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おはよう

遅くなりました!すいません。

原因:昔読んだベントーを食べるラノベの食べるシーンが好きすぎて、ごはんのシーンの表現にとても悩んだから


…俺にはあのメシテロ文章は、書けなかったよ…。

ザンギ食べてみたい…。(読者並感)

目が覚めると、知らない天井だった。


ごめんなさい嘘です保健室のベッドの上に居ました。

先生も今は居ないみたいだし、勝手にいなくなっちゃまずいだろう。ここで待っていよう。時間帯は…外の明るさからするともう夕方だ。今日の授業は終わっているくらい。


しばらくすると保険医の先生が来て、どうなっているのか教えてくれた。

結構色々と起こっているらしい。

先ずは、俺が意識を失ってからもう3日経っていること。最初は驚いたが、確かに尋常じゃない喉の渇きと空腹感、更に体のだるさが有るので納得した。とりあえず先生に水を貰う。

水を一息に煽りながら先生の話を聞くと、俺は結構ヤバかったらしい。

助けに来た先生の迅速な止血(・・)がなかったら、下手したら死んでいたらしい。更に、俺が倒れた近くの小川も普段はもう少し水量が多く、そうなっていたら血を失う速度はもっと早くなっていたから、本当に運が良かったと言われた。運が良かったらそもそも貴族の子供ってのはもう少しマトモなんだけどなあ…。少なくともむやみに人に魔法を使わない程度には。


次に、アインたちの処遇。

アインは少なくとも1か月間の自宅での謹慎処分になって、その後はまた学校に復帰することになった。

一応学生という事で刑罰はかなり軽くなったらしいが、これはそれと合わせて子供の軽率な判断の責任は親である自分にあるとしてアインの両親が減俸や領地の返上などを自ら願い出たからだとか。流石に突然貴族が減るのは大変な事らしく、半年間の減俸だけになったらしい。が、それでも体面とか見栄とか、そういうのをひどく気にする貴族が多い中でわざわざ話を大きくしてまで子供の事を守ろうとしたアインの親父さんは素直に凄いと思う。

この学園の教員はともかく、貴族で良識らしいものを持ってる奴はかなり珍しい。魔法使いは、通常の人間に比べて魔法が使える分優れていると考えている奴は多い。それはその通りなのだが、だからといって、魔法使い以外を劣っているとする奴がいるのはいただけない。アインもその口だったのだが、親は良い人みたいだな。

アインの親父さんの名前は知らないが、お詫びとして何冊か書斎の本を譲ってくれることになっている。

聞いたときは凄く驚いたが、何か俺に詫びないといけないと思ったらしく、今回の顛末を知らせに行ったリコ先生が「クロム君が喜びそうな物」を聞かれたときに、「本」と即答したから、魔法関連の蔵書を数冊譲ってくれる事になったのだとか。

…リコ先生へのケーキ3個にしようかな。

んで、少なくとも1か月というのは、アインに貴族としての心構えを直接叩き込んで、真人間にするための期間だとか。親父さん、頑張れ。


ガリとデブは知らん。このままいなくなるのか、まだ通学するのか…。

アインの場合は特殊だが、普通なら魔法使いを傷つけるのは結構な重罪だ。それに、今回は下手したら俺死んでたらしいし。

ま、どうでもいいか。居てもいなくても、少し向かってくる魔法の数が増減するだけだ。


俺は今後どうすればいいのかというと。

しばらくは絶対安静。寮に帰って、最低でも後4日は実技は無し。本は読んでいいけど、一応毎日保健室まで来て検診を受けるようにと言われた。1か月間は謹慎という事になっているから、来週から放課後に実技を見てもらうだけの楽な日々だ。

謹慎が解けるまでは、一応他の生徒との接触は出来るだけ控えるようにと言われた。アインみたいなのは他にもいるしね。


と、そこまで教えてもらったところで、リコ先生が入って来た。

「クロム君目が覚めたってー?」

「あら、遅かったわね?」

「いやいや、ここから職員室まで結構遠いんだからー。無茶言わないでよー」

「それもそうね。じゃあ、加害者とクロム君本人の今後の事は軽く話しておいたから。後は任せるわよ?体調自体は問題ないみたいだし、寮まで送って行ってあげて。あ、そうそう。何か消化にいい物も食べさせてあげてね?クロム君3日間なにも食べてないんだし」

