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第4話 熱狂

「最後に18番のスタートデイズが入って、7894頭のトップへ日本ダービースタート!!」


場内からどっと歓声が上がる、斎藤は一個聞き忘れていたことを思いだして急いで和田に「お前の馬は何番だ?」と聞く。


「俺の馬は14番、お前が買った馬だ!」と返す。


14番.....ファイナルウォリア....ってあれ和田の馬だったのか!!


レースは先頭を4番の馬が引っ張っていく、その後ろに8番、3番、15番がいてその後ろを付けて1番、9番、12番、そしてその後ろはごちゃごちゃしており14番のファイナルウォリアは後方から4番手、前から14頭目にいた。


「あんなところにいて大丈夫なのか?先頭は直線に入って絶対にスピードを上げてくるぞ」


斎藤は呟くが


「大丈夫、必ずどの馬も何かしらの力を持っている、ファイナルはキレという瞬発力がある。」


先頭が少しバテてきたのかペースが落ちていく、そしてその隙に外の方から一気に各馬が襲ってきて直線コースへと入った、場内から大歓声。


「先頭は4番に変わって12番!外から12番一番人気の9番スターライトキッド2冠めがけて飛んでくる!2冠めがけて飛んでくる!!しかし外からなんと8番もやってくるぞ!大混戦大混戦!!」


前に3頭固まっている、そんな中14番のファイナルウォリアは馬込みの中にいた、もう届かないだろう...」そう思い斎藤は前をはしる馬たちの方に視線をやるが何故か隣で和田が14番を大きな声で応援する。やはり自分の所有している馬だ、愛が強いな.......とだけ思っていたが実際にはもう一つ理由があった。


「外からファイナル!ファイナル!ファイナルウォリアが飛んでくる!先頭の8番並んで交わした!先頭ファイナルウォリア!ファイナルウォリア!!内でスターライトキッド!」


その瞬間斎藤の口から自然と声が出た。


「行けぇ!!!」

すぐには自分の声だと理解できなかったが今はそんなことはどうでもいい。


「先頭ファイナルウォリア!!しかし内からスターライトキッド盛り返す!盛り返す!並んで交わして先頭!やっぱり強いのは俺なんだ!一着でゴール!!!スターライトキッドです!2冠達成、3冠はもう目の前だ!!」


あっけなく終わってしまった、奥の席で喜んでいる馬主をみて斎藤は思った。ダービーで2着は大変名誉なことなのだろう、しかしラストほんの少し、ほんの少しで逆転され負けることだってあるのだ。


しかし



それが競馬の....美しさというのだろう。


「いやぁ悔しかったな.........でも2着はいい!いい成績を残せた!!」と和田が次の瞬間目をあんぐりさせた。和田の目の先には斎藤のポケットからチョンとはみ出てる馬券があった。


「お...お前それ複勝だよ!!単勝じゃない!複勝だ!」


斎藤は一瞬和田が切れているように見えたがなぜか喜んでいる、「どうして喜んでいるんだ」と聞くと速攻で「単勝は一着を予想するんだが複勝ってのは3着までを予想するんだ!つまるところこの馬券は的中してるんだよ!!」と子供のようにはしゃぎまわる。


手元のスマホでオッズを確認してみると複勝は8.4〜9.5倍、要するに3万円が約24マン円ほどに化けたというのだ、斎藤も目をあんぐりさせて喜んだ。




「ビギナーズラックというのは案外馬鹿にできないな!」と愛馬の2着と馬券的中をよろこびながら豪快に笑う和田と斎藤がいた。


「どうだ、お前も心晴れたか多少は、たまには走るのじゃなくてみるのもいいと思ってな」


「大正解だ、ありがとう。」と斎藤は返す、そして「馬主ってのはどうしたらなれるんだ?」と和田に聞き返す。


和田はいきなりの言葉に驚いたが「馬主になるには条件があるが....お前は多分満たしているだろうし今度教えてやんよ」と返してきた、斎藤は「ありがとう」と一言。


二人を照らす夕焼けはあまりにも綺麗だった。

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