表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SHOT D RAIN〜少子化対策VRMMOで関係を持った相手が、同じ会社の社員ってあり得るの!?  作者: 丹羽坂飛鳥
サークル対抗PVP編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/36

奇策

 三、二、一のカウントが始まって、ついにリーダーが走り出した。

 姫サークルへ一直線で、お互いに最短時間でぶつかった。


「よっしゃみんな行くぞー! 打倒、ピエナ姫だ!」


 私たちもみんなバトルフィールドに入った。

 すぐに体制整えてマップ確認したし、私も早速毒散布入れて時間数えてるけど、……相手がぶつかるどころか散り散りになっていくのが表示されてる。


「……え?」


『素直にぶつかるわけないじゃないですか。目的は時間稼ぎですよ、時間稼ぎ』


 相手陣営のリーダーから音声が飛んできた。


『別に私たちは勝利ポイントなんて目指してません。前回勝ちましたから。

 あとは十分、まるっと逃げ切れば良いんです』


 勝敗がついたら申し込めない時間があるけど、完全にドローの場合はすぐさま再試合が可能だ。


『たくさん練習して頑張ってきた、そんな皆さんの楽しい遊びを潰すことこそが、私の目的です』


 ピエナちゃんえげつないってぇ。

 逃げ回る作戦を最初から狙ってたんだって、今日のために機動力高い職業に転職したのが見るだけで分かる。マップを移動するアイコンの速度が半端ない。

 多分全員、ドラゴンライダーだ。しかも騎乗スキルで超高高度を飛んで逃げてる。私の毒瓶は全体散布って仕様決まってるから届くけど、剣とか斧の近距離攻撃は絶対に届かない。魔法だって範囲内に来なかったら当たらない。


 つまり……このままじゃ貴重な十分、ピエナちゃんに無駄にされちゃうってことだ!


「ミツハはそのまま毒入れ続けて。ビートの成果期待してる」


 十五秒経つから慌てて再散布入れたけど、タツキが短気なドラゴンライダーさんに掴まってそのまま飛んでいった。

 もしかしてタツキ、追いかけるのかな。

 リーダーもマップ見てたけど、兜の中から響いた声はいつもらしく明るかった。


「よし、ウエイは雷魔法準備、マゼンタも弓装備してワイドショット待機な」


「え。でもリーダー、このままじゃピエナちゃんたち、うちの陣地になんて来ないですよね!?」


「大丈夫、大丈夫。……お、ミツハそろそろ十五秒だぞ。出来ることに集中、集中」


 たくさん練習したビート刻んでるけど、相手のHPバー見えなくても多分これくらい、で毒散布入れ直した。

 でもこのままだと、全体回復入れられたら毒ダメージの効果が出てこない。

 時間いっぱいまでタツキとドラゴンライダーさんが追いかけても、ドラゴン同士の速度はそうそう変わらないから一人もダウン取れないままだ。


 背中に他キャラ乗せて移動してる最中はドラゴンもブレス攻撃出来ないし、タツキの攻撃範囲に入らない限りダメージも入らない……って焦ってるのに、リーダーは余裕のピースサインだった。


「安心して待ってようぜ、姫さまは優雅に遊覧飛行なんて出来ないから」


 今度はサムズアップしてるリーダーが、多分兜の中で笑ってる。


「リスクヘッジしてこの作戦も読んであった。

 多分姫はポイントが連携して移動する中にいる。

 今タツキたちが追ってるのは、この二頭な」


 マップ見ると、確かにバラバラに見えても二つだけマーカーが近い気がする。


「作戦上、どうあってもミラとピエナは転職出来ない。騎士と魔法使いとして常に近くにいる必要がある。

 マップ上は点が五つだから、あの二人がドラゴンで移動してるのは確実だし、ドラゴンは飛び道具に弱いから特攻持ってる銃火器職のタツキで撃ち落としてもらう話もしてあった」


