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猫は異世界で魔剣士になる  作者: 宅間晋作
青の旅旗編
20/21

侵略スタート

「ん?」


 クロスが目を覚ますと清々しい朝だった。


「おはようクロスよろしく頼むな」


「お、おはようございます。 ザシュウさん」


「俺の事はザシュウでいい。 身支度を整えたら練習場に行くぞ」


「分かりました」


 クロスはザシュウに言われるままに練習場に連れて行かれた。


「諸君おはよう。 今回集まって貰ったのは共同クエストを行う事になったからだ! ここより北のガーディア草原にたくさんの魔獣の群れが現れたらしい。 それを我々は三百名全員で討伐しに行く事にした!」


「「「うぉぉぉぉぉ!!」」」


 団長ロイグの言葉に団員達は大きな声を上げて喜ぶ。


「今回共同を組むのはBランクパーティのラッシュメンツ! 同じくBランクのレディマジーの皆さんだ」


 すると武装した五人組のパーティと魔法使いと弓使いと剣士の三組の女性メンバーのパーティが前に出て頭を下げた。



「それでは一時間の鍛錬を始める。 適当に手合わせをしてもいいが怪我しないようにな!」


「「「はーい」」」


 こうして青の旅旗は一旦解散した。



「俺ら全員でクエストかぁ」


「大丈夫かな?」


「まぁ仮にも俺らSランクのクランギルドなんだぜ大丈夫だって!」


 あちこちでおしゃべりが始まる中クロスは素振りをしたり、瞑想をしたりしていた。


「クロス」


「ん? あぁレクラニアと確かミーテだったっけ?」


「何してんの? クロス」


「瞑想だよ。 まぁ言っても昼寝みたいなもんかなぁ?」


 そんな呑気な事をクロスは言いながらあくびをする。


「へー君がクロス君かぁ。 私はミーテ・ドラノスよろしく」


「よろしく頼む」


 そう言ってクロスとミーテは握手を交わした。


「ふーんレクラニアと同じく青色の瞳なんだ。 へー」


「おうおう僕も混ぜてくれないかい? ミーテちゃん」


「げっ、ボルナット!?」


 すると槍を持った青い髪に金色の瞳をした少年が近づいてきた。


「はじめまして。 僕は三級冒険者のポルナット。 よろしくなクロス君?」


「ああよろしぐぅぁ!?」


 ボルナットと握手を交わすといきなりクロスの手がグシャリと音を立てて握り潰された。


「ミーテちゃんに唾吐いたら殺すぞ?」


 耳元でドスの効いた声を囁かれてクロスは内心冷や汗を掻いた。


「……ヤベェな」


 クロスはボルナットの強さに戦慄しながらそれでも目を逸さなかった。


「……へー面白い」


 そう言いながらボルナットは感心したような顔を浮かべて右手を顎に当てて笑う。


「そうや。 今度のクエストこの四人でやらないか? そして今から買い物に行かないか?」


「……この四人で?」


「クエストと買い物を?」


「あぁいいぜボルナット」


「よし行こう!」


 ボルナットの声に頷いて本拠の外に出た時だった。

 空が急に暗くなり謎の飛行艇が現れた。


「なんだあれ?」

 

 クロスが訝しむと空から黒いツノとマントをした男が現れた。


「オルグエルグニア」


「えっ?」



「オルグウェルスタニア。 ニゲイグアナ」


 何を言っているか分からない。

 すると周りの空間が酷く歪みだした。


「この星は我々の物だ」


「なんだって?」


 クロスが聞いた言葉はそれで最後だった。






「ん? ここは? って! なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!!」


 クロスが目を覚ますとそこは超近未来の世界であった。

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