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名もなき創作家たちの恋  作者: おじぃ
2009年7月

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253/307

心弾む作品に

「清川くん、さっきから顔が不安定で気持ち悪いよ」


 情緒不安定な僕を、凛奈だけが見ているパソコン室。


「僕は生まれたときからずっと気持ち悪いよ」


「なにその生まれたときからどんぶりメシみたいなの」


「熱海の人がよく仙台のネタ知ってるね」


「茅ヶ崎の人がよく仙台のネタ知ってるね」


「どこかで知ったんだよ。ネットの海かな」


 仙台か。彼女はいま、どうしてるだろう。


「ネットの海は広いね」


「バーチャルの人海だからね、人の数だけ情報がある。それで凛奈、デザインはどう?」


「キャラクターもプロップも、けっこうできてきたよ。シナリオは?」


「どうしよう。歌う女の子がいいかな、戦う女の子がいいかな、戦って歌う女の子がいいかな、男子キャラは必要かな」


 ストーリーがないのにプロップができている暴挙。戦う女の子なら衣装と戦闘用具を、歌う女の子なら衣装のデザインだけで、楽器がなくてもなんとかなる。


「たった5分のアニメであんまりキャラが多いのはなんだかだから、男子はいいや。それに、戦うって、何と?」


「世の不条理や、打破すべき壁と」


「ニチアサアニメの敵って、それを擬人化した感じで、清川くんの偏屈が意外と的を射てるよね」


「的を射てるって、ちゃんと言う人、珍しい気がする」


「的を得てるって間違えられやすいよね」


「そうそれ。さて、どうしましょうか、お話」


「私は、女の子がとびっきり可愛いお話がいいな」


「そこだよね、凛奈のトッププライオリティーは。あとは観客の心が弾む要素を織り交ぜて……」


「でも、オタクじゃないティーンに向けた作品って、残念な展開になりやすくない?」


「そういう人たちに合わせると、そうなるよね。原作者と原作ファン泣かせの青春実写映画」


「最後くらい、そういうのナシにしたい」


「それは僕も同意。いい作品をつくろう。それで、わかってもらえる人に喜ばれる作品にしよう」


「うん」


 凛奈は唇を引き締め、微笑んだ。

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