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名もなき創作家たちの恋  作者: おじぃ
2013年1月

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アニメは往復きっぷ

 東京駅に着いて東海道線の快速アクティーに乗り換えた。こちらは僕もグリーン車。定員8名の4号車後ろの平屋部分の山側後部席窓側。


 海側の窓側に西方さん、通路側に神楽が座っている。列車は土休日も混雑するので座席を向かい合わせにはしない。知らない人が隣に座るリスクに怯えながら茅ケ崎駅までの約50分を過ごす。


 結局茅ケ崎駅まで誰も隣には座らず無事到着。


 そしてなぜか、茅ヶ崎より東京寄りの藤沢に住む神楽と、西方さんも茅ケ崎駅で降りた。


 神楽の家に西方さんを連れて行くと、母親からマルチビジネスの勧誘に遭うリスクが高いかららしい。なので茅ヶ崎市役所の近くにあるビジネスホテルに泊まるとのこと。


「うわあ、ちょっと懐かしい。あんまり変わらないね、茅ヶ崎」


 西方さんにとっては約6年ぶりの茅ヶ崎。この間、微少な変化はあったものの、大きくは変わっていない。


 夜の茅ヶ崎は普段よりクズが多く徘徊しているので、僕は北口のホテルの玄関前までふたりに付き添った。駅のコンコースには割れた酒瓶が内容液とともに放射状に散らかっており、アルコール臭が漂っていた。それを駅員ひとりが片付けていた。他方、有人改札口では小汚ないジジイが駅員に詰め寄っていた。


 最近はお洒落タウンとしてメディアに取り上げられている茅ヶ崎の実情。これでも関東では比較的治安が良い街らしい。


 その後来た道を戻って南口に行き、タクシーで帰宅。歩こうとも思ったが荷物が時間が荷物が多いのと、時間が切迫している。


 無事帰宅。ラブラ◯ブのリアルタイム視聴に残り1秒で間に合った。


 あっという間に、日常が戻ってきた。


 夕方まで、6時間前まで、あの被災地にいたんだよな、僕。


 アニメとは不思議なもので、日常にいれば非日常に連れて行ってくれるし、非日常にいれば日常へ帰してくれる。その作品が同じ作品の同じ話数でも。


 今後僕が被災した際は、可能であればアニメを見よう。

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