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再会する暗殺者

「はぁはぁゼグ! リターナ!」


 クロスは牢の前まで走りゼグとリターナのところまで走った。

 そしてラクレニアから貰った短刀で生命の石を削りその粉を二人にかけると遺体が緑色の光に包まれて精気が戻る。


「んっ かはぁ」


「うっ! ごふぁ!」


 すると二人共肺に詰まった血を吐いて息を吹き返した。



「よ、よかった! リターナ! ゼグ!」


「「ひっ! こ、ここはどこ!?」」


「お、落ち着けよ! ここはなんか闇の商業やってる奴らのアジトだ大丈夫だっての!」


「……ほ、本当?」


 するとリターナが全身を震わせながら聞いてくる。


「ああ大丈夫! もう大丈夫だ?」


「動くな! 我らリニスト王国の騎士団である! ここが賞金組のアジトだという事が分かりここにいる者を拘束する!」


 するといきなり五十名はいるであろう騎士団に囲まれた。


「ひ、嫌! 嫌! 鎧はもう嫌!」


「か、勘弁してくれ! お、俺たちは何も悪くねぇ!」


 ゼグとリターナは鎧を被った黒い騎士団に殺されたトラウマで涙を流しながら全身を震わせていた。


「怪しいな? おい! 拘束しろ!」


 するとぞろぞろと騎士団がリターナとゼグを拘束しようとしたのでクロスは前に出て自身の冒険者カードを取り出して騎士団に見える様に見せた。


「見てくれ! これがセントラルの冒険者カードだ! セントラルに連絡すればオレ達冒険者パーティ赤黒の狼だと分かるはずだ!」


「……よし、分かった拘束するのと同時に冒険者カードをこちらで回収する。 セントラルに所属する冒険者と分かるまでお前達は拘束させて貰う」


 こうして赤黒の狼は初めてのダンジョンクエストで騎士団に拘束される羽目になったのだった。



「……さて個人的に取り調べを行うが魔法使いの少女と剣士の少年はトラウマで話せそうにないから君に話して貰おうか?」


 すると金髪に青い瞳をした騎士の少年がクロスの目の前に現れる。


「……これは取り調べですか?」


「そうだ。 何故迷宮に行ったお前達が賞金組のアジトにいた?」


「……それは」


 クロスはとりあえず長々と話しても無駄だと思い全てを話した。

 自身の姉と兄だと思っていた人物が白い仮面というアイテムで変身した賞金組だった事。

 賞金組が作ったダンジョンで全滅し、そのままアジトに攫われてその後賞金組を殺し錬金術師の心臓がわりに使っていた生命の石を使って仲間を蘇生した事。

 それら全てをクロスは嘘偽りなく話した。


「……どうやら嘘をついていないらしいな」

 そう言って目の前の騎士の青年は腕を組んでクロスを見てくる。


「ちなみに生命の水について誰から教わった?」


「……元二級冒険者のマクロウから」


「……マクロウ? あのギルドの破壊者のマクロウと知り合いだったのか?」


「……彼から冒険者の知識を教えて貰いました」


「……はぁ……まさかマクロウの名を聞くとは思わなかった。 そして君の持っているあの剣は魔剣だね?」


「え?」


「いやぁね。 どこかで見た事ある剣だなと思ったらお前マクロウの魔剣の後継者かぁじゃあここで死ね!」


 するとクロスに向かって騎士は剣を抜刀し、クロスの命を奪おうとしたその時騎士の頭が地面に転がった。


「……汚職騎士成敗」


「え?」


 何が起きたのか分からなかった。

 いつの間にかクロスの目の前には白い髪に青い瞳をした少女が立っている。


「お前……レクラニア?」


「うん? 君、誰?」


 それは八年前に共闘した暗殺者の少女の急な再会だった。

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