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魔法使いの家出  作者: 羽良 凪都輝
第3章 護衛
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「王都」

「ここが王都か?かなり人が多いのう。」

「そうだね。ここは、ラファエル王国で一番栄えているからね。」

「私は、王宮に行かないといけないんだけど、アランたちはどうする?」

「僕は少し行きたいところがあるから、街を回ってるよ。」

「そう、わかったわ。じゃあ、後でここに来てね。」

レベッカはアランに地図を渡した。

「わかった。じゃあ、またね。」

そう言って、アランたち3人は街に出ていった。

「ビクトリア、フランシスさんのお店に行こうよ。」

「あ!忘れていました。そうですね、行きましょうか。」

「ん?どこに行くのだ?」

「知り合いの服屋だよ。アリシアも行くよ。」

「え!?妾は王都の食べ物を探すからだめじゃ。」

アリシアは王都の料理を食べたいらしい。

「だめだよ。まず、アリシアはお金を持ってないじゃん。それに、アリシアが一人になると、絶対にトラブルを起こすからだめ。」

「なんでじゃ!妾は食べたいんじゃ!」

「だめ!ほら、行くよ!」

アランは無理やりアリシアを連れて行った。

アランたちはフランシスの服屋についた。

「ここであってる?」

「はい。ここですね。でも、ドルディンクよりかなり豪華ですね。この感じだと、貴族御用達の服屋ですね。」

「とりあえず、入ろっか。」

アランたちが入店すると、中は貴族が多く、アランたちは半ば場違いのようだった。

「なんか、すごいお金持ちがいっぱいだね。」

「そうですね。とりあえず、店員に声をかけてみますか。」

そう言うと、ビクトリアは近くの店員に声をかけた。

「すみません、ここはフランシスさんのお店であっていますか?」

「え、ええ、そうですけど、今はいませんが、店主になにか御用ですか?」

「フランシスさんに王都に行った時は店に寄ってと言われたので。」

「もしかして、アラン様とビクトリア様ですか?」

「はい、もしかして、なにか届いてますか?」

「ええ、少々お待ちください。」

「アラン様、フランシスさんからなにか届いているようです。」

「そうなの?少し待とうか。」

アランたちが待っていると、店員は一つの服を持ってきた。

「ビクトリア様にメイド服をとのことなんですけど、お間違えないですか?」

「メイド服...ありがとうございます!」

珍しくビクトリアが喜んでいた。

「じゃあ、とりあえず、用事は済んだからレベッカの言われたところに行こうか。」

「そうですね。」

「何じゃ、もう終わったのか?」

「うん、帰りになにか食べ物でも食べようか。」

アランたちは店を出た後、街を歩いていた。

「この匂い、なにか美味しい料理の匂いがするぞ!」

「そうだね、この匂いは、カレーかな。」

「カレー?何じゃそれは?」

「ありましたね。少し待っていてください。私が買ってきます。」

そう言うと、ビクトリアはカレー屋にカレーを買いに行った。

「僕達は少し待ってようか。」

「そうじゃな。早くそのカレーというものを食べてみたいの。」

アランたちは近くのベンチに腰を掛けて待っていると、目の前がやけに騒がしくなってきた。

「すごい人だね。なにかイベントでもあるのかな。」

「まあ、それは後でもよいじゃろう。とりあえず、カレーじゃカレー。」

そう言っていると、ビクトリアが3人分のカレーを持ってきた。

「買ってきましたよ。今日はなにかイベントでもあるのでしょうか。後で行ってみますか?」

「そうだね。とりあえず、熱いうちにカレーを食べようか。」

アリシアがカレーを一口食べると、アリシアは叫んだ。

「何じゃこの料理は!妾が食べた中で一番うまいぞ!」

「じゃあ、今度ビクトリアにカレーを作ってもらおうか。」

「わかりました。次の料理はカレーにしましょう。」

アランたちは食べ終わると、人が集まっているところに行った。

「すみません、今日はなにかあるんですか?」

アランが集まっていた人に話しかけると、快く答えてくれた。

「今日は魔術師四天王がこの街に来ているんだ。ここは、王宮に続く道だから、四天王を一目見ようと人が集まっているんだ。」

「なるほど。だから、集まっているんですね。ちなみに四天王って誰ですか?」

「四天王を知らないのか?この国で一番強い魔術師の四人を四天王って言うんだ。まずは、崇高の魔術師様だ。崇高の魔術師様は四天王の中で一番の長老で、この国を長年支えてくれているんだ。次に英知の魔賢様だ。この方は現代の魔術の半分を作った人だ。この王国で魔術が発展したのは、英知の魔賢様のおかげと言っても過言じゃないぞ。後は、厄災の守護神様。あの方は、結界術に優れていて、特にこの王都などはあの方の防御結界で守られているんだ。噂によると、黒炎も防ぐらしいぞ。最後に、災禍の炎帝様だ。災禍の炎帝様は、史上最年少の四天王で、四天王の中でも最も若いんだ。しかも、四天王の中で一番強いらしいぞ。まだ20歳なのに、すごいよな!」

「そうですね...」

(女性、炎帝、20歳、まさか...)

