▼class13 「進展―5月10日PM2:00〜」
お久しぶりです
まあこんな感じで頑張りますよ
(^^)ノシ
地上では、舞い上がる粉塵の中で一つの人影があった。やがて、粉塵は強烈な風によって一瞬で吹き飛んだ。立っていたのは――晃だ。
「ギリだったな…」
ひどく疲れた様子だ。無理もない、Aランクの中でも中堅クラスの西川俊哉相手に真っ向から闘って勝てる生徒はそういないだろう。ましてBランクならなおさらだ。
晃はボサボサになってしまった茶髪頭をかいたせいで、さらにボサボサになっている。
いかにも気だるそうな足取りで彼は倒れ伏した西川のバッジを破壊した。
◇
―――――飛空艇
見学者と藤川の乗るこの施設には、つい先ほどまでとはまったく違った空気に包まれていた。仮面をかぶった黒衣の集団が突如、飛空挺内に現れた。
「何をした?」
大会を見守る藤川が黒衣の集団のリーダーらしき男に問いかける。仮面をかぶっているので表情まではわからないが恐らく笑っているのだろう。陽気な声がそれに答える。
「さーて、何でしょうかぁ?」
辺りはどんどんと霧のようなもので満たされていく。
!!睡眠ガスか…。藤川が気づいたときにはもう遅かった。全身にガスがまわり、もはや意識はもうろうとしている。
「おやすみー、先生♪」
黒衣の男は高笑いをしていた。
男はアナウンスマイクを手に取る。
―――――島内
《さぁ、去年の続きさ、覚えてるかぁ?さぞ"お友達"の行方が気になるようだな?…、お友達ならここにいるぜぇ?助けに来てみろよ…ハハハハッ!》
このアナウンスの直後、伊織と翔は同時に頭の中から声を聞いた。
(聞こえる?香奈よ。今すぐ晃のところへ向かって!このままじゃ彼が危険なの、急いで!)
二人は何のことかわからなかったが、親友の危機と聞いて助けにいかないような人間ではなかった。二人とも先ほどの爆発地点へ向かった。
一方、晃。
「やっと…やっとだ」
もはや彼の表情は復讐の笑顔だった。アナウンスを聞き、能力を使い飛空挺へと飛ぼうとした、そのときだった。
ギリギリで晃のもとにたどり着いた翔が彼の肩に手を置いた。
「…離せよ」
その言葉は晃の声とは思えなかった。長年彼とともに過ごした翔だからこそわかった。
(相当キテんな…)
晃が無理に翔の手を振り払おうとしたとき、遅れて伊織も到着した。
「ったく…なんか事情があるなら話しなさいよね」
伊織の声を聞き、晃の動きが止まった。
「…………」
晃は何も話さない。その様子に翔も怒鳴った。
「なんとか言えよ!!コソコソしやがって、俺たちにも話せないことなのか?ずっと一緒だったじゃないか?なんでも一人で背負いこむんじゃねえよ!」
晃はグッと肩を落とし、うつむいた。しばらくして口を開いた。
「…俺のせいなんだ…」
翔と伊織が目を見合わせる。まだ事情がわかっていないらしい。
「実は…――」
晃が続けようとした、まさにそのときだった。見覚えのある扉が三人の目の前に現れたのだ。
そして中から現れたのは―――
「よぉ…、久しぶりだなぁ"アキラ"」