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魔法使いの家出  作者: 羽良 凪都輝
第2章 修行
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「山脈」

その瞬間、ラファエルの作った炎の球が跳ね返され、ラファエルのもとに戻っていった。

「なんでこっちに来るんだ?まさか術者に返す魔術か!?」

炎の球はラファエルに向かって行き、ラファエルを吹き飛ばした。

ラファエルは壁にめり込んだが、なんとか立ち上がった。

「このバカ弟子。やっと目が覚めたか。」

ラファエルが聞くと、アランから魔力のオーラは出ていなかった。

「2分間経ちました?なんか聞けましたか?」

アランが聞くと、クラークは苦笑いをした。

「本当に君は何も覚えてないんだね。僕の仮説は正しかったようだね。」

「なにかわかったんですか?教えてください!」

アランがそう言うと、ビクトリアが止めた。

「アラン様。少し、待っていてください。お二人とも、こちらに。」

ビクトリアが二人を集めると、三人で話しだした。

「アラン様にこのことを伝えるのは危険だと思います。アラン様は自分で思ってるより、ポンコツです。そのうち、口が滑って他者にもらしてしまうかもしれません。」

「そうだな。あのガキには教えないほうが良いかもしれないな。」

「そうですね。これは前代未聞なので、私の方で、もう少し古い文献を調べてみたいと思います。」

三人が話していると、アランが寄ってきた。

「三人とも何話してるんですか?僕にも教えてくださいよ!三人だけずるい!」

アランが少し怒った口調で話すと、クラークは笑顔で答えた。

「実はあまり情報がわからなかったんだ。だから、もう少し私の方で調べてみるから、また今度わかったら、教えるよ。」

「約束ですよ!僕のことなんですから、一番自分が知りたいんです。」

アランたちが話していると、物陰からかすかに聞こえた。

「今日は良いものが見れた。今度、妾も戦ってみたいのう。」

「師匠、なんか聞こえませんでした?」

「気のせいだろ。どうせ神の力を使った副作用だろ。」

「では皆様。屋敷に戻りましょう。」

4人は遺跡から屋敷に戻った。

「では、私はやることができたのでこれで失礼するよ。アランくんは神の力に耐えれるように修行を頑張ってね。また来るから、今度は魔術戦をしようね。楽しみにしてるよ。」

「はい!アランさんに追いつけるよう頑張ります!」

クラークは、その日のうちに帰っていった。

「あいつも帰ったことだし、今日は休んで良いぞ。」

「良いんですか!?じゃあ、ビクトリアと一緒に掃除してきますね!」

「え?私もですか!?アラン様ちょっと待ってくださいよー!」

「え?だめ?」

アランがビクトリアに涙目で言った。

「はぁ。わかりました。それは反則じゃないですか。なんで、いつでも涙目になれるんですか。」

「そりゃ練習したからね!じゃあ行こう!」

二人はこのあと、二時間掃除をした。

* * *

1ヶ月後...

「少しは、魔術が使えるようになってきたな。まずは、初級魔術を完璧にしろ。基礎を固めれば、上級魔術や古代魔法も簡単に覚えられる。魔法も、魔力操作を上達させれば良い。あとは、基礎体力をひたすら上げるぞ。今までのは、入門みたいなものだからな。これから気合を入れていくぞ。」

「うそ、でしょ、あれが入門?近衛騎士団よりきつかったのに、これよりきつくなるんですか!?」

「当たり前だ。こっから、残り10年厳しく行くぞ。」

「10年?どういうことですか?」

「あと10年で何が起こるかわかるか?」

「あ!魔王討伐千年じゃないですか。でも、それがどうしたんですか?」

アランが聞くと、ラファエルの顔が少し暗くなった。

「魔王を倒したときに、寿命が決まったって言ったよな。魔王を倒して寿命が残り千年になっちまたんだ。だから、残りの十年はお前をきっちりしばくから覚悟しとけよ。」

「わかりました!師匠が後悔のないよう頑張ります!」

「ほう、言ったな。じゃあ、これからやるつもりの修行を改善しないとな。」

「え?」

すると、ラファエルは邪悪な顔をした。

「これからは死ぬ気でやれよ。」

「が、がんばります...」

ここから地獄が始まった。

「今日は何するんですか?」

「ここは山脈だろう。この山脈を一周してこい。制限時間は日没までだ。」

「は?」

「簡単だろ?たった一周だ。ビクトリアがついてくから魔物に遭遇しても大丈夫だ。」

「はい。私がお供するので、大丈夫ですよ。」

こうして、山脈一周が始まった。

1時間後...

「はぁ、はぁ、なんでビクトリアは余裕なの?」

「私も、ラファエル様にしごかれましたから。」

「あはは...そうだ、今山脈のどのくらいですか?」

「今は、10分の1ぐらいですね。この調子なら日没に間に合いますね。」

「そうですか...」

あれから2時間後...

「もう無理、動けない...」

「まだ、10分の3ぐらいですよ。頑張ってください!」

「なんで、そんな余裕なの。いくらなんでもおかしいでしょ...」

「体力には自信がありますから!」

そう言って、ビクトリアは胸を張った。

「そうすか...残りの距離が半分になったら教えて。そこで休憩しよう。」

「わかりました。」

そのまた2時間後...

