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魔法使いの家出  作者: 羽良 凪都輝
第2章 修行
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「ビクトリア直伝、神器の使い方」

朝5時。ラファエルは大きな物音で目が覚めた。

「なんだ!?今日もギルドに行かないといけないのに、朝から襲撃か?」

ラファエルは急いで着替え、音のした方向へ向かった。

(こっちって、ガキの部屋があるところか。まさか、ガキを狙って!?)

ラファエルがアランの部屋に着くと、そこには異様な光景が広がっていた。

「ビクトリア!?何があったんだ!?」

「ラファエル様!起こしてしまいましたか。すみません、ラファエル様を起こすつもりはなくて。」

そこに広がっていたのは、物が散乱し、壁は破壊され太陽光が直接入ってきていた。

そして、アランは正座をしていた。

「すみません...僕が朝5時に起きないといけなかったのですが、二度寝をしていたらこうなりました。」

「どうなったらこうなるんだよ!ビクトリアもどういうことか説明しろ!」

「昨晩、アラン様と約束をしまして、朝5時に起きて朝食を作ると言ったのですが、もし起きなかった場合は部屋ごと爆破しますと言ったのですが。」

ラファエルは呆れていた。

「お前、魔王でもしないことを今してるってこと、自覚あるか?」

「いえ、全く。これはしつけの一環ですから。」

「まあ、とりあえず、ガキはビクトリアと一緒に朝食を作ってこい。部屋は俺がどうにかするから。」

「すみません、師匠...」

それから、アランは着替えてビクトリアと一緒に厨房に来た。

「まずは、野菜を洗います。手本を見せるので見ててください。」

すると、ビクトリアは水の球を作りその中に野菜を入れた。

「あの、もしかして、魔術を使うの?」

「はい。料理とはそういうものですよ。」

(本当かな。)

ビクトリアはさっき作った水の球に風の魔術を加え野菜を回し始めた。

「ビクトリア、これを僕にやれと?」

「はい。すべて初級魔術なので、できると思います。ではやってみましょう。」

アランは水の球を作り、その中に野菜を入れた。そして、風の魔術を加えると、野菜が細切れになった。

「そうだよね...僕じゃ魔力量が多すぎてこうなるんだよ。」

「そうですか、ではアラン様には野菜を切ってもらいましょう。」

ビクトリアはさっき洗った野菜をまな板の上に置き、野菜を切り始めた。

すると、野菜には火が通っていた。

「あのさ、色々聞きたいんだけど、まずなんで神器を使ってるの?」

ビクトリアの右手には神器があった。

「私の神器は、火属性です。なので、野菜や肉を切ると自然と火を通すことができます。」

「そうなんだ...今日はもういいや。ビクトリアにはついていけないよ。」

「それはラファエル様にも言われました。こんなに簡単なのになぜできないのでしょう。」

「それはね、ビクトリアがおかしいんだよ。包丁の代わりに神器使うとかおかしいでしょ。」

するとビクトリアは首を傾けた。

「そうなんですか?包丁は少し値段が高いですから、神器で良いじゃないですか。」

(それはこの家だからだよ!)

「じゃあ、僕は外で遊んでるからできたら教えて。」

「わかりました。」

それから、一週間の休暇はすぐに終わって、ラファエルとの修行がまた始まった。

「今日は闇属性について教える。お前が知っていることをすべて述べよ。」

「闇属性は自然属性より強く、光属性と打ち消し合う属性です。」

「そうだな。今回は、その闇属性と火属性を合わせる。」

「え?でも、僕は火は得意属性じゃないですよ。」

「そんなん知ってる。そもそも、得意属性とはなにか知っているか?」

「得意属性は自分が使える属性じゃないんですか?得意属性以外は初級魔術ぐらいしか使えないんじゃ...」

「得意属性は”もとから得意”な属性だ。つまり、真面目にやれば、すべての属性も得意属性にできる。だが、それには膨大な時間が必要だ。だから、人間にはそれができない。」

