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魔王の軍勢

一応、登場人物紹介の回、ですかね……。


 ――魔王城。

 この物語はこの城を中心に話が進む予定だ。だから隠す必要もないので明記しておくが、闇の宮殿たる《魔王城》は世界の最東端、永世中立国日本の領土、そのもっと東に位置する小さな島にある。

 その島は地図にすら明記されない小さな島で、領土主の日本の民衆ですらその存在は知られていない。知っているのは、各国のヒエラルキーの頂点に立っている者たちだけだ。


 周りを海で囲まれた、絶海の孤島。

 

 そここそが、魔王の住む世界である。




   ◇ ◆ ◇



 ――魔王城 魔王の私室 


「陛下!陛下ぁぁぁあああああ!」


 幼馴染の声がうるさい。

 土曜日、日本では全国的に休日に該当する今日この日、オレは自室のベッドにて心地よい目覚めを迎える筈だった。休日、休む日、今日は存分に眠って英気を養い、やりたい事を一気にやるつもりだった。――その筈だった。

 なのに。

 なのに今、部屋には幼馴染である少女の声が響いている。

 ドン!ドン!ドン!と扉を叩く音。朝っぱらから部屋に不法かつ無許可で侵入し大声でオレの起床を促すもんだから追い出して鍵までしたのに、諦めが悪いな。


「うるさいぞシャリー!オレは今眠いのー!眠たくて死にそうなのー!」

「何子供みたいにダダこねてんの陛下!?そんな事言ってないで出てきてよー!部屋で籠城しないでー!」

「嫌だ!オレは今日、読まずに溜まっていた漫画を消化すると決めたんだ!」

「何その無駄な決意!?みみっちいよ!神まで殺した悪魔がそんな決意で声を荒げるなんて、みみっち過ぎるよ!」


 確かにみみっちかった。だけど読みたいんだもの!


「そんなことより敵だって敵!異次元からの大軍団が正門の外に整列してるんだって!ヤバいって!」

「…………………………」


 異次元からの大軍団。

 彼らの目的が、自分討伐だという事くらいは、馬鹿でもわかる。

 そう。


 魔王こと黒宮秀兎は、命を狙われているのだ。


 それも世界中どころの話ではない。次元を超えた世界からも狙われているのだ。

 理由は至極単純にして明快。

 危険だから、である。

 ニンゲンの姿をしながら莫大な「力」を保持する黒宮秀兎は、明らかに「危険」なのだ。

 世界を脅かす、危険。

 

 だからこういう事は、魔王城にはよくあることだった。


 と言っても最近の話なんだけどね。

 神を殺す前は、もっと静かだったんだけどね。


「ああ、昔が懐かしい……」

「感傷に浸らないで!マジで大変なんだって!エルデリカが臨戦態勢になっちゃってるんだって!」


 エルデリカ――魔王城騎士団団長。剣術の鬼才。黄緑色の髪に恐ろしく整った容貌。

 

「大丈夫だって。アイツは」


 だってエルデリカはなんだかんだいって命令に忠実だし、オレの意思を無視して攻撃はしないし。


「紅葉が泣いちゃうよ?新兵器おもちゃが試せないって泣いちゃうよ?」


 紅葉――魔王城技術師団団長。学術の天才。桃色の髪に幼げな体躯。


「……うん、まぁ大丈夫」


 最近精神的に成長してるしね。そんなに直ぐに泣きわめかないよ。


「……そう。そうですか……」


 何やら声のトーンを落とすシャリー。どうやら落ち込んでいる様子。

 

「……いいよ、いいんだよ?秀兎が出不精だって事はむっかしから分かってた事だしね。だけどさ、今日の数はいつものとは違うんだよ……。魔王城騎士団や魔術師団、技術師団の戦闘部隊を総動員しても勝てるかどうかわからないんだよ?だからさ。お願い秀兎、出てきてよ……」


 その声は震えていて。

 だからただ事ではないんだろうなという雰囲気は伝わってくる。

 本当に、本当に勝てるかどうかわからないのだろうか。

 震える幼馴染の声。

 秀兎は、罪悪感からだろうか、なんとなくこの雰囲気に気まずさを感じ、窓の外へと視線を移す。

 ……………。


「……なぁ、シャリー」

「…………どうしたの、秀兎?」

「オレの見間違いだったら悪いんだけどさぁ……」


 オレの視線の先には、情報通り敵の軍勢がひしめいていた。魔王の個室は魔王城の中でも最上階に近い場所に位置しているので、敵の軍勢を見下ろす事が出来る。

 オレは、その軍勢に「あろうことか突っ込んでいった濃紺の少女」を見た。

 それは。その少女は。



「なぁんかその誰も敵いそうにない軍団に乗り込んで無双発動している萌黄さんが見えるんだけど、これは、……見間違い?」



 萌黄――魔王城侍従長。雑務の天才。武術の鬼才。濃紺の髪に紫色の瞳。


「おねぇぇぇぇぇちゃぁぁぁああああん!!」


 渾身の叫びだった。

 そしてこんな感じで、魔王城はいつも通りだった。

 

まだまだ紹介します……。

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