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学園の日々。

説明回?

魔法とかは大体テンプレ通り、エルフとかの人間以外の人っぽい種族とか、魔術についてはまた今度説明します。


今回は学園での主人公の立ち位置とか、魔法について説明しています。

「おい!平民!防いでみろよ!」


またか。

どうせ防げないことは分かっているが、それでもタダで喰らうのも癪なので結界魔法を使う。

しかし、いつも通りアインの魔法は俺の結界を破って、俺に当たる。


あーちちち!得意魔法が火だからって、火魔法使うなよ…。

支給されるから俺はいいけどさ、税金で賄ってもらってるから、当たったら服が着れなくなるような魔法は使わないでほしい。それに、メガネまでは支給してくれないし。

俺の実家みたいな、苦しい暮らしの中で必死に税金収めてる家庭もあるのに、将来仕えることになるかもしれない貴族がこんなんじゃあね。

纏わりつく火の粉を払いながら心の中で愚痴る。

魔法使いを雇えるような財力の有る奴が軒並みこんなこと考えてるワケじゃないだろうけど、それでも毎日のようにそのうちの1人にバカにされてちゃ、愚痴りたくもなる。


「ハハハッ!やっぱり、お前みたいな平民には、この学園は不釣り合いなんだよ!」

アインがうるさい。他にも平民は居るっちゃいるけど、彼ら4人はそれぞれ強力な魔法使いで、平民の生徒の中で俺だけは使える魔法以外並の魔法使いだ。


1人目はアイリス。平民だから姓はない。

彼女は孤児院で育って、幼いころから孤児院の役に立つために治療魔法を鍛え、今では治療魔法だけなら宮廷魔法使いにも匹敵すると言われている。

今でも貴族、商人、平民を問わず、色々な人から治療依頼が来ていて、今では彼女の孤児院で使い切れないほど稼いでいる。だから、余剰分は他の孤児院に寄付したり、新たに孤児院を増やしたり、治療魔法使いの育成の場を増やしたりと、色んな活動をしているとか。

貴族よりも輝く、透き通った金髪、碧い瞳、白い肌と、その日ごろの行いから巷とか学園では“聖女”と呼ばれている。

まあ、華やかな見た目だけど。近くにいると華やか過ぎて居たたまれなくなる。

俺は田舎育ちだし、狙ってる男ども共々遠くでやってほしい。


2人目はジーンって野郎。

彼はエルフと人のハーフで、生まれつき非常に魔法に適性が高い。ホンモノのエルフとも遜色ないレベルの才能を持っているんだとか。

コイツもアイリスの居た孤児院育ちらしいけど、なんでこんな優秀な奴を捨てちゃうんだか。成績優秀者は支給額が増えるから、コイツの親なら下級貴族位の生活は出来ていたはずだ。まあ、どうでもいいけど。

色が薄くて銀色にも見える金髪に、落ち着いた緑色の目、更に身長も高くて足も長い。

生徒は制服着用が義務のこの学園では、その辺の貴族よりも貴族らしく見えるから、女子なんかは“貴公子”って呼んでる。

コイツいつもアイリスといるし、狙ってるんだろうけど周りの女子からの「こっち見てアピール」は完全に無視。贅沢な奴だよ。ホンットにさ。イケメン爆ぜろ。


3人目はアカリ。

コイツは孤児院育ちじゃない。けど、幼馴染がいる。なんとかいう貴族の嫡男の乳母の娘で、俺みたいな田舎の領地で育てられた時、その嫡男と一緒に育てられたんだと。

アインみたいな貴族だけじゃないんだなぁと思わせてくれるのはいいのだが、学園に入ってからずーーーっとソイツとイチャコラしてる。リア充もげろ。

しかも、「平民が貴族とお付き合いなんて…」とか言われないレベルで貴族の奴等にも人気なのだ。今ではその辺の貴族と比べても、貴族とのパイプが強いという謎。

俺は「コミュ力オバケ」と呼んでいる。俺がイジメられてる原因はコミュ力が無いだけじゃないけどね。

あ、コイツが得意なのは攻撃魔法。ジーンも僅差で負けるくらいの威力が有る。

田舎ぐらしの時に幼馴染共々魔物に襲われて、なんとかしようとしたら急に魔法が発現して、2属性同時ブッパとかいう高等技術をやったとか。んで、その時の幼馴染のケガを治療したのが“聖女”。だから仲がいい。

彼氏はアイリスに近づいても大丈夫なのかってなるけど、大丈夫。アイリス狙いの奴等も、アカリの彼氏ってわかってるから排除しようとはしないし、むしろ男がアイリスとの会話に混ざれば自分も会話しやすいからって男子からは仲良くされている。

