり続ける。
「もちろん綾瀬晃…、アナタの成績もね…」
俺は目をそらした。
「私は…、いやメンバーみんな、アナタはてっきり周りより"少し"勉強ができない程度だと思っていたのに…」
俺以外の三人は揃ってため息をついた。
俺は頭が上がらない。
「何よコレ??!最下位?見たことないわよこんな成績!!」
いつにもまして、とても怒っている。
「…とにかく、このままじゃ生徒会の威厳に関わるわ。そこで悠――会長はあなたにこの二日間、"家庭教師"をつけてみっちり勉強を教えてあげるつもりなの…」
「その家庭教師って…?」
翔が尋ねた。ルームメイトだし、気にはなるだろうが。
「……、ゎたしょ…」
ん?かなりボソッと呟いたらしく、ほとんど聞き取れなかったが…――
たし…?
たしよ…?
わたしよ…?
私よ……?!!!
はあぁあぁ??!!!
もはや声も出なかった。他の三人もすさまじく驚いている。
「とにかく!!これはアイツが決めたことだから仕方ないの!!!」
なぜ俺たちに向かって怒鳴る…。
とても面倒なことになってしまった。よりによってコイツとは…、会長も何を考えているのかわからない。
二重の意味で地獄のような二日間が、今始まった。