表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名もなき創作家たちの恋  作者: おじぃ
2009年7月

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

247/307

古都の守り人

 お嬢様学校の合唱とあってか、湘南海岸学院のそれと比べると会場のざわつきが控えめで、拍手は盛大に送られる発表会。


 これが気品の差というものか。


 僕らも静かに座ったまま、歌唱や演奏に聴き入っている。 


 続いて、菖蒲沢さん、美空、平沼さんの番が来た。


 僕が作詞作曲したとあって、僕にも緊張が走る。これを聴いた観客はどう思うのか、どんなリアクションをするのか。


 不安に支配されつつ、ざわめく沈黙の中、演奏が始まった。イントロは菖蒲沢さんの独唱、続いて平沼さん、美空の順に独唱、サビは三人の声が重なる。


 ビアノとギター、ベース、ドラムが交わる重厚感ある伴奏も聴きどころ。


 腹と声帯をフルに響かせる菖蒲沢さん、どちらかというと声帯を使い澄んだ声を出す美空、どちらかというと腹からの声が響くアルトな平沼さんの声がエコーを成して、屋根に反射しホール全体に降り注ぐ。


 鬼畜共の激烈たる猛攻に耐えてくれてありがとう美空。その鬼畜の一人は、恐らく隣で美声を放っている菖蒲沢さんだね。



 ◇◇◇



『古都の守り人』

 作詞、作曲:清川真幸


 緑と海の風が重なる古の都

 紡がれてきたいくつもの物語

 これからも生まれゆくでしょう


 変わりゆく街は戦禍と災禍を繰り返し

 いつの時代も乱れ嘆きと涙


 それでも人は幸いを求め

 きょうも迷い歩んでは脚を休める


 時は止まることなく

 いまこの瞬間も歩んでいる

 私は今日も祈る

 目まぐるしく行方知れずの世界で


 どうか報われるべきものに幸あれと

 永久に止まぬ不条理の嵐の中


 無力と空虚に苛まれては

 きょうも独り泣き濡れる

 涙の跡は消えない


 私は今日も祈る

 変わりゆく地平を見渡して

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