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運命と交戦の剣士達  作者: 高城連乃助
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自分の身は、自分で守ってくれ。

見渡す限りの白い空間に、アイナは立っている。

「ここは・・・一体。」

 すると、目の前で光の粒が集まり、人の形を成していき、その姿は、

「お母・・・、さん。」

 アイナの母、由実子だった。彼女は何も話すことなく、目をそっと閉じると後ろに倒れ始めた。

「お母さん!!」

 慌てて支えようとしたが、足が前に出ない。突如、周りの景色が闇に覆われていく。それと共に、何処からともなく声が聞こえてくる。

『お前は、誰も守れやしない。』

 その声は少しずつ大きく、絶え間なく聞こえてくる。

「やめて・・・私は・・・私は!!」

 耳を塞ぎ、その場でしゃがみ込むアイナ。すると、闇の一部にヒビが入り、パリンという音と共に割れて、気づけばそこは、さっきまでいたモニタールームだった。

「はぁ・・・はあ・・・はぁ。」

 額や頬から汗を流しながら、アイナは床に手をついて肩で息をしていたが、顔を上げて、黒葉圭語を睨み付けた。

「ふふふ、怖いですね。殺気という言葉が似合うように。」

「黒葉、圭語ぉ!!」

 右手を開きながら腕を伸ばして武器を出現させたが、手に力が入らず床に落としてしまった。

「ふふふ、さてと。」

 圭語は佳椅子の向きをモニターに戻した。

(今度はどんな戦いを見せてくれるのか、楽しみですね。)


〈第四ステージ アクションチョイス〉

「まだ生きていやがったのか、お前。」

「グモモモモ、久しぶりに会って最初に言うのがそれかよ。まぁいい、さっさとと始めようぜ。てめえら全員、このグモリス・ロプラー様が地獄に送ってやるからよぉ。」

「ふん、言ってろ。」

 強気な反応を見せる判人に、リナはこのステージ入る前に彼から言われた事が気になっていた。

『ここから先、おそらくお前では歯が立たない奴らばかりだ。レイノスにお前を守るように頼んではあるが、極力自分の身は、自分で守ってくれ。』

それぞれが、武器を手に持つ。

「いくぞ。」

 判人の掛け声とともに、攻撃担当がグモリスに襲い掛かろうとしたが、彼はニっと笑うと右手を顔の前にもってくる。

(・・・まさか。)

 レイノスは何かを感じ取り、叫ぶ。

「駄目だ、止まれ!!」

だが、

「遅いぜぇ!!」

 グモリスが右手をパチンと鳴らすと、左右からロープが飛び出し、判人達の足や腕を縛り付けた。

「グモモモモ、すっかり忘れてたみたいだなぁ。俺様の得意技『ロープ・トラップ』をよぉ。」

「くっ。」

 判人がどれだけ力を込めても、ロープは千切れそうにない。

「グモモモモ、てめぇは最後にしてやるよ、判人。まずは・・・そこの、腰ぬけな小娘からだぁ。」

自分の事だと思い、体をビクッとさせるリナにレイノスが小声で言う。

(君は何があっても、僕が守るから。だから絶対、僕から離れないで。)

 リナの前に立ちはだかるレイノスにグモリスは、

「グモモモモ、お姫様を守る勇者様ってかぁ?俺様はそういう男が、一番嫌いだぁ!!」

地面を蹴って、グモリスがロケットの様に向かって飛んで来るので、レイノスが一歩後ろに下がると、リナを背中で押す形となった。

尻もちをついたリナが再び目を開けたとき、言葉を失った。

「・・・・・。」

ガードはしていたものの、グモリスの攻撃力がそれを上回り、例の槍は折れ、彼の体に斜めの深い切り傷が入り、赤い血を飛ばしながらゆっくりと仰向けに倒れた。

「グモモモモ、グーモモモモ!!」

部屋中に、グモリスの笑い声が響き渡った。

高城連乃助です。今話は、判人がほとんど喋らない回となりました。次回は、いよいよ・・・の回となります、お楽しみに。

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