「すみません、災禍の炎帝の本名はわかりますか?」

「もちろんだ。この国で最も有名な人の一人だぞ。ウォード家次期当主、マリア・フォン・ウォード様だ。俺はあの方を一度見たことがあるが、すんげぇかわいいんだぞ!しかも、あのクールな感じが良いんだよな。て、あれ?おーい!どこ行ったんだ?」

街の人が話している間に、アランたちはその場からすでに離れていた。

「まずい、まずい!早くここから離れないと!」

「そうですね。しかし、レベッカ様に言われた集合地点はあちらですけど、どうしますか?」

ビクトリアが指していたのは、ちょうど四天王が通る道の反対側であった。

「どうしよう...」

「なら、空を飛べば良いじゃないか。」

「あ!その手があったか!ビクトリア、幻影術は使えるよね?」

「はい、もちろんです。では、早速行きますか?」

「うん。アリシアも空は飛べるでしょう?」

「もちろんじゃ!妾を誰だと思っておる!」

「そっか、これでも魔王だもんね。」

「これでもとは余計じゃな。ほら、無駄口叩いてないで、さっさと行くぞ。」

アランたちはビクトリアの幻影術を使い、レベッカに言われた集合地点についた。

「ここは、屋敷?」

「ええ、そうよ。ターナー家の王都にある屋敷よ。」

レベッカがアランにいきなり声をかけたので、アランは驚いて魔術を発動しそうになった。

「やめて!私は敵じゃないから!」

「あ!ごめんごめん、反射的に魔術を発動させようとしちゃった...大丈夫?」

アランが涙目で聞くと、レベッカはすぐに許してくれた。

「アラン、泣かないで!私が驚かせたのが悪いから、だから、泣かないで!」

「本当?じゃあ、許してくれる?」

「ええ、もちろんよ!」

「ありがとう!」

「チョロいな。」

「ええ、アラン様の涙目は信用してはいけませんからね。」

「今日はここに泊まって良いの?」

「ええ!もちろんよ!とりあえず入って!」

アランたちが屋敷の中に入ると、中はドルディンクの屋敷より豪華であった。

「すごい!装飾がすごくきれい!」

「ここは、お父様が仕事で王都に滞在されるときに使われる屋敷よ。お父様の客人も来るから、豪華な装飾がされているの。」

「そうなんだ。確かに、ターナー商会長の屋敷が豪華じゃなかったら、商会のイメージに関わるからね。」

「よくわかってるじゃない!アランも商会の仕事やってみる?」

「え!?それは遠慮しとくよ。それより、レベッカは商会の仕事をやってるの?」

「当たり前よ!私は次期商会長よ!今は、お父様の仕事を手伝っているの。それでね、私は次期商会長ともあった、いつ誰に狙われているかわからないの。だから、アラン達に専属の護衛になって欲しいの。」

だか、アランはあっさり断った。

「それは出来ない。僕には夢があるし、他にも仕事があるからね。」

「仕事?アランは何か仕事をしているの?」

「たまにだけど、ギルドから依頼が来るからそれを受けないといけないんだよ。」

「わかったわ...なら、次の取引まで護衛してもらいたいの。場所は北部よ。あそこは今魔王軍との抗争が絶えないから、かなり危険なの。」

アランは少し考えていた。

(うーん、この国を周りたいのには、レベッカの護衛はうってつけなんだけど、いず国外に行くしな...どうしよう...)

アランが考えていると、ビクトリアが話し始めた。

「アラン様、先程ギルド長から伝令がありました。また北部で魔王軍の撃退依頼です。この護衛を受ければ、宿も手配してもらえます。この護衛は受けた方が得です。」

「ビクトリアがそう言うなら、受けるよ。」

「本当!?ありがとう!」

「でも、一つ条件がある。出発は今夜にしたい。」

アランの条件はかなり厳しいものだった。

「出発を今夜に...それはお父様と相談しないとわからないわね。出来たとしても、あっちに滞在する時間が長くなるけど、大丈夫?」

「それは大丈夫。なるべく早く行けるようにして欲しい。」

「わかったわ。少し待っていて。今夜出れるか聞いてくるから。」

「わかった。」

アランたちは部屋でギルドの依頼について話していた。

「それで北部の状況は?」

「今回はこちらが4万、魔王軍は3万です。数では上回っていますが、質では劣ります。さらに、北部では食料の供給が魔王軍によって断たれているようで、かなり厳しい状況かと。」

「なるほど。確かにそれは依頼が来る内容だね。じゃあ、犠牲を減らすためにもなるべく早く行かないとね。アリシアも来る?」

「魔王軍撃退か。良いぞ。妾がいない魔王軍がどこまでか見てみたい。」

「一つ聞きたいんだけどさ、アリシアは僕たち魔族を殺してもなんとも思わないの?」

「思わないな。そもそも、妾は強い者と戦いたいから魔王になっただけじゃからな。」

「そうなの!?それじゃあ、アリシアは人間を滅ぼそうとかは?」

「そんなのどうでも良いわい。妾の家臣がそうしたいだけで、妾はそんなことどうでも良いのじゃ。」

「そうだったんだ...」

アランたちが話していると、レベッカが部屋に入ってきた。

「お父様から許可が降りたわ。でも、その代わりに、ギルド長が同行するって言ってたわ。それは大丈夫よね。」

「ギルド長ですか。アラン様は会ったことがありませんね。良い機会ですので、挨拶をしておきましょう。」

「そうだね。」

「ビクトリアってギルド長と知り合いなの?」

「ギルド長とは色々ありまして...」

「そうなのね。じゃあ、急いで支度をしてくれる?もうすぐ馬車が来るから。」

「支度はできております。私たちは屋敷の前で待っていますね。」

「そうしてくれると助かるわ。」

アランたちが屋敷の外で待っていると、迎えの場所が来た。

「さあ、行くわよ。急いでるんでしょ?」

「うん。ありがとう。」

アランたちが馬車に乗り込むと、そこには筋肉質な男がいた。

「君がアランか。」

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