「アラン様。ちょうどここが半分です。休憩しますか?」

「うん、休憩しよう。ビクトリア、ご飯ある?」

「はい。ちゃんと持ってきてますよ。」

ビクトリアは、手を広げると弁当箱が出てきた。

「え?どっから出てきたの?」

「これは収納魔術です。魔力が多い人ほど、たくさん物を入れれますよ。」

「へー、じゃあ僕にも教えて!」

そうして、収納魔術の練習が始まった。

「まずは、魔術式ですが、こんな感じです。防御結界と同じで、属性魔術とは少し違います。」

「なるほど。これを、こうして、こうすれば!」

そうすると、アランの持っていた弁当箱が空間に消えた。

「お!できた。これ、すごい便利だね。でも、具体的にどのくらい入るの?」

「最初から、詠唱無しってすごいですね。本当に、理解力が異常ですね。それで、私だと物置一つぐらいですかね。アラン様だと、家一個分ぐらいじゃないですか?」

「そんなに!?あ、でもカーチャーがあるから、そんなに入らないんじゃ...」

「私の立てた仮説ですと、収納量は、自分の魔力量そのものに比例するので、制限がかけられていても、大丈夫だと思います。」

「そうなの?ビクトリアはすごいね。魔術もすごいし。体力もすごいし。家事全般できるから、一家に一台ビクトリアがほしいね。」

「それほどでも。では、お弁当を食べましょう。じゃないと、日没までに間に合わないですよ。」

「そうだった!早く食べて、行こう。」

「はい。」

弁当を食べ終わり、2時間がたった。

「あともう少しです。それにしても、魔物が現れませんね。普段なら、うじゃうじゃいるんですけど。」

「そうなの?それも怖いけど、一体もいないのも怖いね。なにか起きるかもしれないから、気をつけよう。」

すると、前を走っていたビクトリアが止まった。

「なにかいます。気をつけてください。」

「わかった。」

ビクトリアとアランが気配を消して近づくと、角の生えた一人の男が立っていた。

「ここらへんの魔物は意外と強かったな。まあ、でも私にかかれば簡単に使役できるがな。それにしても、魔王様はこんなところに何があるのだろうか。魔王様は、先代の魔王様復活のためとはいえ、こんな辺境に行けなんて。左遷じゃないか。」

角の生えた男は、髪は少し青く、体は褐色で、身長がかなり高かった。

「あれは、魔族!アラン様は下がっていてください。見たところ、上位魔族です。すこし、待っていてください。」

すると、ビクトリアは茂みから出ていき魔族の前に出ていった。

「そこの魔族よ、今すぐ降伏するならば見逃してやる。」

「は?なんだお前。俺が誰だか知っているのか?俺はな、魔王様の勅命で来てるんだよ。お前こそ、立場をわきまえるんだな。さあ、皆のものこいつを殺せ。」

魔族が指示すると、周りから魔物がたくさん出てきた。

「なるほど。魔物使役か。でも、そんなもので私を倒せると?」

その瞬間、ビクトリアは収納魔術で剣を出し、一瞬で魔物を真っ二つにした。

「それは、神器か。なかなかやるじゃないか。俺が直々に相手して...」

魔族が言い終わる前にビクトリアは目の前に現れ、手足を切断した。

「あぁ!痛い!痛い!痛い!」

「あなたの目的は何?」

ビクトリアは魔族の首に剣を当てていた。

「わ、わかったから、言うから、その剣をどけてくれ!頼むから!」

「お前が言ってからだ。早く言え。」

「お、俺は、魔王様に頼まれたんだ。先代の魔王様復活のために、ここを調査しろって言われたんだ。それ以外は知らない!ほら、言ったから解放してくれ!」

その瞬間、魔族の首がとんだ。

「ビクトリア、終わった?」

「はい。それにしても、冷静ですね。この惨状を見ても、震え一つないとは。」

「別に、怖くないです。魔族は、人間の敵。話し合いは通じない。だから、ビクトリアは殺しんでしょ?」

ビクトリアは驚いていた。

「すごいです。私のことをお見通しですね。では、もうすぐ日没なので、急ぎましょう。」

「うん!」

(上位魔族を、簡単に殺すなんて、ビクトリアの言う事、ちゃんと聞こう...)

日没前。

「やっと、ついた...」

「頑張りましたね!今日は、たくさん夜ご飯を作りますよ!」

すると、ラファエルが屋敷から出てきた。

「まあ、ボチボチだな。今日は休んで良いぞ。明日は、魔術と魔法の練習だ。」

そう言うと、三人は屋敷に戻っていった。

アランは風呂に入り、夕食を待っていた。

「今日は、少し時間があるから、この前行った遺跡にでも行くか。」

アランは、この前行ったクリシオル帝国の遺跡に入っていった。

「ここに来るのは2度目だけど、すごく広いな。本当に、地下なのかな?」

アランが、遺跡を探索していると、一人の少女が現れた。

「ん?君は誰?ここで何してるの?」

「ほう、おぬしか。妾はここの管理者のようなものだ。おぬしの名は?」

「僕の名前はアラン。君は?」

「アランか、妾の名前はアリシアじゃ。」

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