「あー。それもそうだね。じゃあクロム君、起きれる?」

食堂か…。普段は俺が行くとめんどくさいことになるけど、今は生徒もいない時間帯か。

「あー。大丈夫です…っと」

ベッドから降りて、靴を履く。新品だ。あ、来ている服は制服のズボンとシャツだけだ。匂い的に新品だな…。またつまらぬことに税金が使われてしまった…。

おっと。久しぶりに地面に立ったからか、前に歩き出そうとした途端にたたらを踏む。

ベッドに手をついてなんとかバランスを取り戻す。…壁伝いに歩いた方が良いな。

「あー。やっぱり歩くのは難しいかな?明日まで保健室にいる?ご飯は持ってきてあげるけどー」

「いえ、部屋に戻りますよ。ケガもしてないのに保健室に居るのは落ち着きませんし…」

「あらあ?あなたは気付いてないかもしれないけど、額と胸は包帯でグルグル巻きのケガ人よ?」

「いやー、でも。寝る時とか。広くて落ち着かないというか…」

「まあ、そこまで言うなら止めないけど。はい。しばらく杖を貸してあげるから、元のように歩けるようになったら、返してね」

「ありがとうございます」

学園から寮までの道は壁なんてないから、少し困っていたのだ。ありがたく使わせてもらおう。

「それじゃ、行こっかー。先生の手も、貸そうか?」

「いえいいです大丈夫ですハイ」

ちょっと、そういうのこっぱずかしいんでやめてください…。


何とか杖をついて歩いて、食堂まで来れた。

ふう…。体は予想以上になまってるな。もともと運動神経は良くないし。

「じゃあここに座ろっか。」

先生がイスを引いてくれた。お礼を言ってから座る。

「クロム君、何食べるー?やっぱりおうどん?それとも、おかゆとか?メニューにはないけど、おばちゃんのおかゆは美味しいよ?」

んー。普段ならうどんだが。せっかくなのでおかゆにしようかな。

「じゃあ、おかゆで。あ、付け合わせとかあります?」

「えっとー、私が食べた時は大根の葉に鰹節と醤油をかけた奴だったかな?」

「いいですね。美味そうです。梅干しは苦手なんで…。」

「そー?私もそう言ったら、大根の葉の奴にしてくれたんだー。あるか聞いてみるねー」

先生は食堂の注文するところに行って、なにやらおばちゃんと話し始めた。少しすると、こちらを振り向いて、一度戻って来た。

「えっとねー。おかゆだと、作るのに2、30分はかかっちゃうから、替わりにお茶漬けでもいいかって?あ、大根の葉の奴はちゃんとあるってー」

「あ、大丈夫です。頂きます」

「そ?じゃあ、もうちょっと待っててねー」

先生はそう言ってからおばちゃんの所に戻って行った。


3分ほどで先生はお盆を抱えて帰って来た。

「はーい、お待たせ。アツアツだから気を付けてー」

お盆から目の前に茶碗が置かれる。水差しとコップ、先生の分もそれらが一通りあるようだ。

「すいません、わざわざ」

「いーのいーの。このくらい。…ケガする前に助けてあげられなかったしね」

あら、先生が少し落ち込んでしまっているみたい。

「気にすることないですよ。魔法撃たれてるのはいつもの事ですし。運が悪かっただけですって」

「それでも、だよ。生徒のみんなが魔法使いとして、立派に成長していくのを助けるのが先生たちの仕事なんだから。勿論将来的には、荒事に巻き込まれることになるかもしれないけどさ。それまでは、私たちがみんなの事守らなきゃ」

いい先生なんだよなあ…。いつもは天然だけどさぁ…。


「まあまあ、速くお茶漬け食べちゃいましょう。冷めちゃいます」

「…ん。それもそうだね。いただきます」

「いただきまーす」

先ずはそのまま一口すする。うん。渋さとか苦さ控えめのお茶だから、そのままでも全然いける。食べやすくて良い感じだ。

次に、小鉢に入っている大根の葉に鰹節と醤油がかかっている物を軽く混ぜて、お茶からはみ出たご飯の所にのせて口の中に運ぶ。

あーもう、これ。大根の葉に交じってる茎のパリッとした歯ごたえと言い、鰹節からジュワッと染み出る出汁の効いた醤油と言い、すごくいい。たまらん。おばちゃんマジ尊敬する。

