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魔法使いの家出  作者: 羽良 凪都輝
第4章 王立魔術師学校マギア 前編
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「嫌がらせ」

あれから数日が経ったある日。

「おい!お前、転入生で庶民のくせに調子乗ってるよな!」

アランが歩いていると、数人の男たちが絡んできた。

「こんにちは。」

アランは彼らに対し挨拶をし、通り過ぎようとした。

「待て!俺らを無視すんな!」

男は腕を掴み、アランを引き止めた。

「なんですか?僕早く教室に行きたいんですけど。」

「あぁ?まだ時間はあるだろ!それより、お前、俺のレベッカと最近仲が良いよな。」

「俺のレベッカ?もどちら様ですか?」

「おれはそもそもあなた誰ですか?」

「はぁ!?この俺を知らないのか?」

「えっと、どちら様で...」

「俺はエイム・フォン・フェウィムだ!フェウィム家と言ったらわかるだろ!」

「えっと、どちら様で?」

「はぁ!?庶民のくせに舐めた口を!」

「エイムさん、こいつムカつきます!」

「俺もです!」

「一回痛い目をあわないとわからないようだな!」

エイムがアランを殴ろうとした瞬間、誰かがそれを止めに入った。

「あなた、家の者に手を出したわね?」

「れ、レベッカ...」

「大丈夫?怪我はない?」

「大丈夫ですけど、レベッカ様こそ大丈夫ですか?」

レベッカはエイムの拳を素手で受け止めていた。

「こんなの私にとっては攻撃に入らないわ。あんな貧弱な拳なんて簡単に受け止めることができるわ。ほら、授業遅れるから行くわよ。」

「は、はい。」

「あ、ちょ!」

レベッカはエイムの言葉は無視し、アランを連れて行った。

教室に聞くと、早速アランはエイムについて質問をした。

「あのエイムって言う人はだれ?」

「エイムはめんどくさい男なのよ。国王の命令でうちの商会と取引してるんだけど、それを良いことに私に婚約を迫っているのよね。なんども断ってるんだけどどうにかならないかしら。」

「あの男の話し?」

「そうよ。ついにアランが目をつけられちゃったみたいで。」

「アランちゃんに?アランちゃんはなにかされなかった?」

「少し絡まれただけだから大丈夫だよ。」

「そう。それなら良いんだけど。あの男、すぐに人に手を出すから、気をつけてね。それより、アランちゃん今度の休日空いてる?」

「空いてるよ。」

「じゃあさ、少し私に付き合ってよ。私行きたいところがあるの。」

「もしアランが行くなら私も行くわ。アランは私の護衛だもの。」

「だめよ。これは二人でないといけないの。アランちゃん、レベッカの護衛を頼める人は居ないの?」

「うーん...じゃあ、ビクトリアとアリシアにお願いするか。二人なら安心できるし。」

「そう。なら決まりね!」

「アラン!」

「大丈夫だよ。あの二人なら大体の敵は倒せるから。」

「そうじゃなくて!」

「授業を始めるぞ。皆席に座ってくれ。」

「それじゃ、次の休日ね!」

休日までは数日あったが、その間、エイムがアランにしつこく嫌がらせをしてきた。

ある時はアランの席がゴミの山で埋まっていた。

ある時はアランの教科書が目の前で燃やされてしまった。

そのような嫌がらせが続いた中で、休日がやって来た。

「どうしたの?アランちゃん最近元気ないけど。」

「だ、大丈夫だよ。それよりどこに行くの?」

「今日は行きたいレストランがあるの。予約してるから早速行こう!」

アランとベルージュは王都の中を進んでいった。

「アランちゃんは私達のところに来る前は何をしてたの?」

「ずっと修行をしてたよ。」

「修行?魔術の?」

「うん。師匠がすっごく厳しくてね、毎日ヘトヘトだったよ。」

「いつから修行してたの?」

「うーん、5歳のときに拾われたから、10年ぐらい?」

「じゅ、10年!?私より長いじゃない...」

「そうなの?お姉ちゃんはもっと早くから魔術を使ってたと思うけど。」

「そう...」

(ウォード家は化け物しかいないの?ん?)