「じゃあ、師匠の全属性が得意属性って、そういうことですか?」

「そうだ。俺のもともとの属性は風と光だ。だが、そこから全属性を練習し、ここまで持ってきた。まあ、そこまで二千年はかかったがな。」

「そうなんですね。それで、闇と火を複合して何を作るんですか?」

「黒炎だ。」

「黒炎!?禁術じゃないですか!そんなものを使うんですか!?」

黒炎はこの世界では禁術とされている。黒炎は千年前倒された魔王が使っていたため禁術とされているが、そもそも黒炎の作り方自体わかっていない。

「そもそも、神の子自体が禁忌みたいなものなんだから変わんないぞ。」

「そうですか...」

「まず、黒炎の作り方だが、闇属性と火属性を合わせるとできる。」

「え?そんな簡単なんですか?」

「そうだ。だが、これには条件がある。それが神の子だ。」

「え!?つまり、魔王も神の子なんですか!?」

「そうだ。あいつは闇の神の子だ。」

「だから、黒炎を使うんですね。。」

「そういうことだ。それで、これが黒炎だ。」

すると、ラファエルの手に黒い炎が現れた。

「黒炎の特性は火の上位互換みたいなものだ。水でも防御結界でも防げず、すべてを焼き尽くす。術者が解くか、死ぬかしなと黒炎は消えない。」

「それって、ずるじゃないですか!」

「ああそうだ。だが、黒炎にも弱点はある。それが聖水だ。聖水なら簡単に黒炎を消すことができる。まあ、戦場に聖水を持ってくるやつはそうそういないけどな。」

「聖水ですか。確かに聖水は軽い呪いを解くのには使いますが、それ以外には使えないですからね。」

「そうだ。だから、戦場では実質最強だろう。だから、黒炎の使い方には気をつけないといけない。とりあえず聖水を持ってくるからそれから始めるぞ。」

ラファエルが聖水を持ってくると、アランが黒炎を作り始めた。

「闇属性と火属性を1:1で合わせるんだ。少しでもずれると黒炎は作れない。良いな?」

「はい!」

そこからアランと黒炎との格闘が始まった。

数分後...

「あれ?1:1のはずなんだけどな。なんでできないんだろう。」

「少しでもズレていたらだめだ。口を動かしてないで、頭を動かせ。」

「はい!」

1時間後...

「わぁ!できた!」

アランの手に黒炎が出てきた。

「よし、できたか。」

「黒炎って術者は燃やさないんですね。」

「いや、燃えるぞ。」

「え!?じゃあ、なんで僕は燃えないんですか?」

「それは俺が今守ってるからだ。」

「じゃあ、なんで師匠は燃えないんですか?」

「そこで黒炎とセットで覚えるのが、魔力のオーラだ。少し見ていろ。」

すると、ラファエルが光でまとわれていた。

「これが魔力のオーラだ。魔力のオーラは魔力量が多いほど強くなる。だから、お前はすんごいことになるぞ。でも、これにも弱点がある。魔力のオーラはかなり魔力を消費する。だから、黒炎は長期戦には向かない。黒炎を使う時は、短期決戦のみだ。そしたら、魔力制限を解除しろ。そっちのほうが楽だからな。」

「わかりました。」

アランがネックレスをいじると、魔力制限が解除された。

「魔力を体にまとわせる感じだ。やってみろ。」

アランが集中すると、アランの周りが光りだした。

「そうだ。それで黒炎を使ってみろ。」

アランが黒炎を出したが、体は燃えなかった。

「熱くない!でも、これめっちゃ魔力使いますね。」

「そうだ。お前はまだ、未熟だからオーラが不安定だ。無駄を省くともう少し魔力の消費を抑えることができるだろう。これからは、普段の修行と黒炎を同時進行でやるぞ。良いな?」

「はい!」

1年後...

アランは7歳になり、中級魔術をほとんど使えるようになっていた。

「黒炎の操作もかなり良くなったな。」

「はい。魔力のオーラもかなり使えるようになってきました。」

「そしたら、あとは上級魔術と古代魔法だな。」

「そうですか...」

上級魔術は初級、中級とは桁違いに威力が違う。だが、魔術式がかなり難しく、膨大な魔力も必要だ。

そのため、宮廷魔術師でも決め技や、奥義として使う。

古代魔法は、まず魔術式を理解すること自体が困難で、魔術師四天王でも一つか二つしか使えない。

だが、その力は絶大だ。一度の発動で、街を一つ滅ぼせるものもある。そのため、古代魔法の中には禁術も多い。

「まずは上級魔術だが、これは2年位あれば覚えられるだろう。古代魔法は5年あれば大丈夫か。」

「マジすか...」

「ここからが本番だ。良いな?」

「はい...」

そこから、アランにとって初めての挫折の連続だった。

最初の2ヶ月、アランは一つも上級魔術を覚えられなかった。

「なんで!?もう2ヶ月だよ!そろそろ、覚えられないとまずい。師匠に相談してみるか。」

アランは初めてラファエルのもとに相談に訪れた。

「なんだ、お前が相談だとはいき詰まっているようだな。術式を見せてみろ。」

アランが上級魔術を発動させようとしたが、何も起きなかった。

「お前、最初から無駄を省こうとしただろ。最初は何事も真似からだ。最初から完璧にしなくても良い。焦るな。お前はまだ7歳の子供だ。」

「完璧にしなくて良い...そっか、僕は焦ってたのか。ありがとうございます!」

アランはラファエルの言われた通りにすると、みるみる成長していった。

半年後、アランは8歳を迎えた。

「よし!これで4分の1か。まずまずといったところか。そうだ、気分転換に新しい魔術でも作るか。」

こうして、アランの魔術作成が始まった。

「まずはどの属性にしようかな。今僕が使える魔術で一番強いのは...」

「神の力を使わないのでしたら、黒炎だと思います。」

そこにはビクトリアがいた。

「びっくりした!なんでここにいるの?」

「お茶をお持ちしましたので。それより、上級魔術は良いのですか?」

「うん。少し気分転換に新しい魔術を作ろうと思ってね。」

ビクトリアは呆れていた。

「アラン様、気分転換に魔術を作る人などこの世に貴方様だけですよ。」

「そう?まあ良いや。それより、神の力か。神の力は魔術とは違うの?」

「それはわれが教えてやろう。」

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