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名もなき創作家たちの恋  作者: おじぃ
校長先生のお話

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心が晴れる要素

 光陰矢の如し。


 青春とは、刹那に過ぎるものである。


 サザンオールスターズのデビューと時をほぼ同じくして幕を開けた僕の青春は、勉学に勤しむ日々の中で目まぐるしく経過していった。


 もう大学受験が近い、高3の夏休みを迎えている。


 夏子とは変わらず交際を続けている。


 知能犯が多い進学校にも暴漢はいるもので、夏子は中学時代にしていたいじめを相殺するように、日々襲い来るあらゆる悪から僕を守ってくれている。


「結局僕は、どこに行ってもいじめられるんだ」


 一中の近くに聳え立つホテルの屋上プール。水に浸かってワイワイガヤガヤはしゃぐ民衆の中で、僕は言った。


「えっ、うーん、まぁ、正直私もそう思うけど、晴れ渡る空の下の夏のプールで言うことじゃなくない!?」


「ごもっともだと思う」


 僕は淡々と返した。


「大丈夫、どこに行っても私が守るから! 遊んでるときはちゃんと遊んで楽しもう?」


 ビキニ姿の夏子に目を遣る。付き合い始めた2年前より、いくらか体つきが変わった。僕も変わったのだろうが、そういうのは女子のほうが顕著けんちょだ。


 遊んでるときはと、もっともらしいことを言い放った夏子だが、僕をネガティブ気質にしたのは他でもない君だ。


 しかしここで口論しても仕方ない。彼女のおかげで散々な目に遭ったが、その代償は少しずつ返済されている。


 例えば彼女との交際を始めてから、学問の成績は遊んだぶんだけ下がると推測していたが、その逆だった。


 成績自体は元々高いのであまり上げようはないのだが、同じ点数をキープするために消費するエネルギーを抑えられているのだ。要するに頭の回転が良くなった。


 中学時代までの僕はきっと、イジメを差し引いても勉学に囚われて心が病んでいた。


 中学時代はしばしば徹夜をしていたが、交際を始めてからは規則正しい生活を送れている。毎日概ね23時には就寝、朝は7時に起床している。


 ではどうしてこんなにも効率的で充実した日々を送れるようになったのか。


 まず一つ目。かつての僕は誰かと口を利く機会がほとんどなかった。ところが交際を始めてから夏子とは会話をするようになったため、脳が活性化された。


 二つ目。夏子が行く場所は、僕が一人では立ち入らないような場所が多い。このプールだってそうだ。家や中学校の近所でありながら、ここには来たことがなかった。新しいものに触れて、脳が活性化された。


 三つ目。性欲が満たされてスッキリしている。なお、僕から誘う度胸はなく、夏子から迫ってきたり、僕の欲求不満を彼女が察してくれて、健康が保たれている。


 そしてもう一つ、大事な要素がある。


 それは、『心が通い合っている』ということだ。


 きょうプールで遊んでいるのも、心を通わせる大切でかけがえのないイベント。


 受験勉強に追われているいまだからこそ、余計にそう思う。そう思えるようにしてくれた夏子に感謝して、きょうは目いっぱい遊ぼうと思う。


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