表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
真と嘘クラス -41人のデスゲーム-  作者: 七原 秋也
第4章 ゲーム終盤戦
22/27

希望 の 友情

―過去―


トイレの大便で用を足し、出ようとした。しかし開かない。鍵をかけていた。何やってんだ俺。


鍵を外し、笑いながら扉を押した。が、やはり開かない。鍵はかけていない。外から閉じ込めているに違いなかった。


外から男子のゲラゲラした笑い声が聞こえた。そして上から水が大量に降ってくる。防ぎようがなく、頭から水をかぶった。


「おまえなんて学校来んな!この勉強オタク!」


トイレの中で信二は声を上げないで泣いた。プライドが高く、泣きたくはなかった。


小学6年生の信二は友達はいなかった。頭が元々悪く、それが原因で親にも殴られた事も何度かある。だから中学までに頭がよくなりたく、今までいた友達を無視して勉強に励んだ。


しかしそれがこの様だった。今日で何回目だろる。3週間くらい前から毎日イジメが続いている。プライドで信二はだれにも言えなかった。


突然頭に衝撃が走った。バケツが降って来たのだ。頭が割れるかとも思った。頭を抑えながらしゃがみ込んで、悔しさから扉を殴った。


再び外からゲラゲラと笑い声がし、その声は扉が閉まる音と共に消えた。トイレから出て行ったのだ。


しかしまたトイレの扉が開く音がし、誰かが入ってきた。

信二は悲しみに浸っていて動く気になれなかった。小便の音と鼻歌が聞こえ、しばらくすると水が流れる音がした。しかし音は突然消えた。トイレ内に変な沈黙が流れる。そして声がした。


「あのーもうじき授業始るよ?急いだほうがいいよ、後1分だから」


明らかにこちらに行った言葉だった。信二は助けを求めるように扉を叩いて言った。


「と、扉・・・扉があかないんです・・・助けて・・・・」


涙声だったので、さぞダサイ格好だった。信二はプライドを捨て、助けを求めた。


「あ!ちょっと待って、天井と扉がロープでつながってる。今助けるから―」


チャイムが鳴ったが、まだ自分を気にしているようだ。嬉しかった。

信二は先ほどとは別の涙を流した。


そして扉は開いた。


「大丈夫?もう授業始まっちゃったけど俺も一緒だ!さぼろうぜ」


信二は止められない涙が溢れ出た。

その子は信二に近寄って背中をさすった。


時計を見ると授業開始から10分立っていた。やっと落ち着いた信二はその子と屋上にいた。


「君名前とクラスは?6年生だよね?」


信二は俯きながら言った。


「堀信信二6年。クラスは4組だよ」


その子はへーと何度か頷いた。


「俺は道原修也。6年1組だよ。先生には相談したの?」


相談とはイジメの事だ。信二は言ってないが、恰好からしてイジメだと分かったはずだ。


「いや・・・恥ずかしいから相談はしてない。それより・・・さっきはありがとう」


「俺は困っている人をほっとけない性格だから。相談できないならさ、いつでも俺に相談してよ。

 いつでも聞くから」


そして修也は信二に右手を差し出した。


「俺と友達になってくれるなら握手してくれ」


信二は迷わずに修也の手を握った――――















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