表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/21

全滅

「……静かねぇ」


「ていうか建物みたいな所だな」


 クロスは歩きながらそんな感想をつぶやいた。


「……おかしいぞ? 一階層なのに魔獣がいないぞ?」


 ライドがそう言ったそう言った時だった。


「あっ?」


 急にライドの体に斜めにかけて切り傷が浮かび上がりそのままライドが倒れた。


「えっ? う?」


「ぐ!」


 リターナがライドの急な重傷に動じて硬直するとすぐさまリニスが何かに反応してリターナの前に出て庇うとそのままガギィンと鍔迫り合いになる音が聞こえた。


「あんたなに?」


「……」


「……鎧? アンデットか?」


 クロスはそのまま腰の剣を抜きながら警戒をする。


「クロス! みんなを連れて逃げて!」


「待てよ! リニス!」


 するとリニスがそのまま黒い鎧を力技で押し返し、そのまま剣戟への勝負へともつれ込む。


「はやく! それと一級の冒険者を連れて来て! こいつは! やばい!」


 あの勝気のリニスの声が震えており手足も武者震いをしていた。

 それだけの強敵なのだろうとクロスは思うが何故かクロスには怖いとは思わなかった。


「お、おいゼグ? リターナ?」


「う、うごぇ」


「ひ、ひっ! う!」


 クロスがゼグとリターナを見るがゼグはその場で嘔吐し、リターナに至っては手足が震えて腰を抜かしているようだった。


「リニス! 無理……だ……え?」


 クロスがリニスに目線を移したが既にリニスは地面にうつ伏せで倒れており、地面が赤く染まっていた。


「……うそ……だがばぁ!?」


 クロスがリニスが敗北した事実に困惑していると鎧に顔面をいきなり殴られて無様に転がった。

 すぐさま立ち上がると既に目の前に鎧が迫っておりそのまま剣戟を繰り返してきた。


「先生のより遅いぜ!」


 クロスはそのまま鎧を一刀両断すると、そのまま鎧は黒い塵を撒き散らしながら消滅した。


「おいみんな! 無事……だ?」


 絶望的な光景だった。

 さっきの鎧が百はいた。

 ぞろぞろとクロスの命を奪うべくやってくる。


「……リターナ! リターナ! すぐさまリニスとライドに回復魔法をかけてくれ! じゃないと死んじまう!」


 クロスはそのまま鎧の魔獣の一体と交戦しながらリターナに呼びかけた。


「う、うぁ!? えっ!? な、なんで! なんでアタシこんな目に遭わなくちゃいけないの! な、なんで!」


「リターナ!」


 クロスはリターナに声をかけるもリターナは既に錯乱状態であり、正常な判断が下せなかった。


「無理だ。 ……無理だ俺……無理だよ。 うぁぁぁぁぁ!!」


 するとゼグが錯乱して迷宮から脱出するべく走るが逃げるよりも速く鎧がゼグに追いついてゼグを一刀両断した。


「えっ?」


 ゼグは斬られた事に気づかずにそのまま命を終えた。


「ぜ、ゼグ!? ゼグぅぅぅぅぅ!?」


 リターナは目の前の出来後に絶望して発狂した。


「よくもゼグを! フレイム!」


 リターナが魔法を放つが鎧には全く意味がなくそのままリターナの目の前にやってきた。


「や、やめてい、いやぁ!」


「リターナぁぁぁぁぁぁ!!」


「くそどけよテメェ!」


 クロスが一体の鎧を切り刻むとそのままリターナを守るべく走り出したがたくさんの鎧がクロスの前に立ち塞がった。


「たすけて! クロスぅぅぅぅぅぅ!」


 それが最後だった。

 リターナはそのまま鎧の剣に胸を刺されて絶命した。


「……リターナ」


 そのまま地面に倒れるリターナを見てクロスの何かが壊れた。


「う、うぁぁぁぁぁぁ!!」


 クロスの髪が黒く染まり猫耳と尻尾が生える。


「ぶっ殺してやるお前らぁぁぁぁ!!」


 クロスは自分に起きた出来事に気づかずにそのまま黒い鎧の軍勢を斬りまくった。


「はぁはぁ」


 肩で息をしてるとライドとリニスが立ち上がった。


「よ、よかった。 リニス! ライド無事で……がふぁ」


 いきなりリニスがクロスの溝尾を殴った。

 クロスはその攻撃反撃出来ずにそまま地面に倒れた。


「……り……ニス?」


「……チッ、計画失敗ね」


 そんな不機嫌なリニスの声だけが聞こえてクロスは意識を失った。

 


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