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名もなき創作家たちの恋  作者: おじぃ
2009年3月 宮城、福島の旅

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青春18的な旅(17歳)

 文化祭から半年が過ぎて、2009年を3月の春休みを迎えた。創作に恋をして創作活動を始めた僕だが、恋というよりは愛というか、日常に馴染んで今ではすっかり欠かせない存在になっている。


 美空のお祖母さんは相変わらず寝たきりで、90日ごとに病院を移っている。現在は茅ヶ崎市北部の病院に入院しているそうだ。


 神崎さんは卒業し、進路は都内のアニメ関連の専門学校となった。


 昨年の文化祭で好評だった『君といっしょに』は学校に著作権譲渡せず、制作総指揮は清川真幸としてとりあえず僕が預かることになった。故に卒業生の神崎さんも、僕や凛奈、澄香、瑠璃が卒業してからも制作が可能。もちろん、美空たち鎌倉清廉女学院のメンバーも。


 まもなく始まる来年度には受験を控え、勉強&創作詰めになると思われる。勉強はしなくても創作はする。これは前提。


 ということで時間が取れている現在、友恵の原稿のお手伝いでもらったバイト代を使って旅に出ようと僕は思い至った。


 行き先は宮城県。仙台せんだい石巻いしのまきを巡る2泊3日の予定。仙台のどこに行って何を見るかは未定だが、石巻には創作活動をしているなら一度は行っておきたい場所があるので、そこへ行く予定。


 同行者は友恵、三郎、美空。少し前まではこの面子で行動していたので懐かしい。


 旅行当日、僕らは茅ヶ崎駅のコンコースで落ち合った。美空は僕が駅に向かう途中に住んでいるが、駅で落ち合った。乗ったバスも違った。


「すみません、僕が貧乏人故に……」


「わ、私も……なんなら置いて行ってもらっても」


 手に職がありお金持ちの友恵と三郎に対し、僕と美空はバイト代等しか持っていない。美空もたまに友恵の手伝いをしている。


 ということで、朝7時、茅ヶ崎から仙台まで普通電車で行くことになった。東京から新幹線に乗れば約3時間で着くところ、半日くらいかかる普通電車で行くという決断。帰りは仙台から東京まで新幹線の予定。


「交通費出すよ?」


 友恵が言った。


「いや、僕が言い出した旅だから」


 言い出しっぺで誘った分際が旅費を援助してもらうわけにはいかない。なんなら僕一人で在来線旅をして、ほか3名は新幹線で行ってもらって構わない。


「在来線もいいんじゃない?」


 と三郎。


「ありがとう二人とも、お気遣いありがとう!」


「ありがとうございます」


 僕と美空はぺこり頭を垂れた。

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