残ってた冷ご飯使ったんだろうけど、コメが一回冷えて固くなって熱いお茶でちょっとだけ緩んでるのも、久々に動くあごにはいい刺激だ。

「ハフハフッ。ング。ゴッゴッ」

「ちょっと、急ぎ過ぎだよー。のどに詰まらせちゃうよー。」

「いや、これ。美味すぎますよ。止まらないです。ズズッ」

お茶があったかいけど、水はキンキンに冷えてるのも良い。こう、コメの汁で少しだけ味が濁ったように感じてくるお茶を、水がサッパリさせてくれる。

肉とか味の濃い物を食べるときはお冷まで美味く感じるけど、それとはまた違った感じで水が美味い。


「フー。美味かった。ごちそうさま」

「はーい。私まだ食べてるから、もうちょっと待ってね」

「あ、はい。じゃあ先にお皿返してきます。体がだるいのも抜けて来たんで、少しなら普通に歩けそうですし、持っていきます。」

「そ?それは良かった。じゃあ、行ってらっしゃい」

おばちゃんにお茶漬けのお礼もしておきたい。いつも食堂のメシは美味しいけど、今日のは格別だったなぁ…。また今度頼んだら作ってくれるだろうか…。

「おばちゃーん。ごちそうさまー。美味しかった」

「あら、それは良かった。早くケガなんて治しちまうんだよ?アンタ位だよ、ちゃーんと返すときに美味しいなんて言ってくれるのは。全く、貴族連中は、食材がどうの、使ってる道具がどうの。そんなのにこだわらなくても、美味いメシ位作れるってんだ」

「まあ、気にするところが違うんでしょ。僕は美味けりゃ何でもいいよ。安けりゃもっと嬉しいね」

「そうそう。同じ味でも高い方が良いとか言い出すんだから、貴族ってのは。無駄って言葉を知ってほしいよ。ホント。」

「しょうがないって。環境の差って奴だよ。少なくとも俺はおばちゃんのメシ好きだよ?いつもは人目が有るから、あんまり顔には出せないけどさ」

「まー!嬉しい事言ってくれるじゃないか!こんなおばちゃんなんて喜ばせても、うまいメシしか出ないよ!」

「それが一番欲しいよ…。あ、晩御飯なんだけど、9時くらいってまだ開いてる?先生が言ってたおかゆも食べてみたい」

「んー。ホントは、夜は残ってる教員さんたちくらいしか使っちゃダメなんだけど。流石に、いつも閉める時間までじゃあお茶漬けが消化しきれなくてしっかり食べれないもんねえ?いいよ、9時に来な。事情は私が言っとくから。大根の葉も残ってるから、梅干しはつけないでおくよ」

「ありがとー、おばちゃん!そうだ、相談なんだけどさ。リコ先生の好きなケーキってどれか知ってる?落ち込んじゃってるみたいだし、ちょっと、プレゼントっていうか。なんというか」

「リコちゃんなら、いつもはモンブランを食べてるみたいだね。今日はお代は要らないから、2人で食べな。アタシから復帰祝いだよ!」

ちょうど先生が片づけて、お盆を持ってくる。

「リコちゃんも幸せモンだねえ。こんないい子が生徒だなんてさ。ほら、これでも食って元気出しな?反省するのは大事だけど、生徒に心配されてちゃあダメだよ?」

「え?あ!?…ありがとう、クロム君」

「いえいえ、おばちゃんの奢りですから。お礼ならおばちゃんに」

「あっはっは。謙虚なのもいいけど、周りがうるさいからって遠慮するこたあないんだ。どういたしましてっていっときゃあいいんだよ」

「えと、じゃあ。どういたしまして?」

「うん。ありがとう」

ニコッと先生が笑ってくるけど、照れくさいので眼逸らし。




その後は、先生と、おばちゃんと話しながら一緒にモンブランを食べた。おばちゃんは洗い物とかあらかた片付いてるからって、調理場から出て来た。おばちゃんもこの学園に勤めてるだけあって、中々魔法については詳しい。というか、卒業生なんだと。初めて知った…。リコ先生とも仲良さげに話してるし、昔から知り合いだったんだね。

モンブランは栗の甘みが効いてて、甘すぎなくていい感じ。砂糖の甘さだとついつい牛乳とか飲み物で甘さを流そうとしちゃうけど、全然そんなことは無いから、さっき汁ものとか水を結構飲んでしまった身としては助かった。

普段はケーキなんて、女子が群がってて取りに行けないから初めて食べた。美味しい…。けど、あの気迫の中に突っ込んで行けるかというと、無理…。

…今しばらくは外した時間に食堂に行っても大丈夫だから、今のうちに堪能しておこう。


その後は寮まで先生に送ってもらって、晩御飯の時間まで本を読むことにする。

アインの親父さんがくれるって言っていたらしい本だが、リコ先生がその日にいくつか渡されていたらしいので、それを読もうかな。題名は、『魔術の盛衰』『始まりの人』『渡り人』か。

どれも古い時代の単語だが、特に『始まりの人』は古い単語のはずだ。詳しいことは書かれていなかったが、現在の文明が築かれる土台を作りだした人たちだとか。『渡り人』はその関係の言葉で、始まりの人と似たような人の事だったかな?