 毒散布。

 時間数えながら聞いてたら、リーダーがグッジョブエモート出してきた。


「で、問題はあいつらがドラゴンライダーに転職すれば良い、乗れば早いって単純に思ってること。

 転職したてのドラゴンライダーが、ずっとドラゴンライダーやってるやつに操縦敵うと思う?」


 フルダイブ型のゲーム内で、ドラゴンを手綱のオート操作にしてるならまだしも、体によるコミュニケーションで動かすマニュアル操作はかなり難しいらしい。


「マニュアル操作の方が技術いる分、ドラゴンの反応も早いのは有名な話。

 上昇でスキル使って、下降でも速度上げスキル使って、気流読んで最短距離を最速で常に飛ばす。短気なドラゴンライダーはせっかちだからマニュアル操作で、飛ぶのも早い。

 さらに、背中に乗せてるのは」


 マップの点が確かに近づいていく。

 また毒散布入れてたら少しずつ点が乱れた動きになってきて、こっちに向かってくる。


「前回大会のランカー様が特攻持ちながら初心者撃ってくるのに、まともに戦えやしないって」


 今はあの二人が狩人なんだって、ついに大斧を構えたヒーラーちゃんを見て思った。

 エネミーマーカーが近づいてくるのに合わせて、リーダーも自信満々に剣と盾を構える。


「ウエイ、そろそろくるから撃ち落とし頼むな。

 出来れば直撃で麻痺入れて。マゼンタも飛んでるうちに撃っておいて」


「承知のすけ」


「雷魔法の範囲は広いので。麻痺も出来る限り頑張ります」


 また毒散布入れながら待ってたけど、マップの点がぐんぐん近づいてくる。

 ウエイさんが溜めてた魔法を一気に放つと、エイムバッチリで雷雨が降り注いだ。


「きゃぁあっ」


 特攻ダメージで麻痺したドラゴンが落ちてくる。

 背中に乗ってた騎士のミラが姫装備のピエナちゃんを抱えたけど、待ってるのは大斧を引き切って構えてるヒーラーちゃんだ。


「『戦斧一閃』!」


「『全員集合』!」


 ミラは呼び寄せた味方を盾に斬らせた。ダウン二人しか取れなかった。

 でもタツキも後ろから飛び降りてるのが、銃構えてるのが見える。

 無言のままマシンガンで弾丸の雨降らせて、短気なドラゴンライダーさんのドラゴンが炎を思いっきり吹きかけながら降下してくる。

 ついでにタツキが手榴弾のピン噛んで引っこ抜いて、投げ落としてきた。炎に触れたら誘爆判定が起きる。


「ピエナ、エレメンタルグレイス!」


「あ、う……」


 毒散布のドットダメージでダウン取れたんだけど、ってログが私に入ったので見えた。

 でもミラがアイテム使うのよりも、すでに剣振りかぶってるうちのリーダーと、突然集合されて統率取れてないドラゴン狩りに行ってるヒーラーちゃんたちが早い。

 手榴弾と炎が炸裂して、目の前が光エフェクトで真っ赤に染まる。

 タイミングだから毒散布もう一回入れようとしたら、アイテム使えなくなってて……全員ダウンしたんだって、勝利画面で気付いた。


「よしポイントゲット。次は近くに『火曜日は狼』がいるから吹っかけに行ってくるな」


「ちょっと待ちなさいよっ」


 戦闘終了してダウン回復したピエナちゃんが叫んだけど、リーダーはもう手を振って走り出してる。


「五分後にまた会おう。

 そうだピエナ、ちゃんと職業戻させた方が良いぞ。俺ら今回ほぼノーダメ。

 前の方がまだ強かったから『初心者狩り』とか言われないように頼むなーじゃなー」


 リーダー、煽っていった。やっぱ勇者かな。


「えーん待ってよリーダー、装備脱げたまま試合開始とかやだー!

 火曜日は狼とか、絶対にヒーラー必須なサークルだよー!」


 とにかく急いで職業とスキル取り直してるヒーラーちゃんと一緒に、私も毒瓶と店売りアイテム補充とか必死でやった。

 アイテム個数書き出してあったからまだマシだけど、持ち込める数が決まってるからバトルごとにポーションの個数管理が忙しい。


 リーダーは狙い通り『火曜日は狼』のリーダーを見つけて、バトルスタートさせてくる。

 私たちも間に合って自分の役割全うしたけど、相手は中堅サークルでも、練習重ねてきたから危なげなく勝利してポイント奪取出来た。

 また索敵フィールドでリーダーがピエナちゃんに向かって走っていくから、職業再変更のヒーラーちゃんと一緒に私も毒瓶補給して、今度こそゾンビ戦法のピエナちゃんたちと再戦になった。


『絶対に許さないっ、許さない、許さないぃい!』


「いい感じに頭に血が昇ってるな。

 ……さあ、ここからが本番だ!」


 全身鎧のリーダーが私たちの前に出て、勇者らしく叫んだ。


「前回の借り、返してやろうぜ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