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魔法使いの家出  作者: 羽良 凪都輝
第3章 護衛
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「護衛」

そう言ってアランに斬りかかってきたが、アリシアがケバブを加えながら、マーティンを殴り飛ばした。

「妾の友人を手を挙げるとは、良い度胸じゃ。良いぞ、かかってくるが良い。」

アリシアが構えると、マーティンは激怒した。

「子供の分際で!大人の強さを思い知らせてやる!」

そう言いながら、マーティンはアリシアに斬りかかったが、それより速くマーティンにけりを入れた。

「手加減したはずなんだがな。まあ良いか。」

マーティンは気絶していた。

「アリシア、とりあえず逃げるよ。」

マーティンはアリシアを連れて逃げていった。

「なぜ逃げるのじゃ?」

「当たり前でしょ!人を殴ったら罪になるの!」

「そうなのか?でも、さっきアランも殴っていたではないか。」

「それは正当防衛だからだよ!とりあえず、屋敷に戻るよ!」

アランたちは急いで屋敷に戻ってきた。

「アラン様、街に出ていたのではないのですか?」

「ちょっと、あの勇者とかいうやつに絡まれちゃって、逃げてきたんだ。」

「そうですか。では、今からお茶を入れるので少し待っていてください。」

そう言ってビクトリアは去っていった。

「あら、アラン、どうしたの?」

「あ、レベッカさん。さっきの勇者についてお聞きしたいことがあるのですが。」

「敬語じゃなくていいわ。とりあえず、座って。」

「わかった。」

アランはソファに腰を下ろした。

「まず、この国には魔術師四天王と同じように、剣士にも階級があるわ。その最上位が勇者よ。それはわかっているわよね。」

「うーん、そんなのあったっけ。魔術師四天王は知ってるけど、勇者はわからないね。」

「確かに、勇者は最近できたから、知らないかもしれないわね。勇者はこの国に7人いて、さっきのマーティンもそうわよ。」

「そうなの?あんな弱そうに見えたのに?」

「え、ええ、たしかに素行は悪いけど、腕は立つらしいわ。」

「それで、なんでレベッカはその勇者に追われていたの?」

「それは、あの勇者が私にずっと結婚しろって迫ってくるのよ。そもそも、私あいつのこと嫌いなのに。」

レベッカからは怒りのオーラが溢れ出ていた。

「そ、そうなんだ。それは、災難だったね。」

「ええ、まあ、これでやっとあいつから解放されるけどね!」

「どういうこと?」

「あいつは私に斬りかかった。てことは、殺人罪になるわよね。しかも公爵令嬢に。」

「ん?今、公爵って言った?」

「ええ、それがどうしたの?」

「い、いや、なんでもないよ。」

(どうしよう、公爵家の護衛だったら、もしかしたらお姉ちゃんに会うかもしれない。それだけはどうにか避けないと。)

「それより、私はあなたのことが知りたいわ。あなたは今までどんなことをしてきたの?あの勇者を簡単に倒せるなんて、普通じゃないわ。」

「えっと、それは...」

そこにタイミングよくビクトリアが現れた。

「お茶が入りました。どうぞ、召し上がってください。」

ビクトリアはアランにウィンクをした。

(ナイス、ビクトリア!助かった!)

「アラン様、少しお時間よろしいですか?」

「ちょっと待っててね。少しビクトリアと話してくるから。」

そう言って、アランは部屋を後にした。

(あのメイド、手強いわね。アランのことを知るにはもう少し頑張らないといけないかもしれないわね。)

そこに屋敷のメイドがやってきた。

「お嬢様、なにかお困りですか?」

「エレン!ちょうど良いところに来たわね。少し手伝ってほしいことがあるの。」

そう言って、レベッカが耳打ちすると、エレンは笑顔になっていた。

「お嬢様がついに!わかりました、精一杯お助けします!」

「ええ、頼むわよ。私の人生がかかっているのだから。」

 * * *

レベッカがエレンと話している間、アランはビクトリアと話していた。

「僕の過去をどうやって誤魔化そうか。」

「そうですね、アラン様の秘密がバレてしまえば、大変ですからね。そしたら、私が今夜シナリオを考えるので、それまで耐えていてください。」

「わかった、頼むよ。」

アランたちが話していると、そこに一人のメイドが来た。

「皆様、少しお時間をよろしいですか?」

「なんですか?」

「今夜は私達が精一杯料理を振る舞いますので、アラン様たちにはそれまでレベッカ様のお相手をしてほしいのです。レベッカ様は一人娘なため、話し相手があまりいないのです。」