ナチュラルに人を利用していくスタイル。貴族ってのも生き辛そうだね。

…アインは何も考えてなさそうだけど。

ちなみに、アカリは茶髪で薄ーくそばかすのあるかわいらしいお顔。いつもニコニコしてて楽しそうねって感じ。


4人目。フォートって野郎。

コイツは厳密に言うと、だけど平民。親が2人とも1代だけの名誉貴族になった天才なのだ。

で、英才教育を受けて、今ではジーンと張れるほどの実力が有る。ジーンは天才だけど、フォートは努力の人だ。

まあ、フォートは無口らしいから、詳しいことはそれ以上知らん。

少なくとも俺よりもイケメンだ。そんで赤い髪がツンツンしてて、見てると指でつっついたり、ワシャワシャーってしたくなるので出来るだけ見ないようにしている。

コイツもアイリスと仲がいい。母親がアイリスの居た孤児院の恩人らしく、よく孤児院に遊びに行ってたからだとか。




とまあ、非常に優秀な4人の平民の生徒がいる。

面白くないのは、そいつらに劣等感を感じる貴族共。

俺は平民だし、その4人ほど優れた魔法使いでもない。それに、使える魔法も攻撃できるものじゃない。

だから、貴族共にとっては良い憂さ晴らしになるのだ。反撃の心配もない、いたぶっても良い下等生物…。

それが俺。クロムさん16歳の結界魔法使いだ。


結界魔法は、端的に言って使えない。

攻撃もできないし、属性もない。属性ってのは火・水・風・土の4つ有って、それぞれ風は土に強い、とかが有る。

結界魔法は属性がないから、単純な魔力勝負になると思うんだけど。そうはならなくて。

属性の力ってのは魔力に上乗せされる形で存在してるから、多少相手より上回っている程度じゃあ、結界魔法で相手の属性魔法を防ぐことはできない。

アインの魔力は俺とどっこいどっこいだから、俺の結界じゃあ防ぎきれない。


それに、攻撃を防ぐ手立ては結界魔法だけじゃなくて、属性魔法にもある。

壁を生み出す魔法とか、落とし穴の魔法とか、強風で飛んでる矢をはじいたりとか。属性によってその方法は様々。

更に、結界魔法は壁を出すだけだけど属性魔法なら防ぐと同時に色々な付加効果が有る。

火の壁は近づくことさえできなくなるし、矢をはじく魔法も慣れれば矢を放った相手までお返しできる。落とし穴も敵を身動きできなくするし、水の壁は巻き込まれたら窒息待ったなし。

結界魔法は相手の攻撃を防ぐだけだから、属性魔法での防御よりも劣っているとされる。


というわけで、結界魔法は使えない。あらゆる面で属性魔法に劣っている。



…自分で言ってて悲しくなってきた。


でも、田舎に帰るにはわけにはいかない。実技は並でも、勉学でいい成績を取って、少しでも母さんにたくさん仕送りする為に。


まあ、その勉学で俺に劣ってる貴族でも、俺の結界を破れるからイジメが悪化してるんだろうけど。平民の奴等を含め、俺にとっては関係ない他人だし、死ぬようなケガもさせられたことない。

結界魔法しか使えなくても、国にとっては貴重な魔法使い。殺したりでもしたら同じ魔法使いでも極刑になるかもしれないからね。

まあ、イビられて金を貰ってるもんだと思えば、あんまり苦じゃない。幸い、魔法の勉強は楽しいし。魔法だけじゃなくて、最近は失われた技術の魔術の本も読んでいる。知らないことを知るのは楽しいし、それに学園での自由なんて魔法に関しての物くらいだ。

それでヒマだから、俺に魔法ぶつけて遊ぼうとする奴がいるんだろうけどさ。



そんで、目の前のアインさんですが。

「そんなので、よく今度の野外演習の班、私と同じの班に入れたな!恥を知れ!」

俺は何処でもいいけど、お前らがどの班にも入れようとしないから、センコーが勝手に入れただけだろ…。文句ならそっちに言えよ。

「フンッ!まあ、足を引っ張るのだけはやめろよ!」

せいぜい後ろをついて回りますよ。俺は結界魔法使いだから、お前らみたく魔物を倒せた数で競うなんてできないし。勝手にどうぞ。


ハア…。アインの奴やっとどっか行った。

めんどくせえなあ…野外演習。

次回で「目覚め」まで行けるかな…?


次は明々後日までには…出せたらいいなぁ…。

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