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名もなき創作家たちの恋  作者: おじぃ
2009年7月

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233/307

夜のカフェブレイク

「あーひー、づかれだあああ」


 と、音を上げたのは、僕と美空に背を向け机に向かい作業をしていた友恵だった。椅子に座ったまま両手を天に向け、トクホのマークみたいになっている。


 日が暮れて、空は瑠璃色。昼間に補給したエネルギーがそろそろ底を尽きようとしている。


 とはいえ、この疲労感のなか自分たちで料理をしようなんて三人とも思わないし、この辺りの飲食店はほとんど酒場。


 ということで、僕らがやって来たのはサザンビーチのイタリアンカフェ。お金持ちの友恵がご馳走してくれるそうなので、僕と美空はそれに甘えた。


 夜闇の海に暖色の光を放つ白い長方形の建物。店先には燃える松明たいまつ、高さ1メートル弱の黒い立て看板に白いペンで書かれたメニュー。


 店内に入って、ガラス張りの海側席に通された。インテリアも白を基調とし、落ち着いた雰囲気。他の客は20代くらいの女性四人組のみ。バカ騒ぎなどはせず、適度な声でおしゃべりをしながら、全員揃って大きなジャムビンのような容器に入ったマリンブルーのカクテルを飲んでいる。スライスされたライムらしきフルーツが散りばめられていて、ブルーとグリーンのコントラストが映える。テーブルの中心にはアヒージョが置いてある。


 女性をメインターゲットにした店のようだが、僕にもフィットする雰囲気だ。


 通路側の席に座ると、僕はさっそく窓側席に座る美空の前から手を伸ばし、窓際のラックに立て掛けられたメニュー表を取ってパラパラとめくった。


 あ、あの青いの、ココナッツカクテルなんだ。飲んでみたいけど、まだ2年早い。


「真幸、何か注文するの決まった?」


 僕の正面に座る友恵が言った。


「ジンジャーミントレモネードとオニオンリングをいただけたらと……」


 ご馳走になる立場で、僕はへりくだって希望を伝えると、友恵は「オッケー」と承諾。


「美空ちゃんは?」


「私もジンジャーミントレモネードと、生ハムルッコラシーザーサラダを」


「はいよー。私は何にしようかなー」


 結局友恵はジンジャーミントレモネードと、茅ヶ崎産しらすと青さのりのペペロンチーノを選択。


 ジンジャーミントレモネードが先に運ばれてきたので、僕らは乾杯をした。

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