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魔法使いの家出  作者: 羽良 凪都輝
第3章 護衛
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「アランの本気」

「さあ、掃除の時間だ。」

その瞬間、更に魔力のオーラが膨れ上がった。

「こ、これは?」

「これは魔力のオーラじゃな。普通は魔眼を持っている者じゃないとオーラは見えん。だが、それは我々の魔力が少ないからだ。もし、魔力が膨大な量があれば?」

「つまり魔力がとんでもなく多いってことですよね。でも具体的にどのくらいですか?」

「大体五百万以上、神竜と同じレベルじゃ。」

「神竜と同じ!?う、嘘でしょ?あの、世界を滅ぼす?」

「ああ、そうじゃ。」

「貴様、何者だ!」

「僕はアラン、彗星の魔法使いだ。」

「そうか。じゃあ、私も本気を出そう!」

ベルグールは一瞬で距離を詰め、アランに殴りかかった。

だが、その攻撃はセシルで防がれた。

「っち...」

ベルグールが舌打ちした瞬間、ベルグールは壁にめり込んでいた。

(え?)

その出来事は一瞬であった。誰もが何が起きたかわかっていなかった。

「な、何が起きたんですか?」

「わからないわ。でも、あの顔は知っているわ。あの顔は...」

「あの顔は、ローラが怒ったときの顔だ。」

「国王陛下!何故ここに!」

「やはり、あの者はローラの子であったか。昔のローラの雰囲気に似ておったからな。懐かしいのう。」

「そんな呑気なことを言っている暇はありません!」

「見てわからぬか。わしたちは今、魔族と人間の戦い。いや、蹂躙か。」

ベルグールは一瞬何が起きたかわかっていなかった。

「お前!何をした!」

「ただ殴っただけだよ。ほら、喋ってないで立ちなよ。」

「人間ごときが私に指示をするな!」

ベルグールはすぐに立ち上がり、音速を超えた速度でアランに向かってきた。

だが、アランの動きは異次元であった。

「遅いよ。」

アランはセシルを使い、連続攻撃を始めた。

アランの攻撃は流れるようにつながっていた。

(何だこの違和感は?私の防御が間に合わない?どういうことだ?)

ベルグールは防御をしながらアランをよく観察し、一つの異変に気づいた。

「貴様!神眼持ちか!」

「そうだよ。」

「どうやってだ!お前はずっと寝ていたはずだ!なのに何故覚醒を!」

「君が覚醒させてくれたんだよ。君が僕の家族に手を出したからね。」

「アリシア、どういうこと?」

「神眼は魔眼を覚醒させた状態じゃ。アランのあの異常な速さは神眼の力じゃろう。」

「神眼の力って?」

「神眼の力の一つとして、自分自身に属性を付与させる事ができるのじゃ。火属性なら体から炎が。氷属性なら触ったものを凍らせる。そして、アランが使っているのは...」

「貴様!雷属性か!」

「そうだよ。」

雷属性は、体を稲妻のように速く動かせるようになる。

確かに、ベルグールの攻撃は音速を超えるほど速かった。

だが、稲妻はいわば光。光の速さでは音速も遅く見えた。

(近接戦闘は不利か。なら、魔術戦で!)

ベルグールは距離を取ったが、その瞬間、ベルグールの左腕がなにかに貫かれた。

「こ、これは...」

ベルグールの左腕はセシルによって貫かれていた。

「な、何故だ!何故そんなに伸びる!」

アランはベルグールから遠く離れていたが、セシルの特性を活かし、ベルグールのもとまで届いていたのだ。

「やっと俺様を使いこなせるようになったか。」

「そうだね。セシル、あいつをぶっ潰すよ。」

「おう!」

アランは一瞬で距離を詰め、ベルグールに攻撃の隙を与えず、ベルグールに絶え間なく攻撃を与えた。

その攻撃は一つ一つがつながっていて、流れる川のようだった。

(まずい!このままだと傷を再生することもできない!なにか手はないか!そうだ、あれなら!)

