「王都」
「ここが王都か?かなり人が多いのう。」
「そうだね。ここは、ラファエル王国で一番栄えているからね。」
「私は、王宮に行かないといけないんだけど、アランたちはどうする?」
「僕は少し行きたいところがあるから、街を回ってるよ。」
「そう、わかったわ。じゃあ、後でここに来てね。」
レベッカはアランに地図を渡した。
「わかった。じゃあ、またね。」
そう言って、アランたち3人は街に出ていった。
「ビクトリア、フランシスさんのお店に行こうよ。」
「あ!忘れていました。そうですね、行きましょうか。」
「ん?どこに行くのだ?」
「知り合いの服屋だよ。アリシアも行くよ。」
「え!?妾は王都の食べ物を探すからだめじゃ。」
アリシアは王都の料理を食べたいらしい。
「だめだよ。まず、アリシアはお金を持ってないじゃん。それに、アリシアが一人になると、絶対にトラブルを起こすからだめ。」
「なんでじゃ!妾は食べたいんじゃ!」
「だめ!ほら、行くよ!」
アランは無理やりアリシアを連れて行った。
アランたちはフランシスの服屋についた。
「ここであってる?」
「はい。ここですね。でも、ドルディンクよりかなり豪華ですね。この感じだと、貴族御用達の服屋ですね。」
「とりあえず、入ろっか。」
アランたちが入店すると、中は貴族が多く、アランたちは半ば場違いのようだった。
「なんか、すごいお金持ちがいっぱいだね。」
「そうですね。とりあえず、店員に声をかけてみますか。」
そう言うと、ビクトリアは近くの店員に声をかけた。
「すみません、ここはフランシスさんのお店であっていますか?」
「え、ええ、そうですけど、今はいませんが、店主になにか御用ですか?」
「フランシスさんに王都に行った時は店に寄ってと言われたので。」
「もしかして、アラン様とビクトリア様ですか?」
「はい、もしかして、なにか届いてますか?」
「ええ、少々お待ちください。」
「アラン様、フランシスさんからなにか届いているようです。」
「そうなの?少し待とうか。」
アランたちが待っていると、店員は一つの服を持ってきた。
「ビクトリア様にメイド服をとのことなんですけど、お間違えないですか?」
「メイド服...ありがとうございます!」
珍しくビクトリアが喜んでいた。
「じゃあ、とりあえず、用事は済んだからレベッカの言われたところに行こうか。」
「そうですね。」
「何じゃ、もう終わったのか?」
「うん、帰りになにか食べ物でも食べようか。」
アランたちは店を出た後、街を歩いていた。
「この匂い、なにか美味しい料理の匂いがするぞ!」
「そうだね、この匂いは、カレーかな。」
「カレー?何じゃそれは?」
「ありましたね。少し待っていてください。私が買ってきます。」
そう言うと、ビクトリアはカレー屋にカレーを買いに行った。
「僕達は少し待ってようか。」
「そうじゃな。早くそのカレーというものを食べてみたいの。」
アランたちは近くのベンチに腰を掛けて待っていると、目の前がやけに騒がしくなってきた。
「すごい人だね。なにかイベントでもあるのかな。」
「まあ、それは後でもよいじゃろう。とりあえず、カレーじゃカレー。」
そう言っていると、ビクトリアが3人分のカレーを持ってきた。
「買ってきましたよ。今日はなにかイベントでもあるのでしょうか。後で行ってみますか?」
「そうだね。とりあえず、熱いうちにカレーを食べようか。」
アリシアがカレーを一口食べると、アリシアは叫んだ。
「何じゃこの料理は!妾が食べた中で一番うまいぞ!」
「じゃあ、今度ビクトリアにカレーを作ってもらおうか。」
「わかりました。次の料理はカレーにしましょう。」
アランたちは食べ終わると、人が集まっているところに行った。
「すみません、今日はなにかあるんですか?」
アランが集まっていた人に話しかけると、快く答えてくれた。
「今日は魔術師四天王がこの街に来ているんだ。ここは、王宮に続く道だから、四天王を一目見ようと人が集まっているんだ。」
「なるほど。だから、集まっているんですね。ちなみに四天王って誰ですか?」
「四天王を知らないのか?この国で一番強い魔術師の四人を四天王って言うんだ。まずは、崇高の魔術師様だ。崇高の魔術師様は四天王の中で一番の長老で、この国を長年支えてくれているんだ。次に英知の魔賢様だ。この方は現代の魔術の半分を作った人だ。この王国で魔術が発展したのは、英知の魔賢様のおかげと言っても過言じゃないぞ。後は、厄災の守護神様。あの方は、結界術に優れていて、特にこの王都などはあの方の防御結界で守られているんだ。噂によると、黒炎も防ぐらしいぞ。最後に、災禍の炎帝様だ。災禍の炎帝様は、史上最年少の四天王で、四天王の中でも最も若いんだ。しかも、四天王の中で一番強いらしいぞ。まだ20歳なのに、すごいよな!」
「そうですね...」
(女性、炎帝、20歳、まさか...)
