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魔法使いの家出  作者: 羽良 凪都輝
第3章 護衛
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「禁術のオンパレード」

「貫け光明の矢!」

「それは!」

アーサーは神術を使うことができた。

光明の矢は勢いよくアランに向かっていったが、アランは冷静に手を掲げた。

(なにか嫌な予感がするな。何だこの違和感は?)

「黒陰恒陽、陰。」

アランの手から黒い球体が現れて、体外魔力や光明の矢、そして決闘結界を飲み込んでしまった。

「アリシア様、よろしくお願いします。」

「わかった。」

アランは決闘結界を破壊したのに気づかずにアーサーに向かって神術を放った。

「黒陰恒陽、陽。」

黒い球体が白い光に変わり、アーサーに向かっていった。

「何だあれは!」

「どけ、お主じゃ相手にならんわい。」

「へ?」

アーサーは腰を抜かしていたが、アリシアが目の前に割って入り、アランの攻撃を防御結界で防いだ。

「速く逃げろ。お主は死にたいのか?」

「え?でも、まだ決闘が...」

「お主は勝ったのじゃよ。アランは決闘結界を破壊した。だから、主の判定勝ちじゃ。だから、さっさと逃げろ。あいつは妾が相手する。」

「え?」

アリシアはアーサーと話すと一瞬でアランの目の前まで距離を詰めた。

だが、アランはすぐに反応し、肉弾戦が始まった。

アリシアは手に黒炎をまとい、アランはセシルを使い攻撃していた。

アリシアとアランの動きは音速に近い速度で動き、マリアたちは目で追えなかった。

「あ、あれって、黒炎!」

「アリシアってあんなに強かったんだ...」

「アリシア様はアラン様にひけをとらないと思われます。」

「あなた達は何を言っているの?あれは黒炎よ!アランが!」

だが、二人は冷静であった。

「マリア様、アラン様なら大丈夫です。今から起きるのは禁術祭りですよ。」

「アランは私達を助けてくれた彗星の魔法使いですよ。」

「彗星の魔法使い...アランが...もしかして私を助けてくれたのもそういうこと?」

「そうですね。私達が通りかかったところ、マリア様が戦っていたのでアラン様が助けに入ったのです。」

「でも、アランがあんなに強いなんて、私、本当にアランのことを知らないのね...」

アランとアリシアの攻防は一進一退であった。

アリシアが蹴りを入れると、アランがセシルでアリシアを吹き飛ばす。

(これじゃらちがあかんな。この一発に全てを賭けるか。)

アリシアはアランと距離を取り、魔力をため始めた。

それに気づいたアランは自分も魔力をため始めた。

(考えることは同じか。それなら火力勝負じゃな。)

二人は弓を構えた。

「破滅の黒炎。」

「深海の黒炎。」

二人は今ある魔力の全てを使った。

二つの黒炎でできた矢はぶつかり合い、とんでもない衝撃波を生み出し、決闘場を半壊させた。

「これでもだめか...」

アリシアが独り言を言うと、その間にアランは距離を詰め、セシルに黒炎をまとわせて振り、アリシアを決闘場の壁にめり込ませた。

(流石にきついな...じゃが今のあいつは魔力を制限しておる。だから、これなら...)