すると、ベルグールは絶え間ない攻撃から抜け出した。

「あれは飛行魔術!アラン!気をつけて!」

マリアは飛行魔術の恐ろしさを知っていた。

どこからでも攻撃ができる。なぜなら、マリアが同じように飛行魔術を使うからだ。

ベルグールの左腕も再生した。

「腕が再生した!」

「ねえねえ、降りてこないの?」

「降りてくるわけ無いだろう!」

「そう。」

その瞬間、決闘場の空全体を覆い隠すほど無数の隕石が現れた。

「彗星の雨。」

アランの詠唱が終わると、現れた隕石は地上に向かってやってきた。

「う、嘘だろ!?な、なにが起こってるんだ!」

そのまま隕石は落ち続け、決闘場一帯を破壊し尽くした。

「け、決闘場が...」

ビクトリアやマリア、レベッカとアリシアは防御結界をはり、隕石を防いだ。

アーサーたちも同じように結界を張り、防いだ。

だが、ベルグールは違った。

ベルグールは再生に魔力をかなり使っていたため、防御結界の強度が足りず、地面に叩きつけられてしまった。

「き、貴様!」

「竜の灯火。」

その瞬間、ベルグールの目の前に巨大な黒炎でできた生物が現れた。

「こ、これは神竜!」

竜、別名ドラゴン。表面は鱗で覆われており、羽が生えている。大きい個体だと、城一つぐらいの大きさになる。

「神竜?まあ良いや。」

現れた竜はアランの意のままに動き、ベルグールに攻撃した。

(確かに私は神竜に敗れた。だが、今の私はあの時よりも強い!)

「ビスグレイヴ!」

ベルグールの放った攻撃は竜のブレスとぶつかり合い、竜は消滅し、ベルグールの攻撃は押し返された。

「アランの攻撃が負けた?」

「いや、相打ちといったところか。まあ、アランはまだまだ余裕そうじゃがな。」

アランはすでに次の攻撃を用意していた。

空に巨大な魔術式が現れた。

「サージスプレンダー。」

魔術式から、ベルグールに向かって光線が放たれた。

「嘘だろ...」

「古代魔法を十個同時に?アラン様はどこまでいくのですか。」

アランはただ古代魔法を発動させていたのではなかった。

アランは十個同時に古代魔法を発動させ、ベルグールを追い詰めていた。

ベルグールは防御結界を何重にも張ったが、古代魔法の連続攻撃で防御結界は破られ、ベルグールはボロボロになっていた。

(まずい!このままだと負ける!なにか手はないのか!)

すると、ベルグールはなにかひらめいたように動き出した。

向かった先は、マリアたちが居る方であった。

「君は、まだ僕を怒らせるのかい?」

一瞬でアランはベルグールの目の前に現れ、攻撃を放った。

「破滅の黒炎。」

アランの放った黒炎の矢は、ベルグールをまたもや吹き飛ばした。

「エレクトロニックランス。」

天候が変わり、ベルグールに向けて稲妻が何度も降り注いだ。

「破滅の波動。」

さらに追い打ちをかけるように、黒い光線を放ち、ベルグールの左腕を消し飛ばした。

「核心の貫き。」

ベルグールの周りに無数の黒い球体が現れ、次々にベルグールの体を貫いた。

だが、アランの猛攻はまだ終わっていなかった。

「覇流のうねり。」

黒炎が竜巻のようにベルグールを飲み込んだ。

「閃雷の共鳴。」

ベルグールの周りに無数の稲妻が現れた。

稲妻はベルグールの周りを飛び交い、何度もベルグールを攻撃した。

「斬撃の覇閃」

その瞬間、ベルグールの体は真っ二つになっていた。

その攻撃は、空間ごと破壊していた。そのため、周りにあった、決闘場の残骸も粉々になってしまった。

「これで終わりだね。消滅の螺旋。」

ベルグールの体に魔力の糸が絡みついた。

その糸は黒炎に変わり、ベルグールの体を跡形もなく、焼き尽くした。

「君の敗因は僕を怒らせたことだね。」

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