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名もなき創作家たちの恋  作者: おじぃ
アニメ制作修羅場

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131/307

進捗ダメです

 新章突入です!

 話を終えた校長は僕らに「じゃあね」と手を振り、校舎内に戻っていった。まだ仕事があるのだろう。僕も部活で制作中のアニメと自主制作のピクチャードラマが並行し、やることが山積みだ。


「やることが山積みのときに生き急がないようにするには、どうすればいいんだろう」


 率直な疑問を、友恵にぶつけた。


「さあね。勉強と漫画の両立は私も苦戦してる。昼間、スケジュール通りに動ければいいけど」


「プロの友恵でもかぁ。これ、クリエイターを続けている限り僕たちみんな過労死フラグ?」


 若きクリエイターの訃報をよく耳にする。〆切に追われている、夢を早く叶えたい、作業に没頭していたら深夜や朝になっていたなどなど、身体への過負荷が祟ったのではと、僕も多くの人も考えている。


「そうならないようにしなきゃね。それもまた、人生勉強なんじゃない?」


「人生勉強。友恵の口からそんな言葉が」


「股間を蹂躙じゅうりんしていいかな」


「タマが臨終しちゃうからだめ」


 タマも全身も臨終しない程度に、しかし全身全霊でがんばらないとね。


 それにしてもなんというか、友恵に蹂躙されるところを想像したら、またあそこが元気になってきた。このままスカートの中に突っ込んでやりたい。



 ◇◇◇



 友恵と別れた僕は部室に出向いた。


「やぁ、久しぶりだね」


 きょうも講師席のPCと向き合っている上矢部かみやべ部長。相変わらず甘く耳障りな声だ。神崎こうざき副部長もいるが、僕になど目もくれず、生徒席の2列目左から2番目のPCでマウスを握りカチカチと頻繁にクリックしている。


「やっと来た」


 凛奈は僕を待ちくたびれていたようだ。無論、僕のことが好きで待ち詫びていたのではなく、この空間、つまるところ上矢部さんと神崎さんが苦手なのだ。


「ごめん、ちょっと校長とじっくりお話しをしてて」


「それ、やばいやつなんじゃ……」


 通常、校長とじっくりお話しなんていったら暴行以上の犯罪に及んだ場合だ。最も多いのが、イジメを行い、またそれを主導および加担した場合。


 ここ湘南海岸学院は私立学校。イジメは重大犯罪につき、問答無用で退学および警察沙汰になる。


「大丈夫、僕の素行の良さを褒め称えてくれたよ」


「うわ、嘘っぽい」


「そう思うなら思っておけばいい。それより作業は」


「進捗ダメです、てへっ」


 こつん。凛奈は猫のように丸めた手で自らの頭を軽く叩いた。


「でしょうね」


「だって、まだ色々上がってないし」


 文化祭まであと2週間だというのに、シナリオ以外ほとんど何もできていなかった。


 これはもう、発表を諦めたほうが良いのでは?


 結局この日、やれることのない僕と凛奈は先に帰され、上矢部さんと神崎さんが残った。二人きりの部室で何が起きるかわからないけれど、とりあえず彩色できる段階までは進めておいてほしい。


 勉強も、自主制作のピクチャードラマも抱えているのだから。

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