アリシアは立ち上がると、飛行魔術を使い、空に無数の黒炎でできた剣を生み出した。

「墨の空。」

その剣は、全てアランに向けて放たれた。

アランは黒炎で壁を作り、剣を防いだ。

だが、二人とも倒れてしまった。

「アラン!」

「アラン!」

「アラン様!」

二人とも魔力切れで倒れてしまったのだ。

アリシアはなんとか立ち上がったが、アランは起きなかった。

「アランのやつ魔力制限をしおって...まあとりあえずこれで頭は冷えただろう。」

そこに空から一人の男がやってきた。

その男はスーツを着ていて、20代後半ほどの見た目だった。

「アリシア様、お迎えにあがりました。よくぞご無事で。皆が待っています。行きましょう。」

「ベルグールか。久しいのう。ビクトリア、やれ。」

「かしこまりました。」

ビクトリアは火の魔術を放ち、ベルグールを攻撃したが、簡単に避けられてしまった。

「アリシア様?行きますよ?」

「妾行かぬ。もしお主が妾たちに勝ったら言っても良いがな。」

「そうですか。ならすぐに終わらせましょう。1人は倒れアリシア様は魔力切れ。あとはそこのメイドと後の女ですか。」

ビクトリアがもう一度火の魔術を放ったが、簡単に防がれた。

「こんなもので私を倒せると?私は魔王軍幹部のベルグールだぞ。」

「ベルグールだと!?国王陛下、一度ここは退避を!」

「ならん。わしもここに残る。崇高の魔術師はアーサーとギルド長をここに連れてこい。わしたちはあの戦闘に手出しはできん。」

「ですがこのままでは!ベルグールは魔王軍の中で今最も強い幹部です!頼みの綱の彗星の魔法使いも戦闘のになった今、このまま何もしないと王都が滅びますよ!」

「大丈夫だ。その時はわしが責任をとって自害しよう。」

「陛下!?」

「父上、よろしいのですね?」

「ああ。アーサーよ、あの戦いをよく見とくのだぞ。」

「わかりました。」

アーサーたちが話している間にマリアが加勢していた。

「ビクトリア!行くわよ!」

「わかりました。」

マリアは魔力をため、上位魔術を放った。

「ブレイズテンペスト!」

詠唱をすると、マリアの手から炎の竜巻が放たれ、ベルグールを飲み込んだ。

「そうですね、人間ならかなりやりますが、私には通用しません。」

「なっ!」

ベルグールは防御結界を使い、簡単に防いでしまった。

「そんなものか。」

ベルグールは一気に距離を詰め、マリアに近接戦闘を挑んだ。

だが、ベルグールの選択は過ちであった。

「あんた、バカね。」

マリアはベルグールがまばたきをする瞬間に懐に一発、拳をめり込ませ、吹き飛ばした。

「ば、ばかな...!」

そのまま、マリアは一気に決めに行った。

空に巨大な火の球が現れ、この決闘場一帯を消し去るような大きさをしていた。

「ばか!マリア!やめろ!」

「スペースプーロジョン!」

アーサーの静止も聞かず、詠唱をし、ベルグールに放った。

「古代魔法ですか。良いでしょう。私も全力を出してあげましょう。」

ベルグールが両手を掲げた。

「スケアードイヌア!」

空に地面と水平に扉が現れた。

その扉が開くと、中から無数の黒い手のようなものが現れ、マリアの放ったスペースプーロジョンを扉の中に引きずりこもうとした。

「まだよ!扉ごと破壊してやる!」

マリアは更に魔力を込めたが、ベルグールのほうが魔力量が多かった。

「所詮は人間。魔力も私達魔族に比べたら低いですね。」

そのままスペースプーロジョンは扉の中に飲み込まれ、扉はは閉じてしまった。

「マリア様、まだ戦えますか?」

「当たり前よ!まだここからわよ!」

マリアはそう言うが、先程の古代魔法でかなり魔力を消耗してしまった。

(赤髪の女は今のでかなり魔力を消費したはずだ。だが、あのメイドは底が読めない。こっちも魔力を消費しているから、油断はできないな。)

ベルグールが考えていると、ビクトリアは詠唱を始めた。

「ブレイスインクルス。」

ビクトリアの詠唱が終わると、無数の風の斬撃がベルグールに向かって放たれた。

「風の魔術か。しかもこれはエルフの魔術。まさかお前、エルフか?」

「あなたに答える義務はありません。」

ベルグールはビクトリアの魔術を丁寧に処理していき、無傷で二人の前に立った。

「今のは良い攻撃だが、私に攻撃するには遅い。」

ベルグールはマリアに距離を詰めたときよりも、更に速くビクトリアの前に現れた。

ベルグールの拳はビクトリアの目の前まで迫ったが、ビクトリアはそれを交わし、カウンターを入れた。

(今の攻撃を交わした!?確かに今のは全力を出したはずだ。なのに、カウンターまで...どうなっているんだ?)

ベルグールはすぐに次の攻撃体勢に入り、ビクトリアに連続で攻撃した。

ビクトリアはそれを防御したり交わしたりしていたが、段々とビクトリアが押され気味になった。

「この調子だと、ビクトリアたちは負けるな。」

「え!?そしたら、どうするの?」

「そうじゃな、アランが起きればよいのだが、何故じゃろう。いつになっても起きんな。」

(アランと戦った時もおかしかった...なにか他の制限がついているような。まさか!)

「ベルグール!貴様アランに呪をかけたな!」

「ええ。アリシア様に怪我をさせたくはなかったので。」

「アランに呪いをかけた?貴様!」

マリアの怒りは限界に達していた。

だが、マリアもビクトリアも傷を負い、血を流し、満身創痍であった。

「もうそこの魔法使いは二度と起きんぞ。魔力切れで倒れて、呪いで魔力は復活しない。残念だったな。」

「あらんが一生起きない?」

マリアはベルグールとの戦いと、アランの呪いのことを聞いて、絶望してしまった。

「マリア様!今はベルグールを倒すのが先です!」

「そ、そうわよね...」

ビクトリアはそう言うが戦況はかなり厳しかった。

「アラン様の呪いは私が解きます。だから、もう少しがんばってください。」

「何お喋りしてるんだ?」

二人が話している隙をつき、ベルグールは二人を吹き飛ばした。

「君たちは人間だ。魔族にかなうわけがなかろう。」

「マ、マリア様...ここは逃げてください。私が引き受けます。」

「で、でも、そしたら、ビクトリアが!」

その瞬間、アランが立ち上がった。

「良かった...マリア様、主役の登場ですよ。」

「君は僕の家族に手を出したね?」

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