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名もなき創作家たちの恋  作者: おじぃ
2009年7月

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245/307

鬼畜共の激烈たる猛攻

 暗い。学校のプロパガンダじゃん。なんかスッキリしない。


 僕の、渾身の、アニメの、感想は、だいたいこんな感じだたー。


 百合をね、つくろうと思ったんだけどね、学校でね、それはあまりウケないかなーって気がしたんですよ。


 それならね、いっそ、いじめられまくってきた僕の経験を活かしてアニメにしようと思ったんです。


 実際のところイジメは何も良いことを生まないから、アニメの結末もいまいちスッキリしない感じになったのは否めない。無理矢理美化もできたけど、ほんとうに苦しんでいる人に向かって実現性の低い夢物語など描いてどうするんだという話。


 そりゃ、いい先生がいてどうにかしてくれたり、僕みたいに複数人に何度もいじめられたともなると、中には心から和解した場合もあるだろう。しかし僕は、ほんとうに性根が腐った悪者とは一切和解していない。互いに嫌い続けたままだ。


 夜中、オレンジ電球が照らす部屋の2段ベッド上段で、僕はそんなふうにきょうを顧みた。


 しかしまだ、卒業制作が残っている。それは凛奈がキャラクターデザインをしたポップな美少女アニメ。週明けからそちらの制作に取りかかる。


 更に来週は、鎌倉清廉女学院の文化祭で、僕が楽曲提供した曲を菖蒲沢さんや美空たちの合唱グループが披露する。アニメ制作を手伝ってくれた恩義というものだ。なお、美空はあくまでもボランティア部としての参加だと言い張るので、もしかしたら合唱本番で鬱憤晴らしに奇声を上げるなどするかもしれない。


 湘南海岸学院の文化祭からあれよあれよと一週間後、鎌倉清廉女学院文化祭の日が来た。僕は普段から美空、菖蒲沢さんとメールでやり取りしているが、同じ練習をしているのに『鬼畜共の激烈たる猛攻により逃亡を図りし者は仕留められ、腹の奥底から声を張り上げさせられし拷問の日々に希望の光など見える筈もない』という美空に対し、『先生の厳しき指導により私たちの声は日々磨かれ、より清らかで、合唱を観てくださる皆さまの心に響くものと成長していると存じます。素晴らしい楽曲を提供してくださった清川さんには、心より厚く御礼申し上げます』という菖蒲沢さん。


 美空、また逃げようとしたんだね。ボランティアだから仕方ないね。


 菖蒲沢さんはほんとうに誠実な人だ。


 なお、合唱部のステージは四十人の集団合唱と、バンド演奏を交えた数人単位での合唱があるそうで、菖蒲沢さんはその両方に、美空と、アニメ制作を手伝ってくれた平沼さんな菖蒲沢さんとともに後者のみ参加するそうだ。


 11時。僕、友恵、三郎、凛奈、瑠璃、澄香は彼女たちの歌声を聴こうと、鎌倉清廉女学院文化祭を訪れた。来場者は女子中学生の比率が高く、ナンパ目的に見えるチャラそうな男どもも何組かいる。


 僕らは合唱部の出番が来るまでの間、メイド喫茶をしている3年生のクラスで休憩することにした。

 お読みいただき誠にありがとうございます。


 来週は都合によりお休みさせていただきます。

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