いつかのどこか、その時に
作者のなんちゃって死生観(?)。
こういう理由で、2人目が出来ました。
「あーっ!なにやってるんですか!」
「ふえ?」
あらら、寝ちゃってたか。
「もー!神様が素通りさせた時、回収に行くの私たちなんですからね!」
「まあまあ、『個人に関する記憶の初期化』と、『休眠』はこの子がやってたみたいだし、大事にはならないでしょ」
「そ・う・い・う・問題じゃなーーーーい!」
うう…面目ない。でも毎日この仕事やってたら飽きてくるよ…。
「せーざです!そこにせーいーざー!全く神様ったらいつもいつも…」
ああ、また始まっちゃった…。ガブちゃんのお説教長いんだよね…。
「あ、ちゃんと作業は続けてくださいねー」
「ひ~ん」
ここはその世界で死んだ生き物の魂をリサイクルする場所。
その為に、その世界で死んだ生き物の魂は一度この場所に通され、神の手によって魂の持つ記憶やそれに基づく経験、人格などを消去する。
そして、世界の垣根を越えて新たに生まれる生物の下に送り出されるのだが…神様もまあ、居眠りしちゃったりするわけで。
どうやらここの神様はその工程を自動化しようとしている最中ではあるが、如何せん死ぬ生き物が多く、実際には働き詰めでそのための時間が用意できず…ズルズルと先送りになっているようだ。
最低限の処理…『個人に関する記憶の初期化』と『魂の休眠』は、神が意識を失っていても機能するようにはなっている。これさえ施せば、次の生で問題が起こることはまずないからだ。
だからと言って、それが完全な物とは言い難いことは否めないが…。
今回居眠り中に送り出された魂が魔法のある世界の人間に宿り…
個人に関する記憶は消去されるも、生前好きだった漫画やラノベの記憶は持ったまま…
身体が死にかけたことで強制的に休眠からたたき起こされたことは…
彼女らも想定していなかった事態であるということである。
なんで発展した世界の記憶を持つ魂を、未発達の世界で活かさないのか?
神々「なんかチートで作られた超強化オトモにモンスター倒してもらってるみたいで、面白くない!」
だそうです。