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魔法使いの家出  作者: 羽良 凪都輝
第2章 修行
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「晴れときどき隕石」

「そうですね。今日は晴れときどき隕石です。」

するとアランが詠唱を始めた。

「彗星の雨。」

その瞬間、夜空が青く光りだした。

「騎士団長よ、今日は流星群でも来るのかい?」

「いえ、そんな予報はありませんでした。」

すると、隕石は勢いよく魔王軍に降ってきた。

「これは面白いですね、やはり私の目は違いなかったようです。だが、ここまでとは思いませんでした。」

「こんな魔術は見たことがない!何だこの威力は!」

「私は夢でも見ているのか?」

魔王軍は隕石が降ってきて大混乱していた。

「な、何だ!?隕石が降ってきたぞ!やばい、みんな逃げろ!」

だが、時すでに遅く、魔王軍は数十秒間、隕石の雨に降り注ぎ、魔王軍は壊滅した。

「私はなにか夢を見ているのですか?私は十年ほど、騎士団をやっているのに、こんなのは見たことがありません。」

「私もそうです。冒険者を長年やってきたがこんなことは一度も。」

「私達は同じことを考えているだろう。あれは化け物です。この国を滅ぼせるほどの。」

「皆さん、このことは黙っといてください。私達は冒険者ギルドの特殊部隊、パーゲイティオです。」

「パーゲイティオ!?わかりました、私はこのことは話しません。」

「パーゲイティオですか。わかりました。良いでしょう。」

「なんですか、パーゲイティオとは。」

騎士団長だけはわかっていないようであった。

「パーゲイティオは国家機密なので私達四天王と王族、そして一部の冒険者しか知り得ません。」

「そんな部隊があるなんて...」

「でも、ここまで強いとは思わなかった。あの攻撃で魔王軍は壊滅、私達の勝利ですね。」

彗星の雨で、魔王軍は壊滅していた。

「アラン様、私達はこれで依頼は終了です。では、行きましょう。」

そう言うと、ビクトリアはアランに抱きついた。

「じゃあ、行こうか。」

そう言って、アランたちは飛び去っていった。

(彗星の魔法使いか、面白い。あれは私が会ってきた中で一番強いだろう。いつか、戦って見たいものだ。)

