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#8

「いや、分かんない」


「多分、剣道部に顧問がいない」

「えっ。なんでそう思うの?」


「部員募集のビラを作らない時点で、何かおかしいって思ったんだ。だって、男女それぞれ3人しかいないんだよ?3年生が引退したら団体戦に出られないんだよ?未経験者でもいいからとりあえず入ってきてくれないと困るじゃん。でも、ビラは作らないし、勧誘にも来なかった。何でだと思う?顧問が呼び掛けていないからだよ」


「それはちょっと考えすぎじゃない?」


「でも今日の見学の時、顧問の先生らしき人来てないじゃん」

「新学期始まってすぐだから、忙しいんじゃない?」

「でも、普通だったら必死で新入部員探すよね」

歩夢記(ふゆき)は担任の先生から剣道部の稽古場所聞いた時、顧問の先生のことは聞いてないの?」

「聞いてない。けど、『剣道部』って言った瞬間に顔顰めた」

「もしかしたら、本当に剣道部でトラブルがあったのかもね」

「まあ、明日担任に聞いてみるよ」


田舎だから、滅多に信号はないけど、登下校時に唯一通る信号機付きの横断歩道の前に来た。

ここを渡ると、歩夢記とはバイバイだ。

信号は、私達がここに来た瞬間に赤になった。


「あとさ…」


歩夢記が呟くように言った。


「何?」


名津(なつ)…、彼奴がいるからさ…、羽琉(はる)を…、傷付けたくないって思ったから…、入部するの、…悩んでる」


「誰が?」


信号が(あお)になった。


「じゃあな」


歩夢記は横断歩道を走って渡って、そのまま走って帰っていった。



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