旅路の前の現実 1
以前に投稿していた分にも書きましたが、未だ設定等ふわっふわな部分が多いため、後々加筆・修正等行って行くかもしれません。ご了承の程をお願いいたします。
勤めていた工房を退職した俺は、ひとまず王都から旅に出ることにした。
親父やお袋には、武器鍛える以外何のとりえもない俺が旅に出るなんざただの自殺行為でしかないから止めておけって散々反対されたけど、その一つしかないとりえで目標が見つかっちまった以上、じっとなんかしてられない。
けど、旅に出ることがバレちまったら、きっと親父は力づくでも俺を止めようとするだろう。
あ、ちなみに親父なんだけど、ドワーフには珍しく鍛冶には適性がなくて、そのくせ力だけはそこらのドワーフが束になっても敵わないくらいにあった。まあ、つまり大雑把というかただの筋肉バカというか・・・、とにかく鍛冶には向いて無かったんで、その力を活かして王都警備隊の隊長をしてる。昔は一時冒険者をしてたみたいだけど、何の理由か判らないんだが、とにかく引退して今は隊長に収まってる。
お袋はそんな親父とは正反対に、人並みのドワーフくらいの力はあるものの力仕事関係は苦手。凝り性で、細かい作業や仕事なんかが得意で、王都にある服屋でお針子さんとして働いてた。腕は良かったみたいで、今でもその服屋に勤めている後輩がよく訪ねてきては、お袋にアドバイスという名の説教をされているのを見かける。
親父とお袋には共通の趣味、そう、ドワーフ大好き「酒」があって、王都の酒場で意気投合して付き合う事になったらしい。真逆の性格なのにどうしてそんなに意気投合したのかわからないんだが、とにかく気がバッチリ合ってしまった二人は、初めて会った翌日には一緒になることにしたらしい。ついでにいうと、その日から数えてちょうど1年後に俺が産まれたらしい。人族と違って、ドワーフの妊娠期間は約一年なんだ。そう、つまり俺は親父とお袋が出会った日に仕込まれたベイビーだったってこと。結婚記念日と俺の誕生日が一緒だったことを不思議に思った俺が、両親に聞いてその事実を知った時には我が親ながら情けなくなった。
まあ、俺が凝り性なのは母親似で、鍛冶に必要な筋力は父親似っていう、いいとこ取りで産まれてきたからまあよしとしよう。え?そんなのでいいのか?って?
こまけぇこたぁいいんだよ。結果オーライだし。
話は脱線したが、とにかくここ王都に居ても、あの、店を訪ねてきた「ニホンジン」くらいしか俺の知る限り同じ国の奴はいねぇみたいだし、ならいっそそいつらを探しに東に向いながら情報を集めていくしかねーな、っていう結論に達した俺は、旅に出ることにしたんだ。こっそりと。
退職した日の晩、俺は何事もなかったかの様に両親と食事を済ませて、二の刻に家をこっそり抜け出すことにした。あ、ちなみに二の刻ってのは、そっちの世界で言う午前2時な。こっちも1日二十四時間サイクルだから、同じだと思ってくれれば問題ない。
部屋から出て、階段を降りてダイニングに向うと、親父が1人座ってた。
「どうしても行くのか・・・?」
「うん、俺はどうしてもあのカタナを作りたいんだ。」
「詳しい作り方も、材料も判らないってお前言ってなかったか?」
「そうだね。今判ってる情報だけで作ったらきっとクズみたいな武器しか作れないと思う。」
「ならなんで・・・・。そもそも『ニホンジン』ってのはそんなに居ないだろ?」
「俺が話した奴が言うに、同じ「ニホン」から来た奴とは2人しか会えて無いらしいし、しかもエルニアの東に国があるらしんだけど、そんな国は見たことも聞いたこともない。親父も知らないだろ?」
「今初めて聞いたわそんな話。お前そんな情報だけで本当に大丈夫か?」
「もう俺は自分の欲求が止められない。あんな剣なんて呼べない代物を何百年と打ち続けるのは耐えられないんだ。眉唾であったとしても、俺は『ニホントウ』を作りたい。」
「・・・そこまでお前が決めてるのなら俺は何も言わない。だが・・・一つだけ言っておく。王都の外、そしてお前がこれから向おうとしている東の国々だが、東に行けば行くほど、お前の身に迫る危険は大きく、そして道のりは険しくなる。俺が昔冒険者をしていたのは知ってるだろう?」
「うん、結構腕利きだったって、叔父さんから聞いたことがある。」
「自分で言うのも何だが、俺が所属してたパーティは当時の王都でも5本の指、見る人が見れば3本の指に入るくらいのパーティだった。剣士二人、戦士兼盾役、法術士、魔術師、シーフっていうバランスの良いパーティだったってのもあるが、まあそんじょそこらの魔物には傷さえつけられない自信があったんだ。
実際、亜竜種のワイバーンの群れですらサクっと5分くらいで狩れる程度だったしな。」
「どんな人外パーティなんだよそれ!?ワイバーンの群れとか災厄級のシロモノじゃねーか!!それを5分とかもうそれ人間捨ててるだろ!?」
「いや、そもそも俺はドワーフだから元々人外だ。」
「気にするトコそこぉ!?」
「まあ聞け。俺以外にもエルフのねーちゃんやらも居たが、剣士と魔術士は人間だ。それもお前が言う『ニホンジン』のな。」
「何か重要な事サラッと言った!?」
「あいつ等は『転生者』だ。俺も詳しいことは良くわからないが、うちのパーティに居た連中は3人ともそうだ。こっちの世界に来るときに、神さんにえらい能力色々貰って生まれ変わってきたって言ってた。前世の記憶も丸々残ってるらしくて、食に対するこだわりは何かハンパなかったな・・・。」
「大事なトコはそこか????」
「ともかく、その3人が人並み外れた能力を持ってたから、俺らのパーティはお前が言うように人外パーティだって揶揄されてたりもしたんだ。俺ら自身、大概の魔物は大丈夫だろう、俺らを倒したければ魔王でも連れて来い!ってな調子で、大分天狗になってたのは間違いない。」
「・・・それってなんかのフラグにしか聞こえないんだけど・・・。」
「??フラグってなんだ??まぁいい、そんなある日、俺らは指名依頼を受けてな。エルニアの隣にあるとある小国に突然現れた大迷宮の討伐に向ったんだ。だが・・・・、結論から言うと、俺たちは迷宮にすらたどり着けなかったんだ。迷宮に向う途中で俺以外全滅した。」
「は?」
「簡単に言うと、その国に向う途中に現れた魔族に2人以外殺されたんだ。」
「え・・・ちょ・・・ワイバーンの群れを5分で倒すパーティが?」
「そうだ。それも、その魔族曰く、そいつはただの下級魔族らしい。そんな奴に、俺らは手も足も出ずに、嬲り殺されたんだ。俺とエルフのねーちゃんは途中で気を失って、死んだと思われたのか、それとも最初からそいつは転生者が目的だったのかも知れないが、とにかく目が覚めた時には・・・思い出したくも無いが・・・転生者組は・・・、いや元転生者組だったと思われる肉片が辺りに散らばってたんだ。」
俺は息が詰まりそうになった。
しばらく親父のターン




