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真と嘘クラス -41人のデスゲーム-  作者: 七原 秋也
第2章 ゲーム序盤戦
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悪夢 の 教室

PM1:00


【ゲーム】が始まってから1時間が経過した。あれからほぼなんの動きもなくただ時間が過ぎていった。修也は信二と行動することを決め、信用できる人を探していた。まずは恵だ。

幸いにも修也の携帯に恵の番号はあった。友達とはいざという時に助かる。


修也は携帯を腰のあたりで操作した。


《こんな状況だ。単独よりも仲間がいた方が安全だ。お前だけで考えてくれ。返事で聞く》


送ってから10秒で帰ってきた。早すぎではないか。


《ありがとう。私を誘ってくれるんだ。ほかに信二だけ?》


修也は恵と目を合わせ、頷いた。恵も分かったと頷く。

さらにメールだ。


《あのさ、修也次第でいいんだけど、理恵も誘ってよ。私の1番の友達だし信用できる。それに、理恵は修也を見てるよ。だからお願い》


修也は少し悩んだが仲間を作ることに反対はないため、了解した。

しかし理恵のメールアドレスが分からないため、コンタクトがとれない。


《分かった。この事自然と知られるまでしゃべるな。今はどんなこと考えてるかわからないから。それと俺に賛同してくれてありがとう》


恵は真剣に携帯の画面を見つめている。再び目が合った。恵は微笑むと携帯を閉じた。

信二を肩で叩いて呼んだ。


「ん?どうした?仲間増えたか?」


「ああ、今、恵と理恵が入った。この2人は信用できる」


信二は分かったと頷く。


「なぁ、この状況を誰か理解できる奴はいないか?説明してくれよ」


小田亮平が座りながら言った。

すると咄嗟に和田興子が立ち上がった。長いロングヘアーが揺れる。


「私は死にたくないから説明するわ。私の推測だとあの声はこのゲームを真実の教室と言っていた。しかも生き残り条件が真実の者だけ。逆を言えば嘘をついたら死ぬってことよ。

だから知ってるのに黙ってたり、適当な事を言うと死ぬってことね。だから黙ってたら私が死ぬかもしれないから今言ってみた」


「だったら、今死んだ奴らは皆嘘を言ってたってことかよ。愛子以外は皆。健は俺達の仲間だったのに死んだ。この恨みは必ず返す!」


興子は静かに言った。


「へぇ、その復讐心は真実みたいね。でも健の死因はゲームの障害として殺されたけどね」


亮平の頭のネジが完全に吹っ飛んだ。


「おいてめぇ!調子乗りやがって。健はクラスのために反抗してくれたんだよオラ!テメェは何もしてねぇのに調子のんなオラ!殺すぞ!」


亮平は顔を真っ赤にして興子の胸倉を掴んだ。しかし興子は冷ややかな瞳で亮平を見ている。

このままではまずい。そう感じた修也が再び割って入る。


「なぁやめないか。これ以上争ってどうする。もっと話し合おうぜ。健の死だって皆辛いさ。だから・・・・・頼む」


亮平は興子から手を離し、修也の胸倉を掴んだ。


「は、お前いつも偽善者ぶるよな。まじキモいし――」


誰かの手によって修也から亮平の手が離れた。手を見ると零だと気づいた。


―零が。まさか。


零は静かに亮平に呟く。


「1度頭冷やせ。健の事は今は忘れろ」


亮平は零に威厳強く言われ、黙って頷いた。零に刃向かって何にもならないのは誰だって分かっている。亮平は寂しそうに呟いた。


「健は俺の1番友達だった。だからついカッとなって・・・!」


バタンとまるで大きな棚が倒れたかのような音が響いた。


亮平が顔面から床に倒れた音だと知ったとき、亮平の頭はドス黒い色になっていた。再び血の臭いがする。

再び起こる悲鳴。止まらない。そして気が付いた。


―声がいってた【連鎖】って恐怖が恐怖を。死が死を呼ぶ。このことだったのか!


零は倒れた亮平に目を向けたが、表情を変えずに席に戻った。かすかに口元が動いたような。気のせいかもしれない。

                        

<男子5番小田亮平 死亡 残り35名>





携帯の着信ブザーが鳴り、携帯画面を開いた。中川理恵からのメールだった。恵から聞いたのだろう


《修也君。今返事だけど誘ってくれてありがとう。すごく嬉しい。でも私怖い。いまだって亮平君が死んじゃった。修也君だから信用できる。お願い、助けて》


修也は教室後まで下がった理恵を見た。携帯を胸に当て、深呼吸している。

修也はすぐに返事を返した。


《ごめん、いまそっちに行くから心配しないで》


理恵が携帯で確認し、1度頷き、修也は理恵のそばに駆け寄ろうとした。しかし再び悲鳴がした。

廊下側倒れた和代を囲んでいた小野真紀子らの所だ。


「あなたが・・・やったの?佳奈!?」


佳奈は両手に小型ナイフを持っている。佳奈のすぐ下には宇野絵莉美が腹部を赤く染めて倒れていた。佳奈の目は真赤に純血していた。真紀子が再び尋ねる。


「正直にいってよ。なんで刺したの?」


佳奈は狂乱した。目はこれ以上にないほどに見開かれていたのが見えた。


「私は!ただ帰りたい!帰りたいのよ!壁に、ナイフがテープで張ってあった。人数を減らせって事だよね!これって。だから殺した!何が悪い!」


普段おとなしい佳奈が狂乱して誰も近寄れなかった。防ぐものがなく、真紀子の胸にナイフがグリップまで入った。真紀子は佳奈を見上げて口を開きかけたが力尽きてしまった。

佳奈は真紀子に刺さったナイフを抜くと、伊戸田由衣香に刃を向けた。


「あなたも皆と一緒に死になさい!」


由衣香は目を瞑った。刃が肩にザックリ切り込まれた。由衣香はクラスの思い出を振り返りながら

天井を眺めていた。あれ?痛くない!?

視線を前に向けるとそこには岡田裕也がいた。両腕を限界まで広げ、

由衣香に背を向けて立っていた。


―この体勢。まさか私を守ってくれた?王子様!?


しかし裕也の体勢は崩れ、仰向けに倒れた。


「裕也!いえ裕也君!なんで?私を守ってくれたの?」


裕也はかすめる声で呟いた。


「俺は、1年の夏の時、スポーツ大会の時、お前を見ていた。それからずっと。今だから言うよ。好きだ。だから生きてくれ。俺の頼みだ。ありがとうな」


由衣香は言葉を探しているのかうろたえていた。


「え、あ、裕也君!意味分かんないよ!私を?」


裕也は修也には聞こえないほどの小さな声で何か由衣香に呟くと、ゆっくりと目を閉じた。

由衣香はその瞬間涙をボロボロと流し、裕也の胸に縋りついた。


「裕也君、本当にごめんね。私なんかのために守ってくれるなんて。これ、裕也への返事」


由衣香はそっと裕也の唇に唇を重ねた。

その瞬間由衣香の背中に佳奈のナイフが刺さった。由衣香は満足したように微笑み、倒れた。


「すごくきれいなドラマね。私感動したよ。由衣香、天国でお幸せに」


佳奈の顔は表にはない極悪の笑みが浮かべられていた。

                       

<男子7番岡田裕也

 女子2番伊戸田由衣香  

 女子3番宇野絵莉美 

 女子4番小野真紀子  死亡 残り31名>

   


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