1.5話『戦争』
父親視点。
(ギャグ要素はまだ)ないです。
それは突然の事だった。
『地球より、戦艦を旗艦とした艦隊がニュージャパン方面へ出発した』
その通信を受けたコロニー連合軍ニュージャパン基地は、「ついに来たか」という決意とも諦めともつくような雰囲気で、住民の脱出と敵艦隊の迎撃準備を始めた。
宇宙コロニー達が、連合を組んでからはや三年、そして、地球合衆国が建国されてから二年。
地球合衆国建国の際、コロニー連合は地球合衆国への加盟を拒み、コロニー連合国へと独立を宣言したのも二年前。
地球が、衛星軌道上に武力を保持した、地球に従わない国家がある事を危惧し、戦争を始めたのは一年前。
そして今、このニュージャパンへと地球より艦隊が迫っている。パトロールや、他所のコロニーの迎撃艦隊も対応するだろうが、ここ数回の襲撃のよって、もともと国力の低いコロニー連合はだいぶ弱体化している。遠からず、このコロニーは人が住めない環境になるだろう。
うちの妻は、柔らかくおっとりしている。見合いではあったが、癒しを求めて彼女と結婚したが、こういう非常事態では危機感が足りなくて困る。
娘は誰に似たかツッコミ基質の苦労性だ、きっと、妻を支えながら暮らしてくれるだろう。
着々と準備は進み、多くの住民が脱出艇へと詰め込まれていく。
あの艇の窓からこちらを見ているのはうちの妻子かな?これから戦場に出るというのに、ロクなお別れもできなかった。手ぐらい振ってもバチは当たらないだろうさ。
遠くで、何かが爆発しているのが見える。準備の間に、ここまで接近されていたのか……もう一時間もしないうちに戦艦の射程に入るだろう。
脱出艇はニューアメリカへ向かった、最大級の大型コロニーで、コロニー連合の首都でもある。避難民の受け入れ地域には、各コロニーから既に大量の避難民が集まっているから、寂しい思いはしない……と思いたいな。
ライフルコントローラーを持つ手に力が入る、横に並ぶ同僚達の機体からも緊張が伝わってくるようだ。
今日、俺は宇宙の藻屑になる。
MG用フォトン・ライフル
MG用に作られた、高出力のエネルギー兵器の一つ。
高濃度に圧縮したガリオス・光粒子に指向性を持たせて、バレル内で加速させて打ち出す。
ガリオス・光粒子
西暦2700年代の科学者、ガリオス・マドリックが宇宙で発見したとされる高エネルギーの発光粒子。
放射線を内部にエネルギーとして吸収する性質があり、十分なエネルギーを保持すると発光し、余分なエネルギーを光エネルギーとして放出する。
内部に蓄積された高濃度のエネルギーは、ガリオス光粒子が何かに強く衝突した際に爆発的に放出され、この爆発は発電や兵器などに用いられている。