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名もなき創作家たちの恋  作者: おじぃ
2007年2月

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大人になるって、そういうことなのかな?

「僕、ちょっと海で風に当たってから帰る。二人とも、きょうはありがとう」


「うんうん! 相談料は出世払いでね!」


「真幸もこのことばかりに支配されないのよ? 気になるのはわかるけど、一度リフレッシュしたほうがかえっていい答えが出たりするから、風邪ひかない程度に海でゆっくりしてちょうだい」


「うん。本当にありがとう」


 二人と別れ、僕はひとり海へと歩く16時。国道134号線を跨ぐ歩道橋の天辺てっぺんから臨む富士山は、夕映えの紅、黒い影を浮かばせながらも霊峰を覆う雪化粧がくっきり見える。見慣れた景色の、なんという美しさだろう。


 彼女の立場になって、ときに彼の立場になって考え想像してみる___。


 杏子ママの言葉が脳内でリフレインする。


 植野についてはさきほど想像した。西方さんは仙台という新たな生活拠点での日々に不安を感じているのではないか。


 慣れない場所で独り、そんな不安の中、別れたいと思っていた植野の存在が逆に有り難くなりハッピーエンド。これが僕の理想だ。


 あぁ、やっぱり僕にはわからないなぁ。自惚れもいいところだけれど、西方さんは僕にこういう事情を打ち明けて、とろっと少し舌に残るトリュフチョコレートを渡して。仙台に引っ越して会えなくなってしまう自分のことを、僕に忘れないでほしかったのかな?


 歩道橋を下り、砂混じりのアスファルト。松林の合間から砂浜へ抜けた。いつも美空がスケッチしているベンチに、とりあえず腰を下ろす。ボードウォークではしゃぐ小さな子どもたちの姿は、まるで10年前の僕のよう。


 あの頃はまだ、色んなことを知らなかった。その代わり、本当に大切なことを素直に感じられたと思う。アメリカでテロがあったとき、何よりも人命を心配して、経済情勢のことなんか考えもしなかった、そんな感じ。ちなみに父は逆だった。


 大人になるって、そういうことなのかな?


 色んなしがらみを知って、損得勘定をするようになって、からだは大きくなっても、心はどんどん小さくなってゆく。それが大人になるということなのかな?

 お読みいただき誠にありがとうございます!


 先ほど北陸から関東に戻ってきました。


 北陸へは9年前から毎年秋に出かけていて、田園風景の向こうにちょっと灰色っぽい静かな海が広がっている、同じ海でも湘南のハワイじみた雰囲気とも東北の漁師町とも異なる、独特の雰囲気があります。周辺の住宅が黒い瓦屋根なのも大きなポイントですね。


 台風待避のため早めに引き上げ行きそびれたりすぐ戻らなきゃで物足りなかった場所もあるので、近いうちにまた行きたいなと思いました。

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