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20バンジー

 現状は何の力もないかもしれないが、メリアはこれでも本物の女神なんだよな。潜在能力だったら最強なんじゃないのか? いくら力がなくなったとは言え、成長することができないなんてことはないだろ。


「それでは、私が案内してあげますね。ついてきてください」


「悪いな。冒険者なんて凄い仕事まで教えて貰ったのに、身分証の作る場所も教えて貰うなんてな」


「気にしないでください。もとはと言えば、私が貴方の戦うところを見てみたいという好奇心から来たものですから。それに、冒険者何て私が教えなくともすぐに知ることになってましたよ」


 ひとまず、身分証を作るところまではいけそうだな。でもこれで発行にはお金が必要ですとか言われたら詰んじゃうよな……門番のお兄さんに俺たちが金をもってないことは伝えてあるし、身分証の発行に金がかかるんなら気を使って足りる程度の金をかしてくれていたはずだ。


「そう言えば、まだ自己紹介をしてなかったな。俺はダイゴロウ、こっちはメリアだ。とりあえず、少しの間よろしく頼む」


「こちらこそよろしくお願いします。私はアケレルです。この町を拠点に冒険者活動をしてるので大抵のことはわかると思いますからなんでも聞いてくださいね」


 メリアの女神パワーの幸運が俺にも付与されているのかと思うほどの幸運だよな。

 適当に話しかけた相手のアケレルが身分証の発行する場所まで連れて行ってくれるって言うだけでもツイてるってのに、そのあとの冒険者になるところまでこれならお世話になれそうだ。


「どうだ、メリア。今回は俺のお手柄だっただろう。メリアに頼らなくても俺だけでこれくらいのことはできるんだよ」


「あれだけ挙動不審だったのによく自慢げに言えるわね。あえて言わなかったけど相当みっともなかったわよ。あれだけ虚勢を張っておきながら一向に話しかけようとしない姿はひどいものだったわ」


 そこまで言うことないよな。俺だっていろいろ考えていたんだ。決して、話しかけるのに緊張してたから固まっていたわけじゃないんだぞ。


「そんな辛らつにならなくてもいいだろ。そこまで言ったからには次は相当役に立ってくれるんだろうな? 期待しててもいいってことだよな?」


「私はいつも通り行動するだけよ。変に期待されてもできないことはあるんだから。そこは理解しててよね」


 自分の時は都合のいいやつだな。できないって言ったら許されると思うなよ。次、へっぽこなことをしでかしたら絶対に追及してやるからな。覚悟しとけよ。






 俺たちはアケレルについて歩き、身分証を再発行しに向かった。


「身分証ってどこで発行できるんだ? やっぱり役所みたいな場所がこの町にもあるんだよな?」


「役所って何ですか? 身分証を発行する場所なんですから、管理ギルドに決まってるじゃないですか。そんなことも知らないん何てやっぱりおかしいですよ。最初に身分証を作った時はどうしたんですか?」


「いや、遠い昔のことで全然記憶に残ってないだけだよ。俺は記憶力には自信がないからな。こう言うこともあるって。メリアだってきっと覚えてないぞ。こいつは三日も覚えてれば奇跡だからな。数年前のことなんて微塵も覚えてないだろう」


「私を馬鹿扱いしないでよね。これでも記憶力には自信あるんだから。少なくともダイゴロウよりはきっといいわよ」


「図星をつかれたからって、あんまりでかい声出すなよ。恥ずかしいだろ。って、イタッ!!」


 メリアを煽っていると、強烈な肘が俺の脇腹に突き刺さった。


 何てキレ味だ。これならモンスターだって倒せるんじゃないだろうか。く、痛い。


「いきなり何するんだよ。いてぇだろうが」


「当然の報いよ。私を馬鹿にしてもいい存在なんて世界中探しても一人もいないんだから。私のことは常に敬いなさい」


「お前、ちょっと前までのしおらしい態度はどこへ消えたんだよ。これじゃあ、最初にあった時とほとんど同じじゃないか」


「全然違うわよ。前までだったらダイゴロウは今頃消し炭になっているところよ。それを我慢して、こうして軽く叩くくらいで許してあげてるんだからね。まさか、これくらいで置いて行くなんて言わないわよね? ダメよ、それはずるいんだから……」


 最後のほうは声が小さくなってるぞ。

 そんなに不安になるなら調子に乗っていろいろ言ってくるじゃないっての。俺だって聖人ってわけじゃないんだぞ。いつ我慢の限界がきて爆発するかなんて俺自身ですらわからない。その時にこいつを殴らない自信は俺にはないな。次はおでこにどでかいたんこぶを作ってしまうかもしれないな。


「今のところはそのつもりはないから安心しろよ。今後はどうなるかわからないから気をつけろよ」


 少し釘を指しておくくらいがちょうどいいだろう。これで、メリアもこんなに傲慢な態度を取りずらくなるはずだ。かといってしおらしくなられても面倒だからちょうどいい感じになってもらわないと困るんだよな。


「二人はすごく仲がいいんですな。やっぱりずっと同じ村で生活してきたからですか?」


「こいつと俺が仲が良いだって? それはアケレルの勘違いだな」


「そうよ。ダイゴロウと私は因縁の仲なんだから」


 どう見たら俺とメリアが仲が良く見えるって言うんだよ。案外アケレルの目は節穴なのかもしれないな。

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