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異文化コミュニケーション?

大した分量ではありませんし、話もそんなに進みませんがキリが良いので投稿。


速めに投稿したかったのでメシテロ(おかゆ)部分は無しで…

もしかしたらまた今度書くかもです。


それではどうぞ。

8時45分ぐらいまでは本を読もう。俺が選んだのは『魔術の盛衰』だ。

内容は、魔術の研究としては結構ありきたりなものだった。


魔術を発動するには、魔術陣というものを書き魔力を流さなければならない。逆に、魔力を流しそれさえ書けば発動するといっても良い。

しかし、その魔術陣を発動する為には莫大な魔力を必要とする。その分大きな効果をもたらすことが出来るが、基本的に使われていない。

理由はまず、大体の事は魔法で何とかなる。火を起こすだとか、飲み水をつくるとか。魔術はあまりにも効果が大きすぎるので、例えば火を起こせば辺り一面焼け野原とか、水を作れば洪水になったりとか、加減が効かないのだ。

今では専ら国の事業での土木工事なんかで山を吹き飛ばしたりするときに使われるくらいだ。それにしても、後片付けなんかが大変なのでよほど火急の要件でもない限りはやらないが…。戦争なんかでも、使った所で焦土作戦のようなことになるので使ってもうまみがないし、使えば他の国から目を付けられて滅ぼされることになりかねないので戦争に使う利点はないのだ。


そして更に、魔術陣を書くためには、希少な物質を使わなくてはならない。

今では高位の魔物…ドラゴンとかそういう災害レベルの魔物の、魔核と呼ばれる希少な部位を使うことでしか魔術陣を書くことはできない。

いや、書くこと自体は出来る。しかしそれクラスの物でなければ、魔力を魔術陣に流す際のロスが大きすぎて発動することさえできずに死んでしまう事もあるのだ。


だから、現在では魔術は殆ど使われていない。

魔術陣を書くための素材、発動に必要な魔力…それらを単独で用意できる存在はいないのだ。廃れるのもしょうがないな。

普通に生活する分には、魔法で事足りるし。


後のページは、魔術陣がたくさん載っていた。左右対称の模様があったり、ところどころ同じような部分が有ったり。よくわからないが、なにか意味が有るんだろう。

そこまで読んだところで、声が聞こえた。



『お、なんだそれ?』

「これか?魔術陣だ。知らないのか?」

『お、おう(なんだコイツ、魔法とか…イタい奴か?)』

「イタい奴とは失礼な!(独り言ばっかなのはイタい奴だろうけどな!)」

『あーうん。何かゴメン…あれ、お互い考えてる事分かるみてーだな。さっき俺声出したつもりなかったし』

「俺だって最後の方はそうだが…待て。なら、俺たちのプライバシーはどうなる?」

『俺だってプライバシーは確保したいけどさ…それよりも。え、魔法なんて実在しないよな?』

「お前は何を言ってるんだ」

取り敢えず、メシの後に色々と教えてやるか。まずは常識からだな…。




メシを食いに食堂まで歩いてる途中に試したが、さっきみたいにお互い考えるだけで相手に通じるようだ。相手に聞こえないように意識したら、相手には聞こえないようにできるみたいだし、結構便利かも…。いや、考え事するのに一々誰かを意識するのもめんどくさいな…。

そして、おかゆを食って帰って来た。少なくとも、コイツもおばちゃんのメシの美味さが分かるようだ。「なら悪い奴じゃねえな」という謎の信頼感。

「あー。いい感じに腹も膨れたし。ねむ。いや、ねる」

『待てやああ!色々教えろっつってんだろが!』

「えーもう。ねみいよ…」

『このままじゃ俺、すげえ時間無駄なんだよ!お前は疲れて眠いのかもしれねえけどな、俺は寝起きで、しかもいい感じに胃に優しくて軽いモン食って目が覚めてんだよ!眠れねえじゃん!』

「それは同感…。クソ。まいいや。色々と教えてやるよ」


ひとまず、この大陸とか国とかについて。聞いた反応からしてさっぱり知らないようだ。その後はこの学園と、俺の現状について教えてやった。

『そっか。お前も苦労してるんだな…。元気出せよ』

「ま、その辺は慣れた。イビられて金貰ってると思えば、苦じゃないさ」

『今度から俺も結界魔法っての手伝うぞ!絶対見返してやろうぜ!』

「うーい、期待しないで待ってるよ」

流石にさっきまで魔法も知らなかった奴に期待はしないぞ…。

『じゃあ、取り敢えずお前が寝てる間に結界魔法とやらの練習はしとく。せっかく魔法が使えるんだし、やっぱいざって時にも対処できねえとな!』

「おい、お前魔法なんか知らないって言ってたじゃんか」

『なんか、俺の中では魔法は存在は知られてても、実在しない物ってされてたんだよ。それに加えて、それが使えたらスゲーテンション上がるって感じるんだ。結界魔法なら、属性魔法なんかよりも色々出来そうだしな!』

「さっきそんなことないって説明しただろ…。まあいいや、お休み」

『おう!説明ありがとな!静かに練習してるぜ!』





この時、クロムは気付いていなかった。



自分の魔力量が著しく上昇していることも…。



自分の中の誰かさんの世界での想像上の様々な結界も…。



それがこれからのクロムの生活がとんでもない変化を引き起こすことも…。




そんなことは全く気付かずに、今はただ眠るのだった。

次は多分、クロム君と誰かさんがどうしてあんなことになったのか、本人たちが知らないところで説明すると思います。

チートを始めるまで、もう少しだけお待ちを…。

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