魔術の盛衰は、現在は使われていない魔術というものが、なぜ衰退してしまったのかをテーマにしているのか。まあ、諸説あるけどそのうちの一つとして読んでみよう。

先ずはどれから読もうかな…。椅子に座って、机の上に並べた3冊を眺める。

おっと、見ているだけでニヤけて来た。我慢、我慢…。




そんな時、どこからか声が聞こえた。

『くあぁ~あ。あふ。よく寝た』

「は?」

驚いて、思わずベッドの方を振り返るが、誰も居ない。

「え?…え?」

部屋中を見てみるが、やはり人の姿は見えない。

『おいおい、あんまり揺すらないでくれ…目が回る』

揺する?俺は何も触っていないぞ?鏡を見てみる。が、俺以外映っていない。

『あれ?俺?いや、違う。…誰だ?』

俺のことを言っているのか?いや、その前に。

「人に名前を聞くときは、自分から名乗れよ」

『あー、それもそうだな。俺は…』

そこから声が途切れる。…なんなんだ?コイツは。

『スマン。俺も分からん。何も思い出せない…。』

じゃあ、どこにいる?この声は何処から…。

「お前は何処にいる?何が見えてる?」

『分からんけど、鏡の前に立ってて、黒髪メガネのそこそこイケメンの顔が見える。俺のいるはずの位置に』

「おいおい、どういうことだよ…」

何かしらの魔法で感覚を共有でもしているのか?しかし、そんなことが出来るのはそれこそ魔術位だし…何なんだ、この声は。

『もしかして、俺の体の自由が利かないのって俺の身体じゃなくてお前の身体だからってことか?』

「…そうかもしれん。とにかく、俺は何も分からん。身に覚えもないワケではないが…」

『なになに?なんか心当たりが?』

「いや、最近大ケガをしてな。それから意識が3日間なかったんだ」

『大ケガ…。あ!お前、頭と胸にでっかい傷できてた奴か!』

なんで知ってるんだ、コイツ。

「なぜそれを?」

『もう少し前に目が覚めた記憶が有るんだけどよ。その時、目の前にお前が額と胸から血を流して倒れてるのが見えてな。でも、何にも触れなかった。だけど、血を止めようと思ったら何か、透明な膜が出てきて、お前のキズを覆ったんだ』

「そうか…じゃあ、お前が血を止めてくれたのか?」

なんにせよ、命の恩人であるらしい。

「止血が遅れてたら、俺は死んでいたらしい。助かった」

『良いって事よ。目の前で人が困ってたら、ましてや死にかけてたら助けるのが人情ってもんだ。』

「ありがとう。…で、どうする?」

『あー、ん。まあ、なんも俺分かんねえから。取り敢えずこのままでいいんじゃね?お前の体を動かす以外に、俺にできそうなことが無いか。ちょっと探してみる』

「そうか。じゃ俺は本読んでるから。頑張れよ」

『うーい。って!お前もなんかしろよ!』

「いや、俺の身体だし。それに、こんなことが起こるなんて、自慢じゃないが結構な数の本を読んできた俺でも知らん。学園の図書室で本でも探さないと分からないと思うが、今は開いてない。速くても明日の朝だ。」

『んー。学園とかよくわからんが、取り敢えず今お前にできることは無いって事か。じゃあ、仕方ないか。取り敢えず色々やってみるけど、変なことが起こったらスマン』

「あんまり派手な事するなよー」

『他人事かよ!全く…』




というわけで。



…なんか変なのが俺の中に居るみたい。

いよいよ初絡み。彼の名前は後で決まります。


なんでこんな事態でお互い落ち着いてんの?と思うかもしれませんが、ある程度お互いの考えてることが分かるからです。

この辺もおいおい…。

色々と初めからとっ散らかっててスミマセン。


休み中ですがゼミの活動なんかが有るので、次も遅くなるかもです。

申し訳ない。

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