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魔法使いの家出  作者: 羽良 凪都輝
第2章 修行
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「三人とも、掃除は誰がやるのですか?」

「ブライトクレギン!」

「グレイシスアルクス!」

ブライトクレギンは、光の上級魔術であり、光の矢を放つ魔術だ。

グレイシスアルクスは氷の魔術であり、氷の矢を作りだす。これはクラークが独自に作り上げた魔術だ。威力は上級魔術と古代魔法の間に位置する。

二つの矢は混ざり合い、一つの矢になり、アランに向けて勢いよく放たれた。

だが、アランは動じることなく、詠唱を始めた。

「黒陰恒陽、陰。」

アランが右手を矢に向けると、そこから術式が現れ、黒い球体が現れた。

ラファエルとクラークが放った矢がその黒い球体に吸い込まれていった。

「何が起きたんだ?」

「わからない。多分あれも、アランくんの神の力でしょう。」

すると、アランがもう一度詠唱をした。

「黒陰恒陽、陽。」

すると、二人の矢を吸い込んだ黒い球体が形を変え、光の球体と代わり、ラファエルとクラークのもとへ放たれた。

二人は反応はできたが、防御結界を張るほどの余裕はなく、避けることで精一杯だった。

光の球体が着弾したところは、屋敷の近くの森であった。

森は消し炭になり、地形そのものが破壊されていた。

「嘘だろ。森が跡形もなく消し飛んでる。」

「あれはどういう原理なんでしょうね。」

そんな話をしていると、アランが光の槍を使って攻撃してきた、

だが、それは一つの炎の壁によって遮られた。

「そこまでです。」

そこにはビクトリアがいた。

「ビクトリアは少し黙ってろ。今、良いところなんだから。」

「三人とも、誰が掃除すると思ってるんですか?」

ビクトリアが言うと、3人の周りは穴だらけで、おまけに森は消し炭になっていた。

「あ、えーと...」

「まさか、私に押し付けるわけ無いでしょうね?」

ビクトリアの後ろには、火の球が3つほど飛んでいた。

「お、おいビクトリアくん、そ、その危ない火の球はしまえたまえ。」

ビクトリアの後ろに飛んでいた火の球は、古代魔法のメテオスマッシュであった。

「では、3人とも”きれい”に掃除をお願いしますね?」

「はい...」

(すごい...あの師匠が言いくるめられてる。やっぱ、ビクトリアに逆らっちゃだめだ。)

こうして、決闘の幕は閉じた。

勝敗:なし

その後、三人は掃除をした。

「なんで、僕までやらないといけないんですか?」

「お前が一番破壊しただろう。あの森を見てみろ。」

アランは見渡したが何もなかった。

「森なんてないですけど。」

「お前が壊したんだよ。どうしてくれるんだよ。森を作るのに大量のポーションが必要なんだぞ。」

「そうですよ。私の持っているポーションでも全然足りないぞ。これは、ポーション作りに協力してもらわないとね。」

「わかりました...」

その夜。

「セシル、どうやって術式を治すの?」

「術式は俺様が考えたから、後はお前が術式を組み込め。」

「え?術式の組み込め方なんて知らないよ?てか、そんな技術あるの?」

「ん?もしかして、物に術式を組みこむ方法を知らないのか?」

「うん。」

現代社会では、セシルのいた時代のように、物に術式を組み込む技術は失われていた。

「そうか。それは困ったな。じゃあ、今からやり方を教えるから、やってみろ。」

「わかった。」

数時間後。

「まだか?」

「待って、後もう少しだから。」

「もうすぐ日付が変わるぞ。」

「え!?早くしないと。」

それから、アランはロロローブの修復を終えた。

 * * *

ここは、キファンディア大陸の東部、魔王軍領アルクス城。

「魔王様、レシムが死にました。」

「そうか。」

そこには、ピンクの髪で角が2本生えている少女と、髪が紫でかなり大柄な男がいた。

「レシムはかなり慎重なやつです。油断したとは思えないです。」

「使い魔で様子は見たか?」

「はい。一部始終を見ていましたが、一人の魔術師によって殺されたようです。」

「一人...上位魔族を一人でか。」

「その魔術師は圧倒的でした。レシムは3秒でやられました。」

少女は少し驚いていた。

「3秒...その魔術師の名は?」

「彗星の魔術師と名乗っていました。ですが、私の部下に調べさせましたがそのような名前の者は知らないと。」

「偽名かなにかか。まあよい。少し時間をおいて、次は軍を動かす。良いな?」

「軍をですか?それは、幹部に反対されるのでは?」

「それが先代魔王復活のためでもか?」

男は少し驚いていた。

「もしかして、そういうことですか?」

「ああ。楽しみにしておけ。では引き続き頼むぞ。」

「はい、魔王様。」

男は去っていった。

「待っていてください、お姉様。」

 * * *

あの日から二年の月日がたった。

「師匠!古代魔法、すべてできましたよ!」

アランは、精神世界も使い、古代魔法を全て習得した。

「そうか。残りの3年はどうするかな。」

「冒険者ギルドに行くのはどうでしょう。」

ビクトリアが提案してきた。

「冒険者ギルドか。確かに、最近ギルドマスターが変わったらしいから挨拶がてら、行ってみるか。」

「冒険者ギルドですか?僕、冒険者になるんですか?」

「まあ、そんなもんだ。そしたら、今日はロロローブを着て行け。お前の顔を冒険者に見られたら、俺もお前も困るからな。」

「そうなんですか?わかりました。とりあえず、支度してきます。ビクトリア行くの?」

「はい。私も挨拶をしないといけないので。」

アランたち三人は支度を整え、冒険者ギルドに向かった。

「師匠、これバレないですか?」

「大丈夫だろう。ビクトリアの幻影魔術で隠しているから大丈夫だ。」

アランたち三人は飛行魔術を使っていた。

「そうなんですか?じゃあ、もう少しスピードを上げても...」

「駄目です。スピードを上げるとソニックブームが起きるではないですか。流石に防音結界はめんどくさいのでやめてください。」

「めんどくさいってことは、できないことはないんだ。」

「そうですけど、だめです。」

三人が話していると、ギルドについた。

「ほら、話している間に着いたぞ。」

アランたちが着地し、ギルドに入るとたくさんの冒険者がいた。

アランは顔を隠し、ラファエルについて行った。

「こんにちは、ラファエル様。今日はどのようなご要件で?」

受付嬢はラファエルのことを知っているようだった。

「今日は新しいギルドマスターに挨拶と、こいつにギルドカードを。」

「承知いたしました。では、奥の部屋にご案内いたします。」

三人は奥の部屋に案内された。

「もうフードを取って良いぞ。」

「わかりました。ギルドカードってなんですか?」

「ギルドカードは身分証明書みたいなもんだ。必要な時は、ギルドの依頼を受けるときと、国境を通るときだ。ギルドカードは、行商人や戦士、魔術師も持っている。この国の宮廷魔術師でも持っているだろう。」

「そんなにギルドカードは普及しているんですね。」

「ああ。冒険者ギルドはどの国にもあるからな。」

そう言っていると、一つの部屋に案内された。

「ギルドマスター、ラファエル様が来られました。」

「そうか。通してくれ。」

アランたちは部屋の中に入った。

そこには一人の男が立っていた。

アランがその男と目を合わせた瞬間、男の持っていた紅茶のカップが落ち割れてしまった。

「エドワード様!」

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