第6話 厩舎
シルバーアビーの2019
馬体は平凡、艶もそこまでいいとは言えないがどこか斎藤の目に光るところがあった。
《とりあえずこっからは調教師、いわばトレーナーの下へ預けるんだ》
調教師、馬主から馬を預かり競走馬のトレーニングを行う存在である。
《とりあえずお前は馬については無知だから大体はこっちで済ましておくよ、ちなみにお前の馬は今1歳でデビューできるのは2歳の6月らへんからだまずは外厩施設ってとこに預けて運動させるんだ。》
和田は話を続ける。
《それと調教師には話をつけてある、お前が選べると思うな(笑)。いつも俺が預けてる堀井旧車ってところだ、名トレーナーとまでは言えないが腕は確かだからな。》
斎藤は電話越しの声を聞いて安堵した。《お前が言うなら結構な人ってことだよな、とりあえず俺はまじでド素人だから勉強していくよ、いくいくは「GⅠレース」ってのを勝ってみてぇからな》
《いや》
電話越しの和田の声が一変した気がした。
《GⅠってのはそんじょそこらの初心者馬主が勝てるもんじゃないぞ、俺の親父がそれだ、いい馬を高い金額で買ったって走るわけじゃなかった。俺も俺でいままで重賞を勝った馬は4頭しかいない》
しかし、次に和田の口から出てきた言葉は意外性に満ちたものだった。
《まぁ........でもあの馬に関しては俺もどこか不思議なところを感じたからな、もしかしたら....もありうるな。それが競馬の醍醐味ってもんだよ。そんじゃまた今度》
電話は切れた、斎藤は再び図書館で借りた競馬の本を読み漁った、「重賞について」「馬の体」「矯正器具」etc...
「はやく、はやくあいつが走ってる姿を見たいな。」