「そうですか、わかりました。ビクトリア、とりあえず行こうか。」

「はい、わかりました。」

アランとビクトリアは部屋に戻っていった。

その夜。

「申し遅れて済まない。私の名はヘンリー・フォン・ターナーだ。ターナー商会の商会長をしている。」

「私は、セシリア・フォン・ターナーよ。娘を救っていただき、ありがとうございます。今日は、たくさんの料理があるので楽しんでいってください。」

「ターナー商会ですか。確かに、この料理はどれも一級品の品ですね。」

「さすが、お目が高いですね。今日は王国の至るところから仕入れた食材を使っています。どうぞ、楽しんでいってください。」

「では、いただきます。」

そうして、アランは食事をし始めた。

「すごい!美味しい!」

「本当ですね。これはレシピが知りたいですね。」

「この妾が驚くとは久しぶりじゃな。」

三人は豪華な食事を楽しんでいた。

「どう?美味しいでしょ。」

「うん、美味しい!」

アランが笑顔で言うと、レベッカは少し顔を赤くした。

「そ、それは良かったわ...」

「あらあら、レベッカどうしたの?」

セシリアは察するように話しかけた。

「お母様!」

「どうしたの?」

「なんでもない!」

「アラン君はこれまで何をしていたんだい?メイドもついているということはどこかの貴族の子かい?」

ヘンリーがアランに聞くと、アランは黙り込んだ。

「それは、私が説明しましょう。アラン様は貴族の生まれではありません。私が養子として育ていました。」

「なるほど。色々と複雑なんですね。深堀り早めておきましょう。」

「お気遣い、ありがとうございます。」

「明日は早いので、気をつけてください。」

「わかりました。」

アランたちは夕食を食べ終えた後は自分の部屋で明日の支度をしていた。

「基本的に服とかはビクトリアがやってくれるから、僕が用意するものはないね。僕は朝が弱いから早く寝とくか。」

そう言って、アランがベッドに入ると、そこにはレベッカがいた。

「ん?」

「早く!入ってよ!寒いじゃん!」

「なんでここにいるの!?ここ僕の部屋だよね?待って、部屋を間違えた?」

「ここはアランの部屋よ。私がいて悪い?」

「うん、めっちゃわるい。」

「別にいいじゃない。」

「だめだよ、ここは僕の部屋だから出ていってくれる?」

アランが無理やりレベッカを部屋から出そうとすると、レベッカはまだ残ろうとした。

「ちょ、ちょっと待ってよ、もう少しお話しようよ。」

「確かに、僕はこの国の常識についてかけているところがあるから教えてくれる?」

「そうわね、いいわよ。まず、この国の階級についてにはわかるわよね。」

「うん。庶民、貴族、王族があるよね。他には魔術師だと、初級魔術師、中級魔術師、上級魔術師、宮廷魔術師、魔術師四天王、があるよね。」

「ええ、そうよ。ほかには、剣士の中には、初級剣士、中級剣士、上級剣士、勇者、冒険者にはDからSまであるわよ。私もギルドカードを持っているのよ。ランクはBよ。」

「B!?意外と強いんだね。」

「何よ、意外って。これでも私は魔術も使えるし、武術も使えるのよ。アランはギルドカードを持っているの?」

「うん、持ってるよ。ランクは忘れちゃった。ちょっと待ってて。」

アランが鞄の中を探していると、アランはギルドカードを見つけた。

「あった!Sランクって書いてあるよ。」

「え!?それ、本当に?」

レベッカが見ると、そこにはSの文字が書いてあった。

「嘘でしょ...まあ、勇者を簡単に倒すあたり、そうわよね。でも、Sランクなら少しは名が通ってるはずなんだけど、アランって名前は聞いたことないわよ?」

「確か、ギルドカードを作るときにSランクになったような気がする。」

「え!?それはできないはずだけど...」