「すみません、災禍の炎帝の本名はわかりますか?」
「もちろんだ。この国で最も有名な人の一人だぞ。ウォード家次期当主、マリア・フォン・ウォード様だ。俺はあの方を一度見たことがあるが、すんげぇかわいいんだぞ!しかも、あのクールな感じが良いんだよな。て、あれ?おーい!どこ行ったんだ?」
街の人が話している間に、アランたちはその場からすでに離れていた。
「まずい、まずい!早くここから離れないと!」
「そうですね。しかし、レベッカ様に言われた集合地点はあちらですけど、どうしますか?」
ビクトリアが指していたのは、ちょうど四天王が通る道の反対側であった。
「どうしよう...」
「なら、空を飛べば良いじゃないか。」
「あ!その手があったか!ビクトリア、幻影術は使えるよね?」
「はい、もちろんです。では、早速行きますか?」
「うん。アリシアも空は飛べるでしょう?」
「もちろんじゃ!妾を誰だと思っておる!」
「そっか、これでも魔王だもんね。」
「これでもとは余計じゃな。ほら、無駄口叩いてないで、さっさと行くぞ。」
アランたちはビクトリアの幻影術を使い、レベッカに言われた集合地点についた。
「ここは、屋敷?」
「ええ、そうよ。ターナー家の王都にある屋敷よ。」
レベッカがアランにいきなり声をかけたので、アランは驚いて魔術を発動しそうになった。
「やめて!私は敵じゃないから!」
「あ!ごめんごめん、反射的に魔術を発動させようとしちゃった...大丈夫?」
アランが涙目で聞くと、レベッカはすぐに許してくれた。
「アラン、泣かないで!私が驚かせたのが悪いから、だから、泣かないで!」
「本当?じゃあ、許してくれる?」
「ええ、もちろんよ!」
「ありがとう!」
「チョロいな。」
「ええ、アラン様の涙目は信用してはいけませんからね。」
「今日はここに泊まって良いの?」
「ええ!もちろんよ!とりあえず入って!」
アランたちが屋敷の中に入ると、中はドルディンクの屋敷より豪華であった。
「すごい!装飾がすごくきれい!」
「ここは、お父様が仕事で王都に滞在されるときに使われる屋敷よ。お父様の客人も来るから、豪華な装飾がされているの。」
「そうなんだ。確かに、ターナー商会長の屋敷が豪華じゃなかったら、商会のイメージに関わるからね。」
「よくわかってるじゃない!アランも商会の仕事やってみる?」
「え!?それは遠慮しとくよ。それより、レベッカは商会の仕事をやってるの?」
「当たり前よ!私は次期商会長よ!今は、お父様の仕事を手伝っているの。それでね、私は次期商会長ともあった、いつ誰に狙われているかわからないの。だから、アラン達に専属の護衛になって欲しいの。」
だか、アランはあっさり断った。
「それは出来ない。僕には夢があるし、他にも仕事があるからね。」
「仕事?アランは何か仕事をしているの?」
「たまにだけど、ギルドから依頼が来るからそれを受けないといけないんだよ。」
「わかったわ...なら、次の取引まで護衛してもらいたいの。場所は北部よ。あそこは今魔王軍との抗争が絶えないから、かなり危険なの。」
アランは少し考えていた。
(うーん、この国を周りたいのには、レベッカの護衛はうってつけなんだけど、いず国外に行くしな...どうしよう...)
アランが考えていると、ビクトリアが話し始めた。
「アラン様、先程ギルド長から伝令がありました。また北部で魔王軍の撃退依頼です。この護衛を受ければ、宿も手配してもらえます。この護衛は受けた方が得です。」
「ビクトリアがそう言うなら、受けるよ。」
「本当!?ありがとう!」
「でも、一つ条件がある。出発は今夜にしたい。」
アランの条件はかなり厳しいものだった。
「出発を今夜に...それはお父様と相談しないとわからないわね。出来たとしても、あっちに滞在する時間が長くなるけど、大丈夫?」
「それは大丈夫。なるべく早く行けるようにして欲しい。」
「わかったわ。少し待っていて。今夜出れるか聞いてくるから。」
「わかった。」
アランたちは部屋でギルドの依頼について話していた。
「それで北部の状況は?」
「今回はこちらが4万、魔王軍は3万です。数では上回っていますが、質では劣ります。さらに、北部では食料の供給が魔王軍によって断たれているようで、かなり厳しい状況かと。」
「なるほど。確かにそれは依頼が来る内容だね。じゃあ、犠牲を減らすためにもなるべく早く行かないとね。アリシアも来る?」
「魔王軍撃退か。良いぞ。妾がいない魔王軍がどこまでか見てみたい。」
「一つ聞きたいんだけどさ、アリシアは僕たち魔族を殺してもなんとも思わないの?」
「思わないな。そもそも、妾は強い者と戦いたいから魔王になっただけじゃからな。」
「そうなの!?それじゃあ、アリシアは人間を滅ぼそうとかは?」
「そんなのどうでも良いわい。妾の家臣がそうしたいだけで、妾はそんなことどうでも良いのじゃ。」
「そうだったんだ...」
アランたちが話していると、レベッカが部屋に入ってきた。
「お父様から許可が降りたわ。でも、その代わりに、ギルド長が同行するって言ってたわ。それは大丈夫よね。」
「ギルド長ですか。アラン様は会ったことがありませんね。良い機会ですので、挨拶をしておきましょう。」
「そうだね。」
「ビクトリアってギルド長と知り合いなの?」
「ギルド長とは色々ありまして...」
「そうなのね。じゃあ、急いで支度をしてくれる?もうすぐ馬車が来るから。」
「支度はできております。私たちは屋敷の前で待っていますね。」
「そうしてくれると助かるわ。」
アランたちが屋敷の外で待っていると、迎えの場所が来た。
「さあ、行くわよ。急いでるんでしょ?」
「うん。ありがとう。」
アランたちが馬車に乗り込むと、そこには筋肉質な男がいた。
「君がアランか。」