すると、ベルージュは一つの異変に気づいた。

「アランちゃん、私達誰かにつけられているわ。」

「数は3人。この魔力だと多分エイムかな。」

「エイム達がツケてくるってことは、狙いはアランちゃんね。どうする?」

「うーん、別にどうもこうもしなくて良いんじゃない?まだ僕達に何もしてないから。」

「そう?絶対になにか仕掛けてくるわよ。」

ベルージュがそう言っていると、早速仕掛けてきた。

アランが歩いていると、空から水が降ってきたのだ。

「あ...」

「アランちゃん!?あいつらアランちゃんをこんなにして!」

「ベル、僕は大丈夫だから。」

「で、でも...」

「大丈夫だから。」

「アランちゃんがそう言うなら...じゃあ、新しい服を買いに行きましょう!」

「わかった。」

二人はアランの新しい服を買いに行った。

「はぁ!?水をかけたら二人で服屋!?あいつレベッカだけじゃなくてベルージュまで手を出しやがって!」

「お、落ち着いてください!周りの人たちに見られていますよ!」

「ちっ!お前ら行くぞ!」

その頃アランは服を買いに来ていた。

「ここって...」

「ここは仕立て屋フランシスよ。私の行きつけの店なの。」

ベルージュがアランを連れて店に入ると、すぐに店員がやって来た。

「ようこそマルフィン様、今日はどのようなご要件で?」

「アランちゃんの服を仕立ててほしいの。少しトラブルがあって、新しい服が欲しいのよ。」

「わかりました。こちらの方で...アラン様!?」

「ああ、この前の。」

「お久しぶりです。フランシス様が来ておりますが、どうしますか?」

「フランシスさんが!?アランちゃん、行こう!」

「え、あ、うん。」

二人は奥の部屋に入ると、そこは王宮にも負けないほどの豪華さであった。

「フランシス様、お連れしました。」

「あら!ベルちゃんも居るじゃない!」

「お久しぶりですフランシスさん。今日はこの子の服を仕立ててほしのですが。」

「あら!アランちゃんじゃない!久しぶり!でも、あんまり背が伸びていないわね。」

「久しぶりですフランシスさん。学生服の件はありがとうございました。」

「え?アランちゃん、もしかしてフランシスさんと知り合い?」

「そうよ。アランちゃんの持ってる学生服は私が仕立てたのよ。」

「嘘でしょ!?アランちゃん!?あれはもう二度と着ちゃいけないわよ。」

「え?なんで?」

「なんでって、あれは国宝級のものよ!一学生が着てはいけない代物よ!アランちゃんならなおさらよ!」

「ベルちゃん、あれは私がアランちゃんに着てほしくて作ったのよ。私の気持ちを無下にしないで。」

「す、すみません...」

「わかってくれたなら良いのよ。私は自分が誰かに着てほしいって気持ちで服を作ってるからね。だから、今日は本当にちょうどよかったわ!」

すると、フランシスは奥からなにかを取り出してきた。

「どう?私の最新作なの!」

「ちょっとかして。」

そう言うと、ベルージュはフランシスの持っていた服をアランに被せた。

「あ...最高。アランちゃん、今すぐ着替えて。」

「え?あ、うん。」

アランは渡された服に着替えた。

「今回はね、まず肌着はフェニックスの毛を使っているのよ。手に入れるのも加工するのもすっごい大変だったけど、体温調節を自動でしてくれるの。次に上着。それは最近はやってるパーカーってものなんだけど、神器にも使われてるミスリルで作ったから、中級魔術ぐらいまでなら防げるわ。最後にズボンだけど、完全防水と高強度の耐火性を持つから、もし敵と戦うときになったとしても大丈夫よ。」

「なんか、すごいんだね。」

「すごいってものじゃないわよ!フランシスさん、今回の、最高傑作じゃない?」

「いや、まだよ。今度、アランちゃんにとっておきのを作ってあげるからね!」

「あ、はい、お願いします?」

「じゃあ、お会計だけど、ビクトリアちゃんにもらってるから、もう大丈夫よ。」

「え?あ、そうですか...じゃあ、また来ますね!」

「ええ!また着てちょうだい!ベルちゃんもまたね!」

「はい!今度は私も頼ませてください!」

「気が向いたらね。」

「うぅ...」

アランたちが店を出ようとすると、何やら揉め事が起きていた。

「お客様!紹介状がないのでは当店には入店できません!」

「あぁ?そんなの知らねぇよ!さっさと入れろや!」

「あいつら!こんなところまで来てアランちゃんに何をしたいわけ?」

「ま、まあ、とりあえず外に出ようか。」

アランが外に出ようとしたところ、エイムが暴れ出してしまった。

「お、お客様!」

エイムは魔術を使い、店内にある商品を次々に破壊していった。

「エイム君、用があるのは僕だろう?」

「あぁ?おやおや、自らやってくるとはたいそう自信だな!」

「すみません、店員さん...商品は全額負担しますので、後でフランシスさんにアランという名で通しておいてください。」

「わ、わかりました...」

「ほら、君たち、行くよ。」

「あぁ?誰に向かって命令してんだ!」

「ねぇ、下等生物は黙ってくれるかな。話してるだけで苦痛だから。」

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