「特例でSランクにしてもらったんだけど、別にギルドで依頼は受けないからあんまいらないんだよね。」

「アランって冒険者じゃないの?」

「え?違うよ。僕は旅をしたいだけだし、お金なら別に困らないから。」

「旅ねぇ、どうして旅をしたいの?」

「世界を見てみたいんだ。」

「そうなんだ。そろそろ、時間だから行くね。」

「うん、バイバイ!」

アランはレベッカを見送った後、すぐに寝た。

次の日。

「アラン様、朝ですよ。」

「うーん?もう少しだけ...」

アランは二度寝をしようとした。だが、ビクトリアは布団を無理やり剥ぎ取った。

「もう出発の10分前ですよ。急いでください。」

「ん?10分前!?やばい!寝坊した!」

「着替えはおいてありますので、終わったらすぐに外に来てください。もう馬車が待っています。」

「うん。」

アランは着替えると、走って外に出た。

「わぁ、すごい寝癖、どうしたの、アラン。」

「ちょっと寝坊しちゃって...」

アランはビクトリアに寝癖を直してもらいながら走ってきた。

「とりあえず、もう出るから、馬車に乗って。」

「わかった。」

アランたちは、馬車に乗って王都に向かった。

「アラン様、とりあえず朝食を食べてください。」

アランはビクトリアに朝食を食べさせてもらっていた。

「ビクトリア、私がやるわ。」

レベッカが無理やり朝食を奪い取ると、アランの餌やりを始めた。

「すごい!朝食がどんどんなくなっていく!」

「私の仕事が...」

そんな事を言っていると、やっとアランの目が覚めてきた。

「あれ、ここは馬車?そうだ、寝坊したんだ!」

そう言ってレベッカから朝食をもらうと、外を見た。

「なんか、この馬車速いね。」

「ええ、もちろんよ。商会長は忙しいから、馬車も一級品のものを使っているのよ。」

すると、馬車が速度を落とし、止まった。

「止まった?ビクトリア、外に出よう。もしかしたら敵かもしれないし。」

「わかりました。アリシア様はレベッカ様をお守りしてください。」

「良いぞ。妾が守ってやる。」

アランとビクトリアが外に出ると、そこには勇者マーティンとウォーズメンがいた。

「本当にいたじゃねぇか。勇者というだけはあるな。」

「当たり前だ。あのクソ野郎のせいで俺は牢獄行きだ。もう何をしても変わらないんだったら、あいつを殺してから牢獄に行く。」

「まじか、執念深いな。ビクトリア、少し離れてて。」

「大丈夫ですか?あいつら、死にません?」

「大丈夫、手加減はするから。」

「おいクソ野郎!俺と勝負だ!」

「良いよ。じゃあ、始めるよ。」

すると、空に巨大な魔術式が現れた。

「サージスプレンダー!」

アランが詠唱すると、勇者たちに向かって、光線が放たれた。

「古代魔法!?やばい、みんな避けろ!」

勇者は皆に向かって叫んだが、すでに光線は目の前に迫っていた。

勇者達はサージスプレンダーの餌食になった。

「外でなにか起きてるんですか!?私も、助けに...」

「やめといたほうが良いぞ。いま外に出たら、アランに殺されるぞ。」

「え?どういうこと?」

「今外は古代魔法が発動しているから、危ないんじゃ。」

「古代魔法!?そんなの誰が...」

「アランじゃ。もうすぐ終わるから、待っておれ。」

アランは勇者たちを片付け、馬車に戻ってきた。

「もう大丈夫ですよ。では、行きましょうか。」

「アランって古代魔法が使えるの?いや、そんなわけないわよね、アリシアの冗談よね...」

「使えるけど。」

「え!?本当に使えるの!?アランって本当に何者?」

「まあ、それはいつか話すよ。とりあえず、王都に行こう。」

アランたちは護衛任務を完璧にこなし、王都に着いた。

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