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陰陽のかぐやさま  作者: 紫翠 渚
第壱章
6/7

沙門の声を聞かせ給へ

そもそも………猫又に手伝って貰うような部活とはなんなのじゃ………?

「おい。晴、明」

「お主らは、なんの部活に入っておるのじゃ?」

沙門を撫でながら2人に問う。案の定、晴ではなく明が口を開く。

「…僕らは「退魔師(たいまし)課外活動部(かがいかつどうぶ)」っていう部活に…」

………随分と奇天烈な名前の部活じゃな………普通、高校生の部活動って、剣道部とかサッカー部とやらでは無いのか…??

「どんな活動をしておるのじゃ?」

「…その名の通りだよ。人を喰らう悪い妖怪や、妖怪を使役して悪行を働く集団を祓うんだよ…」 

………高校生のすることでは無いと思うがな…………

「ふむ…では、他の部員もみな、見鬼之才(けんきのさい)陰陽之力(おんみょうのちから)があるのか?」

陰陽之力と、見鬼之才………陰陽師のように妖怪を祓う特殊能力と、妖怪を視ることができる能力の名称………

我は、好奇心には負ける。流石に高校生で陰陽師の活動をしている者など、二度と会える代物ではなかろう。

「…1人を除いてね………」

「1人?」

「うん。その子は僕達の同級生なんだけど…見鬼之才は無いから、僕があげた眼鏡越しじゃないと妖怪は視えないし、陰陽之力は無いけど、彼女の笛の音は特殊で、その音に陰陽之力を乗せると結界が張りやすい…というか、まぁ…僕らが未熟すぎて、彼女が居ないと壊れやすい結界しか張れないんだよね………」

………そりゃそうじゃ。不思議な力を持っておるとはいえ、まだ高校生じゃからのぉ………

「で、沙門を飼っているという部長とやらもそこに所属しておるのか?」

「そ…そうだよ…!」

さっきまで口を開く気配すらしなかった晴がようやく口を開いた。

「ふーん………」

我は沙門と目を合わせる。


「………2人、ちと目を瞑っておれ」

我の声に、2人は疑問を隠せないような顔をした後、目を瞑る。

我はそんな2人の額に指を当て

「………《弐人(ふたり)ニ沙門ノ声ヲ聞カセ給へ》」

小さく《呪》を唱えた後に

「もう、目を開けてもよいぞ」

我は晴と明に向かって言う。2人が目を開け

「…か…輝夜丸、今、僕達に何を…」

晴の言葉を遮るように、()()()()()

「今、輝夜様は御二人に(わたくし)の声が聞こえるようにしてくださったのです。」

流暢に人間の言葉を喋る沙門に、2人は一瞬固まる。

「…驚いたよ」

数秒固まった後、明が輝夜丸を見て小さく声を上げた。

「大したことはしておらん。お主らと沙門の意思疎通を可能にしたわけであって、他の人間には沙門の声は届かぬ。」

我は小さく笑い、そして2人を見る。

「教えよ。その部長とやらの名を」

すると、暫くして明が声を上げる。

「………部長の名前は………」


「「賀茂 保乃香(かも ほのか)」先輩…だよ………」


………………

………いや、こっちも苗字変わっとらんのか………

次回!初の女性キャラ登場!(させるつもり)

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