 * * *

1年後。

「よしアラン、これで神術の習得は終わりだ。よく頑張ったな。」

「はい。修行を頑張りましから。」

アランはついに神術を全て習得した。

「そうですね。ディンスターさん、もしかして神術を作ることはできますか?」

「神術を作るか。面白いな。お前でも作れるぞ。」

「え!?そうなんですか?」

「ああ。お前は神術も使いこなしている。だから、できるだろう」

「そうなんですか、神術はどうやって作るんですか?」

「そうだな。破壊神だから、破壊のために使うならばだいたい作れる。」

「なんか大雑把ですね。」

ディンスターの教え方は大雑把であった。

「破壊するですか、わかりました。やってみます。」

2時間後。

「ディンスターさん、できましたよ!」

「そうか、じゃあ、俺にぶつけてみろ。」

「わかりました!」

すると、アランは両手でなにか握りつぶすようなふうにした。

「空間破滅。」

すると、ディンスターがどんどん押しつぶされている。

「まさか、空間ごと破壊するのか。面白いな。これでは対応方法が一つしかない。」

するとディンスターは詠唱し始めた。

「空間破滅。」

するとディンスターを押していた空間がなくなった。

「まさか、空間破滅を使って防いだんですか!?」

「もちろんだ。目には目を歯には歯をだ。」

「そうですか...僕が二時間かけた術式をこんな簡単に...」

アランは膝から崩れ落ちていた。

「まあ、われは神だからな。」

「そっすか。」

「そろそろ、朝だぞ。じゃあな。」

「はい。」

アランが修行を終えると、朝になっていた。

「おはようございます、アラン様。」

「ん?」

ベッドの中にはビクトリアがいた。

「おはようございます。アラン様、朝ですよ。」

「うん、知ってるよ。そこじゃなくてなぜここにビクトリアがいるのか聞いてるんだけど。」

「もうそろそろ、計画を始めてもよいかと思いまして。」

「計画?」

「いえ、何でもありません。アラン様が寒そうにしていたので。」

「まじか。今度からはおふとんをかけてね。とりあえず、どいてくれるかな。」

「嫌です。」

「どいてくれるかな。」

アランが次は怒りを出すと、ビクトリアはどいた。

「朝ごはんの用意ができています。」

朝ごはんを食べていると、ビクトリアが話しかけてきた。

「おいガキ、今日は魔術の作り方をやるぞ。」

「魔術の作り方ですか?確かに、改良はしてきましたけど、作ったことはないですね。」

「ああ。朝ごはんを食べ終わったら部屋に来い。」

「わかりました。」

アランはご飯を食べ終わった後、ラファエルのもとに来た。

「じゃあ始めるぞ。まず、魔術は魔術式を使っているだろう。」

「はい、そうですね。」

「つまり、魔術式を作れば良いんだ。」

「そうですね。」

「じゃあ、頑張れ。」

「ちょっと待ってください。それはひどすぎません?」

「なんだ?他に足りない情報があったか?」

「あります!大ありです!魔術式はわかりますが、その魔術式を”どうやって”作るんですか?」

「どうやってって、魔術式を作るんだよ。魔術式はわかるだろう?」

「はい、それはそうですけど。魔術式を作るんですよね。僕は既存の魔術式しか知りません。」

「そうか。忘れてたわ。魔術式にはだいたいパターンがある。それを使いながらやるんだ。」

魔術式にはパターンがある。

球を飛ばす魔術式や壁を作る魔術式には同じ魔術式を使っている。

「わかりました。頑張ってみます。」

「簡単に作れるのは雷属性だろう。まあ頑張れ。」

それから2ヶ月が経った。

「師匠!できましたよ!」

「そうか。じゃあ、外でやるぞ。」

アランたちは外に出てきた。

「じゃあ、放ってみろ。」

「はい、いきます。」

すると、アランの背中から8つの黒く青い炎の球が作られた。

「核心の貫き。」

黒く青い炎の球が、長く光線のように放ち、ラファエルの横を通り過ぎた。

「まじか!てか、これ魔術じゃないだろう。」

「うっ、それは、その...」

「お前、魔術と神術を融合しただろ。」

「げっ...」

アランは神術を学んできたから考えていた。

魔術と神術を混ぜることを。

「まあそれも良いことだ。で、これは神術よりだな。魔術はこの黒炎に雷属性を付与したことだろう。」

「はい、そうですね。黒炎は防御結界も破ります。ですが、黒炎は僕達が使っている魔術よりは少し遅いです。そこで雷属性を付与して、速さを増やしました。あとは、神術を使いました。」

「これは威力を上げることはできるか?」

「はい、できますよ。威力を上げることはできますし、この術式を増やすこともできますよ。」

「ん?つまり、その8つが限界じゃなくてもっと増やせるのか?」

「はい。大体、500個ぐらいなら。」

「ん?500個?それはどういうことだ?」

「えっと、実は、その、色々ありまして、できるようになりました。」

「そうか、じゃあ、少し話を聞こうか。」

ラファエルからは怒りのオーラが感じられた。

「うっ、はい...」

アランはラファエルに尋問されていた。ビクトリアもそこにいた。

「で、なんでそんなに術式がこんなに使えるようになったんだ?」

「えっと、実は、分身の魔術を使いまして、僕の脳を複製させて術式を発動させています。

「お前!まさか、禁忌魔術を使ったのか!」

ラファエルは激怒していた。

「えっと、それは前からでは?」

「まず、なぜ分身術が禁忌かわかるか?」

「はい、わかります。分身を作る過程で、たまに自分と少し違う者ができてしまいます。その分身が術者に反逆するからですよね。」

「そうだ。なのに、なぜ使った!」

「それは、精神があるから反逆するんですよね。だから、僕は破壊神の力を使って、精神を破壊して、その脳だけを僕の体の一部にしたんです。」

「ん?」

「ん?」

ラファエルとビクトリアの思考は停止した。

「つまりですね、僕の体にはいま、百人ぐらいの分身が入っていて、その分魔術が使えるようになりました。」

「つまり、魔力も百人分?」

「それもやりたかったのですが、途中で失敗しまして、だいたいその半分ぐらいです。」

「十万かける五十は...五百万!?」

ビクトリアは気絶寸前だった。

「お前、キモいな。」

「ひどい!あ、でも、魔力を五百万と言いましたが、それは体が崩壊する恐れがあるので、普段はそんなに持っていません。いざとなったら使いますがね。」

「なるほど。つまりはいつもと変わらずってことか。」

「はい、そうなりますね。」

「わかった。分身の反逆がないのであれば使って良い」

「ありがとうございます!」

それから一年が経ったある日、クラークが来た。

「まったく、私の人生の半分は君のおもりだぞ。」「すまんな。」

「どうして、クラークさんがいるんですか?」

アランは不思議に思った。

「あと一年で俺はいなくなるだろう。だから、この屋敷を守るためにクラークが来てくれるんだ。」

「そうだったんですね。僕が旅に出ても大丈夫ですね。」

「そうだね。まあ、いつでも帰ってきて良いけどね。」

それから、一ヶ月に一回はクラークが来るようになった。

それから、また月日が経ち、ラファエルの余命は残り2日に迫っていた。

「師匠、後2日で死ぬのにピンピンしてますね。」

「当たり前だ。それより、今日は色々やることがあるぞ。」

「そうなんですか?」

「今日は弟子として最終日、俺と模擬戦だ。」

「模擬戦ですか、わかりました。本気でやりましょう。」

「当たり前だ。殺す気で来い。」

アランたちは外に出てきた。

「ビクトリアは決闘結界を張ってくれ。クラークは審判を。」

「わかりました。」

「わかった。」

ビクトリアが結界を張ると、アランたちは戦闘態勢になっていた。

「これから、ラファエル対アランの決闘を始める。用意、はじめ!」

決闘が始まると、アランたちは勢いよくぶつかっていった。

二人は飛行魔術を使っていた。

アランはセシルを使い、ラファエルはペンチャーを使い、火花が散っていた。

「棒術はまだ甘いな。隙が多すぎる。」

接近戦はややラファエルのほうが上といったところだ。

「そうですね。だから、僕は魔術を使うのですよ。」

すると、アランは光の矢を作り、ラファエルを攻撃した。

「魔力操作もまだ甘いな。」

ラファエルは簡単に防御位結界を防いだ。

「引っかかった。」

すると、ラファエルのいる空に魔術式が出てきた。

「サージスプレンダー。」

「まじか。あれは罠だったか。まあ、良い。」

ラファエルは防御結界を何段にも重ねて、サージスプレンダーを防いだ。

「ふたりとも流石だな。ラファエルは魔力操作にたけ、アラン君は自分の特性を知った上で戦っている。どっちが勝っても、わからないな。」

クラークからはそう見えた。だが、ビクトリアは違った。

「いえ、私達から見ればそうですが、アラン様が勝ちます。」

 

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