第三話
「グルルルルルゥゥゥ!!!」
「グルゥァ!」
右前から大型の狼が飛び込んでくる。
それを『鎌』で下から綺麗な孤を描くかのように攻撃する。
飛び込んできた狼は当然空中で方向転換ができずあっさり真っ二つに斬られる。
斬られた狼は一瞬光に包まれた後姿を消した。生き物を殺したのに、不思議と嫌悪感は無い。
手に残る感覚に思い呆けていると、今度は右後ろから別の狼が飛び込んでくる気配を察知する。
それを前方へ宙返りになりながら、横になぎはらい、刃の部分が狼の眉間に吸い込まれる様な錯覚をする程綺麗に真っ二つにされる。
無事、着地してから回りを見渡す。そこには視界を埋め尽くさん限りの狼の姿が。
「グルルルルルゥ」
「あと、どのくらい倒せばいいんだ?」
それを聞いた者は誰もいない。
Five Minutes ago....
ログアウトボタンを押すと、下に魔法陣が展開する。あくまで推測でしか無いが、この後チュートリアルがあるのだと思う。
少し浮遊した感覚がした後景色が変わる。
周りを見渡すと広大な草原が広がっている。
草木は生い茂り、花は咲き、馬などの動物達が走り回ってある。
『只今より、チュートリアルを開始します』
『Reno様がご希望する職業は何にしますか?次の一覧からお選びください』
『選んだ職業によってチュートリアルも変わりますので、ご注意ください』
と、説明が終わった瞬間、職業一覧が表示される。
職業:未設定
<冒険者> 小説やゲームなどによく出てくる職業
ランクが存在し、下からF E D C B A S という順になっている。
掲示板に貼ってある依頼書を持ち、受付に持っていけば、受注できる。
依頼には複数あり、通常依頼、緊急依頼、指名依頼の三種類。
依頼にもランクが存在し、自分のランクより一つ上までなら受注できる。
<憲兵団>
冒険者に似ているが...
<下位騎士団>
街で警備をしたり……
<盗賊>
街の近くにある森や洞窟をアジトにしたりして、馬車を襲う。…
…どうやら、上から順に有名な職業になっている為、すぐに見つけることができた。
『冒険者でよろしかったでしょうか?』
と画面に文字と、Yes No のボタンが出た為迷わずYesを押す。
『それでは、ステータス画面の表示方法です。方法は、右手の人指し指と親指で輪を作り、指同士を力強く離せば、指同士の接点を中心にステータス画面が表示されます』
「操作方法はスマホと同じで良いのかな?」
『はい。そして、閉じ方ですがステータス画面の一番上の辺をタップしたまま下にスクロールしてください。次にステータスを開きスキル一覧を選択してください』
Player Name : Reno Lv.1
Job : 冒険者 Rank:?
Hit Point : 100/100
Magic Point 120/120
Wepon Skill
上位:<大鎌術> Lv.1 0/100
:取得条件
・剣術LvMaxを取得
・魔人ウェンガルティ 通称<死神>の討伐
鎌技
<蓮華>Lv.1 0/50
下位<剣術> Lv.1 0/100
:取得条件
・スキルポイントを使用
剣技
・<ハイスラッシュ>Lv.1 0/50
取得Lv.1
・<ロウスラッシュ>Lv.1 0/50
取得Lv.1
Magic Skill
<氷魔法> Lv.1 0/100
<闇魔法> Lv.1 0/100
<空間魔法> Lv.1 0/100
Other Skill
<魔力操作> Lv.1 0/100
<身体強化> Lv.1 0/100
<気配察知> Lv.1 0/100
<隠蔽> Lv.1 0/100
「…は?」
なんで上位スキルなんて物があるんだ?そもそも、スキル選択欄には下位スキルしかなかったし...
『Reno様の上位スキルはランダムを選択した結果、抽選で大鎌術になりました』
「じゃあ、なんで剣術スキルがあるんだ?」
『上位スキルを取得するためには、下位スキルLv.Maxが必要です。なので自動的に取得しました。ですが、さすがにLv.Maxの状態だとゲームバランスが崩れるため、Lv.1からとなります』
『それでは、戦闘チュートリアルを始めます』
そして、地獄のチュートリアルが開始したのだった。